全米週末興行ランキング 初登場8位!
邪悪が、目覚める……前代未聞の肉体損壊!

『サイコ・ゴアマン』S・コンスタンスキ監督が特殊造形クリエイターで参加!
【R18+】『バイオレント・ネイチャー』【閲覧注意】の本予告解禁!
静謐と惨劇が溶け合う──
異色の《アンビエント・スラッシャー》
「ヨガの女性が殺されるシーンがものすごい」って
ウワサが口コミで広がって全米8位に!
クリス・ナッシュ監督 単独インタビュー

――『バイオレント・ネイチャー』、意表を突く斬新さと、独創的な視点、カメラワーク、迫力あるゴア描写に引き込まれました。
クリス・ナッシュ監督: ありがとう。ありきたりなスラッシャー映画を撮るつもりは全くなかったんだ。
僕がホラー以外で、大ファンだったガス・ヴァン・サント監督の諸作品、『GERRY ジェリー』とか『エレファント』とか『ラストデイズ』みたいな感じのスタイルで、ホラー映画やスラッシャー映画を撮ったら面白いんじゃないか?って思ったことが、発想の出発点だった。
――ガス・ヴァン・サントのサスペンスと、ゴア・スプラッター・ホラーを掛け合わせるとはユニークですね。
ナッシュ: バランスとか、あまり考えずにね(笑)。とにかく自分が好きなものを自由にミックスしてみた。もちろん僕だってスラッシャー映画を見て育った世代だし、今は仕事として特殊メイクアップアーティストもやっているのだから、当然映画でチャレンジしてみたいことは、何より激しいゴア描写だ。
一見矛盾しているようだけど、ガス・ヴァン・サント風のアートと、強烈なゴア・スプラッターという、相反する二つの要素を合体させて、まだ誰も見たことのないスラッシャー映画を生み出させたと思っています。
――ナッシュ監督は、『寄生体XXX』などの特殊メイクアップアーティスト出身で、これが長編映画監督デビューとなります。監督作としてはオムニバス・ホラー映画『ABC・オブ・デス2』の短編以来ですが、本作を撮るきっかけや経緯は?
ナッシュ: 元々はテレビシリーズ用に別のホラー企画を立ち上げていて、いろんな会社にピッチ(プレゼン)していた。だけど僕の監督としてのキャリアが『ABC・オブ・デス2』(の1エピソード)しかないから、「たとえテレビシリーズが実現したとしても、監督はさせられない」って言われた。だから監督のキャリアを作るために、先にこの映画に挑んだんだ。でも、まさか全米8位に入るとは思わなかったね。
――失礼ながら、こんなマニアックなゴア・ホラーが全米週末興行ランキングで8位に入るのは衝撃ですね。要因は何だったんでしょうか。
ナッシュ: 配給元(配給会社)のマーケティング・チームが優秀だった、としか言えない。『バイオレント・ネイチャー』が公開される週末の前に、公開された話題作は『マッドマックス:フュリオサ』と『ねこのガーフィールド』だけだった。この二つの公開直後、メジャー・スタジオがびびって、他に大作を何も持ってこなかった。その隙間を埋めるように、配給元がこの映画をぶっ込んで、「ガーフィールドもフュリオサも見たくない!」って観客を集めることに成功したんだ。
あとはサンダンス(映画祭)でプレミア公開された時、「ヨガの女性が殺されるシーンがものすごい」っていうレビューの書き込みがあって、その後、「めちゃくちゃすごい殺人シーンがあるらしい」とか「本当に《大好きな人》と《大嫌いな人》かにぱっくり分かれる映画」という口コミが広がって、全米8位につながったんだ。

評判を呼んだ“ヨガの女性が惨殺されるシーン”は、
イタリアン・ホラーやジャーロを意識して、1か月かけて撮影

――確かに、特殊メイクを駆使した殺戮シーン、特にヨガの女性が惨殺されるシーンが迫力満点で素晴らしかったです。あれはどれだけ手間をかけて撮影したんでしょうか。
ナッシュ: うん、ヨガの女性が殺されるシーンは、一番こだわって撮ったんじゃないかな。トータルで、多分一ヶ月ぐらいかけて撮っている。一気に全部撮るというやり方ではなく、まず5月に何週間か撮り、次に8月に何週間か撮り、12月にも何週間か撮って、という制作スケジュールだった。女優さんのパートは5月に全て撮り終えて、8月に特殊メイクのカットを撮って、12月に追加として、女性の首から背骨が飛び出てくるというようなカットを、プロデューサーの自宅の庭で撮ったり。どういうカットがどれだけ必要かは最初から分かっていて、それをどんどん撮りためていきました。
このシーンは特にイタリアン・ホラーというかジャーロっぽいものを意識して、肉体の各部位の破壊をひたすら見せる手法でしたね。そこには(殺人鬼)ジョニーの異様な力を体感させるという意味も含まれていて、丁寧にカットを割って撮っていたので、最終的に使わなかったカット、(編集で)捨てたカットも結構ありました。ある意味で贅沢な撮影でしたね。

――今、イタリアン・ホラーの話が出たんですけど、イタリアン・ホラー、特にジャーロで好きな作品があれば教えてもらえますか。
ナッシュ: あんまりコアなファンだと思われないかもしれないけど、やっぱり『サスペリア』。『サスペリア』はベスト・ジャーロにして、ベスト・イタリアン・ホラーじゃないかな。あと、個人的には『デモンズ’95』も大好きだ。多分見てる回数では『デモンズ’95』の方が多いんだけど、リスペクトという意味では、やっぱり『サスペリア』がベスト。
――監督の前作『ABC・オブ・デス2』は現在、日本ではDVDやBlu-rayが廃盤となり、配信も行っていないため(TSUTAYAの宅配レンタルのみ。※2025年9月12日現在)、作品を見る機会が極めて少ないのですが、どんな短編を手掛けられたのですか。
ナッシュ: (『ABC・オブ・デス2』の)ショートフィルム 「ZYGOTE 受精卵」は、妊娠した女性が、助産婦からもらった、木の根っこのようなハーブを食べてしまったことから、13年間も赤ちゃんが生まれず、お腹で成長してしまった赤ちゃんが、お母さんの骨も内臓も全部押し出して、お腹の中から出てくるという話ですね。
――凄そうだ(笑)。ぜひ再販か配信を希望します。ちなみに、売り込んだテレビシリーズはどんな内容なんですか。
ナッシュ: ホームレスの女性が、地下に棲む人喰い巨大昆虫と力を合わせて、汚職をしている市長と戦うんだ。面白いでしょ?
――確かに(笑)、ぜひ見たいです。そのテレビ企画の実現の意味も含めて、先に『バイオレント・ネイチャー』を手掛けられたそうですが、映画製作費の資金集めは、同じように映画会社にプレゼンをされたんですか。
ナッシュ: いや、こっちは僕の親友のスティーブン・コンスタンスキ監督の『サイコ・ゴアマン』の撮影に参加していた時(ナッシュ監督はクリーチャー・エフェクト・スーパーバイザーのクレジットで参加)、現場で「こういう映画を撮りたいんだけど」って話していたら、いろんな人が「いいアイデアだね!」って興味を示してくれて、お金が集まったんだ。
親友である『サイコ・ゴアマン』監督が手掛けた見事な特殊造形
FPSゲームの影響は!?殺人鬼で一番影響を受けたのはあの映画

――資金調達はラッキーでしたね。『サイコ・ゴアマン』は日本でもスマッシュヒットとなったSFホラー・コメディです。『バイオレント・ネイチャー』では、コンスタンスキ監督も参加していますが、具体的にどんな協力をされたんでしょうか。
ナッシュ: コンスタンスキ監督には、スペシャルエフェクト(特殊造形)のチームリーダーになってもらった(※コンスタンスキ監督も特殊メイクアップアーティスト出身)。だから全てのエフェクトは彼が作った、または彼の監視の下に作られたんだ。どれも見事な出来栄えだった。作品のクオリティに大きく貢献してくれたよ。最初に本編の70 %を撮影した時は、彼は毎日セットを訪れていたんだけど、撮り直しの時には、別作品のポストプロダクションに入っていたので、毎日来ることができなかった。でも彼が作った造形物はすべて揃っていたので、全く問題はなかったよ。

――『バイオレント・ネイチャー』では、殺人鬼の目線でのカメラワークが斬新でした。これはFPSなどのゲームの視点にも似ていますが、撮影のアイデアはどのように生まれましたか。
ナッシュ: 実は、僕は全くゲームをやらないんです。NINTENDO64があった昔に、コントローラーが複雑に感じて、プレイしなくなってしまった。じゃあ、全く関係がないと言ったら、そうでもない。最近知ったことですが、ガス・ヴァン・サントが『GERRY ジェリー』を撮った時、あの作品の撮影方法が、誰かが「トゥームレイダー」のゲームをプレイしてるところからインスピレーションを得た、という話を聞いたからです。ゲームの影響を受けたスタイルで撮った監督の作品に、全くゲームをやらない監督が影響を受けて撮って、作品が生まれたのだから、ある意味でつながっているのかもしれません。
――殺人鬼ジョニーのキャラクター造形もユニークです。“不死のゴーレム”“60年前の事件にまつわる怨念”など、様々なホラー的エッセンスが注がれています。
ナッシュ: 特に意識したのは『13日の金曜日』ですね。といっても、ジェイソンの一般的なイメージをトレースしたわけではありません。僕は「ジェイソンとは一体何なんだ」と、ずっと考えていました。シリーズが続いていく上で、ジェイソンというキャラクターがどんどん変わっていきますよね。1作目には実は登場しなくて、2作目では(ホッケーマスクではなく)袋をかぶっていて、5作目では偽物になっていて、6作目ではゾンビ、その次にはニューヨークに行って、さらに後には地獄からの悪魔だという扱いになったり。「ジェイソンとは何か」ということを考えた時、これはもう一つのアイコンだと思いました。
そこでジョニーのキャラクターを作る上で、ジョニーの武器やマスクといったアイコンとしてのアイテムについて深く考察しました。
僕たちの裏のコンセプトとしては、全く新しいホラー映画を撮るというより、例えば『バイオレント・ネイチャー』が仮にシリーズであったとして、その2作目、3作目の映画を撮っているという感覚で、ジョニーのおぞましい歴史や背景を反映させながら、魅力あるホラー・キャラクターのアイコンを考え、映画に凝縮させています。
特にマスクはオリジナルなデザインであり、最もこだわったつもりです。「いったいこれは何なんだ!?」という理不尽な恐怖を漂わせながら、絶望と不条理さにも焦点を当てて表現しています。
――影響を受けた映画や監督があれば教えて下さい。
ナッシュ: 作品なら、オーストリアの殺人映画『アングスト/不安』かな。監督だとアラン・クラーク、マイケル・チミノ、テレンス・マリック、黒沢清。時間をかけて、ゆっくりとした撮影手法で、不穏な物語を語る映画に影響されていると思います。
――黒沢清監督の中ではどの作品がお好きですか。
ナッシュ: 悩みますが、落ち着くのは『カリスマ』かな。非常にユニークなストーリーなので、特に好きです。
――最後に日本の観客に向けてメッセージをお願いします。
ナッシュ: 上質なエンターテインメントかどうかは、観客の判断に委ねますが、とにかく《誰も見たことがないようなスラッシャー映画》になっていることは、お約束します。ぜひ劇場で楽しんでください。
――ありがとうございました。

【取材・文 福谷修(ふくたにおさむ)】
WEB映画マガジン「cowai」編集長、ライター、映画監督。総監督を務めた新作ホラー・アニメ映画『ナイトメア・バグズ』(花澤香菜CV)がアヌシー国際アニメーション映画祭2025に続いて、第58回シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭に選出されて大忙し。
【読者プレゼント】
『バイオレント・ネイチャー』公開記念!
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<応募方法>
応募締め切りは2025年10月4日(土)
応募方法は、WEB映画マガジン「cowai」X公式アカウント(@cowai_movie)をフォローし、該当するプレゼント記事ポスト( https://x.com/cowai_movie/status/1966627257608532395 )をリポスト(RT)してください。
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〇抽選結果や抽選経過に関して個別のお問い合わせには応じられませんので、あらかじめご了承ください。
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日時:9/13(土) 13 時 30 分の回上映終了後@新宿シネマカリテ
登壇者:野水伊織(声優)、ジャガモンド斉藤(映画紹介人)
詳細:https://qualite.musashino-k.jp/

2025年9月12日(金)新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷他
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