モントリオール・ヌーヴォー・シネマ映画祭
TEMPS 0 部門 正式出品!

本作で、九条の 2 面性を体現して、怪演を見せている一ノ瀬竜。撮影に向けてストイックに役作りへ挑み、10 ヵ月間の肉体改造も行った。6 ヶ月で 17kgの増量を行った後、さらに 4 ヵ月で 13kg 絞ったのだという。撮影前にも入念にパンプアップを行った、その鍛え上げられた肉体は劇中でも存分に披露されており、揺るぎない役への献身は“和製クリスチャン・ベール”の誕生を思わせる。
【オススメ/レビュー】
『インコンプリート・チェアーズ』☆☆☆☆
「“Jホラーの復活”などという小さな枠に収まらない、才能の躍動」

正直に言えば、今やJホラーは過去の栄光にすがって、欧米はもちろん、アジアなどのホラー作品にも後れを取っている。
本格ホラーが作りにくい日本独特の興行スタイルなど、理由はいろいろあるが、現状が良いとは思えない。
そんな中で、唯一、気を吐いているのが、宇賀那健一監督だ。
当サイトでも絶賛したイタリアン・ジャッロを意識したサイコスリラー『Love Will Tear Us Apart』をはじめ、スプラッタ―『悪魔がはらわたでいけにえで私』など、ホラーを中心に、多彩な作品を発表する彼の最新作だ。
人体のパーツで構成する椅子を完成させるため、淡々と殺人を繰り返す男の物語……と聞けば、ハーシェル・ゴードン・ルイスの時代から、西洋ホラーでは定番のシチュエーション。しかしながら、日本ではいくつかの作品を除いて、ほとんど定着しなかった。
邦画の興行としては、無謀な戦いとも思えるジャンル。そこに果敢に挑戦した監督だが、さすがというべきか、単なる西洋残酷スプラッタの安易な模倣には終わらせない、才気みなぎる作品に仕上げている。
何より、主人公の人物造形が面白い。今時のクセの強いクリエイターなのか、狂人なのか、曖昧な境界線の中で、他の登場人物や観客を煙に巻いていく。
主演の一ノ瀬竜が有名俳優ではない上に、確かな演技力と存在感で、九条というキャラクターにリアリティをもたらす。監督の演出力と相まって、理不尽な展開ながらも、ハラハラしながら不思議と主人公に共感してしまうのだ。(まあ、元ネタの一つは○○○○○・○○○なんだけど、それを意識させない作り)
思えば、ラブストーリーとしても秀逸だった『Love Will Tear Us Apart』もそうだが、結果としてドラマがホラー描写の説得力にも貢献し、全編をけん引しているのが、この監督の強みでもある。
もちろん人体損壊などのスプラッタ―描写も容赦なく、全く手を抜いていない。
レイトを下げるためにゴア度を抑えることもなく(R18+)、全力で振り切って、これでもかと見せ場を詰め込んでいる。
CGもほとんど使っていない。大半を名手・千葉美生らによる特殊造形・特殊メイクを駆使して、相当手間のかかる撮影を行っている。予算を考えれば限界までやっているのだろう。
奇しくも、この1月から2月は、『ザ・カース』『ブルックリンでZ級監督と恋に落ちた私』など、監督の新作が相次いで公開される。(昨年には『ザ・ゲスイドウズ』も公開)。
台湾との合作による呪い(呪詛)系の『ザ・カース』、自伝的要素も感じられるコメディ『ブルックリンで…』など、どれも面白くて魅力的だが、あえて一本を推すのなら、個人的にはこの『インコンプリート・チェアーズ』だ。
“Jホラーの復活”などという小さな枠に収まらない、世界に挑戦しうる才能の躍動を、ぜひとも劇場のスクリーンで堪能してほしい。
(福谷修/「cowai」編集長・映画監督)

不穏なキャラクタービジュアル解禁&作品解説
椅子職人が素材を集めるために、
工具で人々を無慈悲に殺害していく……。

一脚の人間椅子の制作過程を描く、R18 ハードコア・スラッシャー・ムービー誕生…!!椅子職人が素材を集めるために、工具で人々を無慈悲に殺害していく……。
監督は、『異物』シリーズ、『悪魔がはらわたでいけにえで私』、『ザ・ゲスイドウズ』など強烈な個性を放ち、『ザ・カース』などの新作も控える、世界が注目する⿁才、宇賀那健一。

主演には、映画やドラマ、舞台でマルチに活躍を見せる一ノ瀬竜。本作で椅子職人と冷酷非道なシリアルキラーの 2 つの顔を持つ、九条新介を狂演した。椅子バイヤーの加藤夏子役を、元 AKB48 のメンバーの大島涼花、加藤が通うバーのオーナーの内田正樹役を藤井アキトが演じる。

さらに、『ザ・カース』で映画初主演を務める海津雪乃、映画監督・俳優の二ノ宮隆太、元テコンドー日本代表選手の大谷主水、「仮面ライダーガッチャード」の藤林泰也、「We Best Love 永遠の 1 位/2 位の反撃」にて初主演を飾った YU、ほか個性的な顔ぶれが集結。
劇伴を手がけたのは、ベルギーのコールド・ウェーヴ/エレクトロ・ロック・デュオ、Pornogrpie Exclusive。
モントリオール・ヌーヴォー・シネマ映画祭ほか、続々と海外映画祭で現地のゴア好きを熱狂させた超過激スラッシャー・ムービーが、襲来する……。






【STORY】




コメント
監督: 宇賀那健一
人間で椅子を作る映画を作りました。ここ数年 SNS を見ていて色々思うことがあり、その想いをこの映画にぶつけました。そして、映画音楽は昨年モントリオールの映画祭で出会ったベルギーのバンド、Pornographie Exclusive にお願いしました。彼らの音楽も本当にカッコ良いのでそこも注目してもらえたら嬉しいです。沢山の方に楽しんでいただけ…る映画ではないのかもしれないのですが、それでもごく一部の誰かに深く刺さり、それが少しでも拡がっていきますように!
プロデューサー:鈴木祐介
企画当初はこれほど多くの映画祭にノミネートされるとは思っていませんでした。最高のキャスト・スタッフのおかげで実現でき、心から感謝しています。特に初主演の海津雪乃さんは大きなプレッシャーの中で最後まで走り抜けてくれました。日本と台湾の魅力が融合した作品ですので、ぜひ劇場でお楽しみください。
主演:一ノ瀬竜
初めて脚本を読んだ時、これを映像にしたらどうなるんだろうというワクワク感が込み上げたのを覚えています。
僕が演じた九条という男は、自分にとっての正義を理由に他人を傷つける、とても自分勝手で残忍な男です。しかし同時にとても人間らしいなと思い、リアルな人間としてその世界に存在できるよう意識して演じました。
人間で椅子を作るという最高に尖った映画です。
不完全な椅子と不完全な人間たちをぜひご覧ください!
みなさんに楽しんでいただけたら幸いです!
2026 年1 月 23 日(金)より新宿バルト 9 ほかにて全国ロードショー
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