愛しき王子様は、美しい“シンデレラ”ではなく、わたしのもの!
理性を失った美への狂気的執念は悪夢の血に染まった舞踏会の幕開

映画祭で退出者続出の
北欧発ゴシック・ボディホラーが遂に日本上陸!
童話「シンデレラ」に登場する意地悪で醜い義姉妹の一人を主人公にした本作は、招待された憧れの王子様の舞踏会で妃に選ばれるため、想像を絶するほどの恐怖や痛みを伴う身体改造に挑み、その暴走する美への執着と狂気のさまを、現代にも通じる滑稽で皮肉なルッキズム風刺をまとって描くボディホラー作品。主人公のエルヴィラを演じるのは、子役としてキャリアをスタートさせ、モデルとしても活躍するリア・マイレン。本作が長編映画デビューとなるエミリア・ブリックフェルト監督は、デヴィット・クローネンバーグ監督から強い影響とインスピレーションを受け、美に囚われた女性たちのおぞましいフェアリーテイルを完成させた。そして、第41回サンダンス映画祭ミッドナイト部門でプレミア上映されるとグロテスク描写で「退出者続出!」という衝撃的な幕開けを飾り、第29回富川ファンタスティック国際映画祭ではグランプリと観客賞を受賞。そして、三大ファンタスティック映画祭の最高峰、第58回シッチェス・カタロニア国際映画祭のコンペティション部門で見事グランプリに輝くなど、ホラーの枠を超えて絶賛されている。
『アグリーシスター 可愛いあの娘は醜いわたし』公開記念
エミリア・ブリックフェルト監督緊急単独インタビュー
【1】「自分がシンデレラではないと気づいた悪夢が、ボディホラーの原点に」

ーー『アグリーシスター 可愛いあの娘は醜いわたし』、大変素晴らしい作品でした。シッチェス映画祭グランプリをはじめ、数々の映画祭での絶賛も納得の出来です。
エミリア・ブリックフェルト監督(以下、監督): ありがとう。世界中で私の映画が温かく迎え入れられたことは、今でも信じられないです。ノルウェーという小さな国から来た私にとって、まさに夢が叶ったような気がします。
ーー長編監督デビュー作で、シンデレラのホラーという題材を選んだ理由や経緯を教えてください。
監督: 最初のきっかけは、今から10年程前、私が映画大学の学生で、卒業制作にボディホラーの映画を作ろうと考えていたんです。
元々怖がりで、ホラーはそんなに好きではなかったんですが、たまたま見た(デヴィッド・)クローネンバーグの作品に影響されて、ボディホラーにハマってしまった。
でも、いざ自分で作ろうとなると、なかなか良いアイデアが浮かばず、行き詰まっていました。
そんなある時、ちょっと脳を休ませようと、うつらうつら20分程、昼寝をしたんです。すると夢の中に現れたのが、身長2mのかなりぽっちゃりした女性。それは私が考えた、ボディホラー映画のキャラクターだったんです。彼女はシンデレラでガラスの靴を履いていました。やがて王子様が現れ、二人は馬に乗って城へと向かったのですが、途中で王子様は女性の靴が血まみれであることに気づきました。女性が恐る恐る靴を脱ぐと、彼女の足のつま先がざっくり切り落とされていました。その瞬間、彼女は自分がシンデレラではなく、意地悪で醜い義理の姉であることを知ったのです。そこで目が覚めた私はひどくショックを受けました。なぜなら、これまでこのキャラクターに同情や共感をしたことがなかったからです。なぜこんな夢を見たのか。突然、すべてを理解しました。彼女は私なのです。ああ、私はシンデレラじゃないんだ!って。
私だけじゃなく、多くの女性たちが、美しいシンデレラになることを夢見ていても、現実には大人になる過程や様々なコンプレックスから、自分が義理の姉妹の方(の立場)であることに気づくのです。
そして皮肉なことに、そんな残酷な真実がボディホラーという題材にぴったりだったんです。だから卒業制作を経て、私はシンデレラの義理の姉妹でボディホラーの長編映画を撮る決意をしたのです。

【2】「ディズニーの泥沼にはまってしまうような、
勧善懲悪のキャラクターを作ることはない」

ーーこの作品を面白くしているのが、リアルで容赦のない残酷描写であると同時に、シンデレラや、主人公である義理の妹エルヴィラのキャラクターがとても魅力的に深堀りされていることです。単純な善悪でもない、それぞれに共感してしまうキャラクターの奥深さと、一筋縄ではいかないユニークさが、物語をけん引しているように思いました。
監督: エルヴィラはヒロインでありながら、同時にヴィランにもなりうるキャラクターだと思っています。最初は自分の容姿にコンプレックスを持つ被害者として描かれていますが、映画の途中、(ダイエットを促進させるための)寄生虫のサナダムシの卵を飲み込む辺りから、異常なまでに美への執着をエスカレートさせて、サディスティックで自己中心的な人間に変貌していきます。エルヴィラを応援する多くの観客にとって、まるでシンデレラが敵役のように感じられ、より物語が楽しめると思いますが、私にとっては必ずしもシンデレラをヴィランと決めつけて描いたつもりはないんです。
いわゆるディズニーの泥沼にはまってしまうような、勧善懲悪のキャラクターを作ることが目的ではありません。
人がなぜそんな行動を取るのか、キャラクター一人一人の出自まで掘り下げて、正確に理解することが大切だと思います。
確かにシンデレラは、女として完璧なので、ちょっとイライラさせられるところもありますが(笑)、それは彼女のせいではありません。彼女も生き残るために必死に奮闘しているのです。

【3】「他のシンデレラのホラー?知らないし、興味がないわ」

ーー 最近はパブリックドメインとなった名作童話やアニメを低予算ホラー化するプロジェクトが流行しています。シンデレラにもスプラッタ・ホラー作品(『シン・デレラ』とか)がいくつかあります。一見、そうした作品と混同されがちですが、監督はそのあたりは意識されたんでしょうか?
監督 最初にも言いましたが、私はとても怖がりなので、そんなにホラーは好きではないんです。だからパブリック・ドメインの低予算ホラー映画が流行っていることなんて興味がないし、今初めて知ったぐらい(笑)。
私自身、映画を作る時、既に世に出ているアイデアかどうかとか、あまり気にしません。重要なのは、自分が作る映画が、人々の時間を使って見ていただく価値があるのか、そして、本当に自分が作らなければならない作品なのか、なのです。
過去にあった作品がどうであろうと、自分が「いける」と思ったからには、そのアイデアやプロジェクトを信頼して取り組まなければならない。そして、私にはその自信がありました。だから私は、他の人が作った「シンデレラ」が、私の「シンデレラ」を台無しにしてしまうのではないかと恐れたことは一度もありません。だって私の「シンデレラ」が一番面白いからです。
あと、ホラーといっても、私がこだわっているのはボディホラーです。
ボディホラーには、一般的なホラーにありがちな、観客を席から飛び上がらせるようなジャンプスケア的な怖さはありません。むしろ、じわじわと引き寄せられる、怖いけど、もっと見たくなるような、底知れぬ魅力があると思っています。

【4】「この作品は、私なりのクローネンバーグ作品への回答」

ーー監督はクローネンバーグの影響を受けたとおっしゃっていたが、具体的にどんな部分で影響を受けていたのでしょうか。クローネンバーグのボディホラーの魅力とは?また、本作はある意味でクローネンバーグ作品のテーマから、さらに一歩踏み込んだ進化系のようにも感じられました。
監督: 私の作品が彼の進化系かどうかはともかく、この作品は、クローネンバーグのホラーに対する私なりの解釈と思っています。
多くの人が、クローネンバーグの作品を唯一無二のホラーだと考えています。彼の映画を初めて観た時の興奮は今でも覚えています。特に惹かれたのは、個人と社会のつながりを、独自のグロテスクな眼差しで描いていること。それは恐ろしさと同時に、とても知的な創造を私に与えてくれます。まるで私の体と登場人物を静脈注射でつなげて、苦しみながらも、新しい何かを産み出すような刺激的な感覚です。私が、シンデレラの義理の妹がとてつもなく小さな靴を履こうとするアイデアを思いついた時、それはクローネンバーグ流のホラー、個と社会の接点、そして歪みにも通じるおぞましい要素があると感じました。
ただ、クローネンバーグのボディホラーは、しばしば荒唐無稽で現実離れしていますよね。SFに近いものがあります。例えば『ザ・フライ』にしても、人間がハエに変身するなんて、まあ、リアルじゃない(笑)。だから、私のボディホラーはリアルにこだわりたいのです。例えば、追い詰められた彼女がサナダムシの卵を飲み込み、苦しみながら肉体に異変をもたらしていく。単に体重の増減という意味を超えて、これは人間の自己客体化と、その社会的な視線が、彼女を内側から蝕み、死に至らしめていくメタファーでもあるのです。この作品こそが、クローネンバーグ作品に対する私なりの回答なのです。

【5】「撮影で一番大変だったこと」
「私にとって、ボディホラーとはセルフケアのようなもの」

ーーなるほど。監督の演出に、異様な熱量と説得力、リアリティが感じられる理由が理解できました。映像的にも細部までかなりこだわりが感じられますが、撮影で苦労した点は?
監督: 何より苦しかったのは、(この規模の作品としては)撮影時間が28日と短すぎたことですね。そんな限られた日数で、城の舞踏会やボディホラー、動物や虫のシーン、ダンスレッスンなど、ありえないぐらいの見せ場を撮なければならなかった。
一番大変だったのは、エルヴィラが全編を通して、少しずつ容姿を変え続けたことです。
毎回、クルーが現場に入る3~4時間前から、彼女だけ特殊メイクに取り掛からなくてはいけない。映画のほぼ全てのシーンに彼女は登場していたので、彼女抜きで撮影を始めたり、終わらせたりすることはできません。だから彼女に合わせて、シーンの撮影スケジュールが前後することもしばしばでした。その日の最後に撮る予定のシーンを、最初に撮らざるをえない時もありました。特に後半はかなり撮影が押してしまい、スケジュールも混乱しました。実はエルヴィラの足のつま先を切断するシーンは、彼女の足ではありません。あの時、彼女は現場にいなかった。スタンドインで別の人の足です。それぐらい本当にタイトで、撮影が永遠に終わらないような錯覚に陥るほど、精神的に追い詰められていましたね。
ーー最後に日本の映画ファンにメッセージを。
監督 皆さんが楽しんでくれて、少しでも安らぎを感じてくれたらいいなと思っています。
私にとって、ボディホラーとはセルフケアのようなものです。私たちの体(ボディ)は脆弱で、複雑な物質でできています。それを大切にして、自分が日々、無事に生きていることを喜ぶべきだということを、改めて思い出させてくれるからです。
ーーありがとうございました。

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〇抽選結果や抽選経過に関して個別のお問い合わせには応じられませんので、あらかじめご了承ください。
STORY&場面写真集
北欧が生んだ美醜と狂気の地獄絵巻。
誰もが知る“シンデレラ”の誰も知らないダークストーリーが開幕する

スウェランディア王国のユリアン王子(イサーク・カムロート)は、淑女たちの憧れの存在。彼と結婚するために、彼女たちは日々努力を重ね、美しさに磨きをかける。エルヴィラ(リア・マイレン)は、母レベッカ(アーネ・ダール・トルプ)の再婚のために妹アルマ(フロー・ファゲーリ)とこの王国へとやってきた。ユリアン王子の花嫁になることを夢見ながら・・・。新しい家族となる義姉妹のアグネス(テア・ソフィー・ロック・ネス)は、家柄に恵まれたとても美しい女性。一方、エルヴィラは矯正器具に覆われた口元、ふくよかな体形、こじんまりとした鼻、つぶらな瞳。しかし、アグネスの父が急逝したことで事態は一変する。レベッカはアグネスを貶め、エルヴィラを国王の花嫁にするため手段を選ばずに美を施してゆく。そんななか、ユリアン王子の花嫁候補を集めた舞踏会が開かれることになるが――。

監督・脚本:エミリア・ブリックフェルト 出演:リア・マイレン、アーネ・ダール・トルプ、テア・ソフィー・ロック・ネス、フロー・ファゲーリ、イサーク・カムロート
2025年/ノルウェー、デンマーク、ポーランド、スウェーデン/ビスタサイズ/DCP/109分/カラー/ノルウェー語/5.1ch/映倫R15+
日本語字幕翻訳:原田りえ/原題『Den stygge stesøsteren』 英題『The Ugly Stepsister』/配給:スターキャットアルバトロス・フィルム/提供:ニューセレクト
© Mer Film / Lava Films / Zentropa Sweden / MOTOR / Film i Väst / Mediefondet Zefyr / EC1 Łódź 2025 公式サイト:uglysister.jp
2026年 1 月16日(金)新宿ピカデリーほか全国公開
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