チェ・ジウ 7 年ぶりのスクリーン復帰作!
あなたにも起こり得るかもしれない
日常に潜む恐怖と絶望を描いた予測不可能な“新時代”の体験型スリラー
韓国ホラー歴代興収2位を記録し、日本でも大いに注目された『コンジアム』のチョン・ボムシク監督最新作、チェ・ジウ7年ぶりのスクリーン復帰作となり、共演にミンホ(SHINee)、P.O(Block B)ら豪華キャストを迎えた、映画『ニューノーマル』が2024年8月16日(金)新宿ピカデリーほかにて全国公開される。
本作は、絡み合う奇妙な運命が日常を一転させ、予測不可能な事態を巻き起こす体験型スリラー。本国で驚異的な大ヒットを記録した『コンジアム』のチョン・ボムシク監督の最新作である。
この映画の公開を記念して、「cowai」では、チョン・ボムシク監督への単独インタビューを敢行!
また、読者プレゼントとして、B2映画ポスターを抽選で1名様にプレゼントする。
(締め切りは8/30(金)。応募方法は記事の後半にて掲載)
『ニューノーマル』公開記念!
チョン・ボムシク監督単独インタビュー
「悪霊や超自然的な現象を扱ったホラー映画がつまらなく感じるほど、
現実の恐怖が大きくなった世界を描きたかった」
ーー『ニューノーマル』鑑賞しました。とても怖くて面白かったです。単に怖いだけでなく、脚本の面白さ、トリッキーな映像美、社会風刺、社会批判もあり、人間ドラマとしても見ごたえがありました。
チョン・ボムシク監督 お褒めの言葉ありがとうございます。
ーー『コンジアム』を見た日本のファンは、いろんな意味で驚くと思います。『コンジアム』との違いや差別化は意識されましたか。また、YouTuberなど共通している部分もあります。
ボムシク監督 『コンジアム』では、正体不明の超自然的な現象がもたらす恐怖を扱ったのに対し、『ニューノーマル』では、悪霊や超自然的な現象を扱ったホラー映画がつまらなく感じるほど、現実の恐怖が大きくなった世界を描きたかったのです。
ーー今回の『ニューノーマル』はどのような経緯から作られることになったのですか。
ボムシク監督 『太陽がいっぱい』の原作者であり、サスペンス小説の巨匠パトリシア・ハイスミスは「サスペンスとは、暴力行為、さらには死の可能性が身近にあることだ」と言いました。
その言葉通り、白昼堂々と見知らぬ人に凶器を振り回される、インターネット上で殺害予告が投稿される、世界各地で無意味な戦争が起こり多くの人が死んでいくこの世界こそ「サスペンス」に満ちた世界ではないかと思い、このような現実世界を反映したサスペンス映画を作りたいと思いました。
そこで、ニュース、小説、映画、ウェブ漫画、ドキュメンタリーなど、サスペンスジャンルのネタになりそうなストーリーをソースとして集め、物語を作り始めました。
素材にするために集めた事件、事故を繋げる過程で「孤立」というキーワードを発見し、このキーワードに焦点を当てて物語を紡いでいきました。
「一人暮らしが当然のようになった時代」、「若い人たちが孤独に死んでいく時代」、「誰かにとっては絶望が日常となった時代」をサスペンス映画として描いていったのです。
一言で言えば、映画監督としてこの時代を見る視点とサスペンス映画へのオマージュが合わさり、『ニューノーマル』が生まれたのです。
『M』『殺しのドレス』『血を吸うカメラ』など
傑作スリラーを各章のサブタイトルに使った理由
ーータイトルの『ニューノーマル』に込められた意味を教えて下さい。
ボムシク監督 以前は異常な状況だと思っていたものが、今では正常で日常的なものになってしまったことを逆説的に風刺したものです。
ーー脚本も監督が書かれているのでしょうか。こうした時系列をシャッフルする脚本は、ゴダールやクエンティン・タランティーノなどの作品でも見られます。こうした構成にした狙いを教えて下さい。
ボムシク監督 まずそれを説明する前に、「ケヴィン・ベーコンの6段階の法則」を話さないといけないと思います。 “地球上のすべての人は6段階を経るだけですべてつながっている”という仮説ですが、これが面白いと思い、『ニューノーマル』の主人公を互いに関係のない6人に設定しました。(編集部註※ジャンルを超えて活躍する俳優ケヴィン・ベーコンにおける、「世界中のどんな俳優でも共演者を最大6人たどれば彼に行き着く」という本人公認の逸話を基にした法則。「六次の隔たり」「6人の法則」などとも言われる)
ボムシク監督 そして普通の映画を見ると、主人公の成長背景、家族関係、友人関係、恋人関係、そして特別に経験した事件やトラウマなど、様々な秘密の情報が観客に提供されますが、『ニューノーマル』の、それぞれのエピソードの主人公たちは、このような細かい情報をできるだけ排除して、私たちが道ですれ違うような他人のように見せたかったのです。
彼らが経験する出来事を、「非線形的な構成」を通して交錯させて見せることで、私たちがどんなに「孤立」したまま生きていても、どこかで私たちは繋がっており、お互いに影響を与える存在であることを、観客自身に考えながら感じてもらいたかったのです。
ーー各章、チャプターのサブタイトルが『M』『ドゥ・ザ・ライト・シング』『殺しのドレス』『Be With You ~いま、会いにゆきます』『血を吸うカメラ(Peeping Tom)』『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』とすべて名作映画からの引用ですが、その意図は?
ボムシク監督 私が好きなサスペンス映画のタイトルと映画の中の状況に合いそうな映画タイトルを選んでチャプターのタイトルを付けたのですが、一種のサスペンス映画へのオマージュと考えてもいいでしょう。
ーー『M』もそうですが、『殺しのドレス』もエレベーターでの殺人や視覚的なトリックなど、オリジナルを知っていると、さらに楽しめる仕掛けが随所にあります。
ムシク監督 そうです。私自身も映画好きなので、サスペン・スシーンで、好きな映画をオマージュすると同時に、新しく変形させて、今までとは違う楽しみや解釈の余地を持たせることを意図しています。
ーー『血を吸うカメラ(Peeping Tom)』『ドゥ・ザ・ライト・シング』『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』は、オリジナルと比較して、タイトルへの皮肉や風刺が効いています。
これらはタイトルから脚本を書かれたのでしょうか。それともストーリーに後からタイトルを付けたのでしょうか。
ボムシク監督 シナリオを書く過程でタイトルが思い浮かぶことが多かったのですが、その映画との関係性を考えながら脚本を書いても、観客の予想を裏切ったり超えるようなポイントを配置して、観客に皮肉や風刺、予想を裏切る快感を与えようとこだわりました。
ボムシク監督 あとは、既存のスリラーには、ひたすら重苦しく、怖さだけが強調された作品も多いのですが、本作では所々にユーモアを散りばめ、時にメロドラマやラブストーリーっぽい雰囲気の見せ場を入れたり、ある時はアニメーションっぽい表現を使って、新しいサスペンスを作りたいと思いました。
ーーアニメーションの表現はどの辺りに反映されていますか。
ボムシク監督 表現というか雰囲気ですね。例えば、第一話はシットコム(シチュエーション・コメディ)形式のアニメを参考にしています。第二話はディズニーのモノクロのクラシック・アニメのような雰囲気を意識しました。
チェ・ジウを起用したのは、誰も予想できないキャスティングにするため。
ーーチェ・ジウを主演にした狙いを教えて下さい。日本人にはとても意外性があるキャスティングと思いますが。
ボムシク監督 私はいつも「どんな俳優がこの役に合うのか」と「どんな俳優が一番予想外のキャスティングなのか」を同時に考えています。 そんな中で、元祖メロクイーンである“ジウ姫”にヒョンジョン役を任せたら、誰も予想できないキャスティングになるだろうと思いついて、すぐにシナリオを送りました。 日本でも驚かれるキャスティングだと思いました。
ーー非常に難しい役柄だと思いますが、演技指導はされましたか。
ボムシク監督 チェ・ジウさん本人も「このようなジャンルの演技は初めてなので心配です」と言いましたが、いざ撮影に入ると、非常に集中し、落ち着いて私の話ひとつひとつに耳を傾けてくれました。その結果、私が描いていた「ヒョンジョン」以上のものを表現していただき、とても感謝しています。
ーー撮影で大変だったことや、苦労したシーンがあれば教えて下さい。
ボムシク監督 撮影で苦労したのは、“暑さ”でした。最も蒸し暑い時期に撮影しましたから。中でも、『血を吸うカメラ(Peeping Tom)』のエピソードでの、ピョ・ジフン演じるギジンの部屋はロケ地のマンションを借りて撮影しましたが、エアコンもない13坪ぐらいの空間に30人~40人のスタッフが固まって入っていたので、かなり辛く苦労したのを覚えています。それでもピョさんは弱音を吐かず、複雑な撮影にも、熱心に演じてくれたので、有難かったですね。
ーーこの作品では、絶望の恐怖と共に、貧困や受験、マッチングアプリなど、様々な社会問題をテーマにしています。また、その象徴としてスマホとカップラーメンが登場します。そこに込められた監督の狙いを教えて下さい。
ボムシク監督 スマートフォンとカップラーメンに代表される「一人飯」は、現代社会における「孤立」と「孤独」を象徴しています。そのため、エピローグに「一人飯」のシーンを入れたのですが、私たちが一人で飯を食べている姿は、もしかしたらこの時代を生きている私たちの孤独で寂しい自画像ではないかと、観客の皆さんと共有したかったのです。
ーーこの作品を撮るにあたって、意識された監督や作品があれば教えて下さい。
ボムシク監督 各チャプターのタイトルの通り、フリッツ・ラング監督の『M』、ブライアン・デ・パルマ監督の『殺しのドレス』、マイケル・パウエル監督の『血を吸うカメラ(Peeping Tom)』は当然意識しました。そうした古典的な傑作サスペンスの伝統を受け継ぎながら、それらをどのように現代化し、新しいサプライズを生み出せるか、こだわりながら作りました。
ーー監督は『コンジアム』はもちろん、過去には『ホラー・ストーリーズ』『奇談』などのホラー作品を手掛け、ホラーにも造詣が深いと思います。影響を受けた、また好きなホラー映画やホラー監督がいれば教えて下さい。
ボムシク監督 日によって替わりますが、今日の気分で、好きなホラー映画は『ジョーズ』と『エイリアン』です。
ーー「ニューノーマル」のここを見てほしい、オススメのシーンを教えて下さい。
ボムシク監督 こだわり抜いた各章のサスペンス・シーンは言うまでもありませんが、個人的には、エピローグの「一人飯」のシーンがお気に入りで、自信を持ってオススメします(笑)。
ーー最後に日本の観客にメッセージをお願いします。
ボムシク監督 海外の多くの映画祭から招かれて、ありがたいことに多くの賞賛と反響をいただきましたが、まだアジア地域の反応は知りません。 特に日本は韓国と似たような社会状況だと思うのですが、日本の観客の皆さんがどのように観てくださるのかが一番気になります。
『ニューノーマル』への応援宜しくお願い致します。
ーーありがとうございました。
【読者プレゼント】
『ニューノーマル』公開記念!
B2映画ポスターを抽選で1名様にプレゼント!
<応募方法>
応募締め切りは2024年8月30日(金)
応募方法は、WEB映画マガジン「cowai」twitter公式アカウント(@cowai_movie)をフォローし、該当するプレゼント記事ツイート( https://x.com/cowai_movie/status/1824442651187589315)をリポスト(RT)してください。
<抽選結果>
締め切り後に抽選を行い、当選された方に「cowai」公式TwitterアカウントよりDMで通知させていただきます。当選品は郵送する予定です。(諸般の事情や、災害、キャンセル発生等やむを得ぬ事情で遅れる場合があります)
皆様のご応募お待ちしています!
【応募の注意点】
〇当選後に住所の送付が可能な方のみご応募ください(日本国内のみ有効)。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
〇当選品は映画配給会社よりご提供いただいたプロモーション目的の非売品扱いとなります。このため、傷や汚れ等があっても交換はできませんので、ご了承ください。
※非売品につき転売目的のご応募は禁止とさせていただきます。
〇当選のキャンセルが発生した場合は再度抽選を行う場合があります。
〇抽選結果や抽選経過に関して個別のお問い合わせには応じられませんので、あらかじめご了承ください。
INTRODUCTION
あなたにも起こり得るかもしれない
日常に潜む恐怖と絶望を描いた予測不可能な“新時代”の体験型スリラー
ソウルでは女性ばかりを狙う連続殺人事件が多発し、世間を賑わせていた。
ある日、マンションで一人暮らしをしているヒョンジョン(チェ・ジウ)の元に火災報知器の点検をしに来たという中年の男性が訪ねてくる。
図々しく家の中に入ってくる怪しげな男性に不安を覚えるヒョンジョン。
一方、デートアプリでマッチングした相手と待ち合わせをしているヒョンス(イ・ユミ)。
しかし、そこに現れたのは思いも寄らない人物だった。
交差する2つの出来事が予想だにしない結末を巻き起こす…。
韓国ホラー歴代興収2位『コンジアム』の監督であり、〈Kホラーの巨匠〉と呼ばれるチョン・ボムシクが、最新作ではサスペンス・スリラーに挑戦し、観客を魅了し続けている。
ドラマ『冬のソナタ』や『天国の階段』などで“韓流”のトップスターとして愛され、“韓流”ブームに貢献した韓国を代表する俳優チェ・ジウは、本作では、笑うことのできない女性“ヒョンジョン”役に挑戦し、今までにない冷たく冷ややかなイメージの中に意外なエネルギーを秘め、新たな一面を披露している。Netflixのシリーズ「イカゲーム」と「今、私たちの学校は…」で世界的なスターダムにのし上がったイ・ユミは、人とのつながりを望む平凡な20代女性“ヒョンス”を演じ、リアルでバイタリティあふれる演技を披露している。
さらに、K-POPのレジェンドアイドルグループ「SHINee」のメンバーであるチェ・ミンホは、つながりを求める孤独な大学生「フン」に変身し、ロマンスとサスペンス・スリラーの境界を行き来する多面的な演技を披露している。同じくK-POPアイドルグループ「Block B」のメンバーであるP.O(ピョ・ジフン)は、本作がスクリーンデビュー作となる。20代の青年“ギジン”を演じ、ロマンスに没頭するあまり、ストーカーに変貌する強烈なキャラクターを披露している。ほか、ハ・ダインやチョン・ドンウォンなど期待の新人も参加し、錚々たる豪華キャストの集結に作品への期待が更に高まる。
■作品情報
監督・脚本:チョン・ボムシク『コンジアム』
出演:チェ・ジウ「冬のソナタ」、イ・ユミ「イカゲーム」、チェ・ミンホ(SHINee)「ザ・ファビュラス」、
ピョ・ジフン(Block B)「ホテル・デルーナ」、ハ・ダイン、チョン・ドンウォン
2023 年/韓国/韓国語 5.1ch/113 分
原題:뉴 노멀(英題:NEW NORMAL)/字幕翻訳:根本理恵
提供:AMG エンタテインメント ストリームメディアコーポレーション/配給:AMG エンタテインメント
©2023 UNPA STUDIOS.ALL RIGHTS RESERVED.
公式サイト: https://newnormal-movie.jp/
2024 年 8 月 16 日(金)新宿ピカデリーほか全国公開
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