「ホラー秘宝まつり2021」には入らなかったけど……
こちらもイタリアン・ホラー史に欠かせない大怪作!!
ベトナム帰還兵がゾンビと化し、アメリカが地獄絵図に!
イタリア残酷ホラーを極めた『地獄の謝肉祭』7/14初BD化!
イタリア残酷ホラーの極北『地獄の謝肉祭』がまさかの4Kリマスターが施されたニューマスター使用で初BD化!
キングレコードより、2021年7月14日(水)に発売される。
※Amazon限定メーカー特典付きの商品もあります。価格が異なる場合があります。
今夏の「ホラー秘宝まつり 2021」はイタリアン・ホラー大特集!
『地獄の謝肉祭』は上映されないが、ぜひとも【ひとり映画祭】であわせて楽しんでほしい!
『地獄の謝肉祭』Blu-rayの発売・販売元のキングレコードの夏恒例のイベントといえば、今年で8 回目を迎える観客参加型・ホラー映画祭『夏のホラー秘宝まつり 2021』!
今年は、8月6日(金)からのキネカ大森、アップリンク京都を皮切りに、アップリンク吉祥寺、大阪シアターセブン、名古屋シネマスコーレと、東京、名古屋、大阪、京都の4都市で同時開催される。
その旧作上映の目玉となるのが、イタリアン・ホラー大特集!
イタリア残酷ホラーの帝王、ルチオ・フルチの日本初上映の代表作『ビヨンド《4K レストア版上映》』『地獄の門 《4K レストア版上映》』『墓地裏の家 《4K レストア版上映》』をはじめ、監督作 13 本+ドキュメンタリー2 本を一挙上映!
さらにイタリアン・ホラーの父、マリオ・バーヴァの監督作9本に、ダリオ・アルジェントの『四匹の蠅』まで、この記事を読んでいるマニアの皆さんなら絶対スクリーンで見たい作品が目白押し!
残念ながら、『地獄の謝肉祭』は上映されないが、映画祭の約一か月前に今回のBlu-rayが発売されるだけに、ぜひとも【ひとり前夜祭】のように、本作をセットで楽しんでほしい。
後述するが、本作の特殊メイクは、フルチ作品に欠かせない名手ジャンネット・デ・ロッシが手掛け、あの手この手の多彩な残酷シーンが、作品の最大の見せ場となっている。
▼『夏のホラー秘宝まつり 2021』の詳細は、旧作上映34作品をすべて写真付き解説で紹介した「cowai」2021年5月27日の記事を参考にしてほしい。
『地獄の謝肉祭』作品解説
“一度喰ったら忘れられない”
血に渇き、生肉に飢えたベトナム帰りのゾンビ兵がカリフォルニアを汚染する!
日本公開は1981年1月10日。タイトルにあるような『地獄の黙示録』のパクリというより、当時流行していた『ランボー』などのベトナム帰還兵に、ロメロの『ゾンビ』をミックス。苦悩するベトナム帰還兵が食人鬼と化すという不謹慎極まりない設定と、イタリア映画らしい悪趣味な残酷描写とアクションが満載の怪作だ。
ベトナムの戦場でカニバリズム(人肉嗜好)にとりつかれた二人の兵士が帰還後、忌まわしい記憶から逃れようとしながらも人肉の味が忘れられず、生肉をもとめて大都会を彷徨い、彼らに襲撃された人間は次々と食人鬼と化し、幾何級数的に増大、大都会は血なまぐさい地獄絵図と化していく。
フルチ作品の名手G・デ・ロッシによる
残酷を極めた悪趣味な特殊メイクの饗宴
見どころは、日本で初めて劇場公開されたゾンビ映画『悪魔の墓場』の特撮や、(「ホラー秘宝まつり 2021」でも特集上映される)残酷ホラーの帝王ルチオ・フルチの代表作『サンゲリア』『ビヨンド』『墓地裏の家』の特殊メイクで知られる名手ジャンネット・デ・ロッシによる特殊メイク。
『地獄の謝肉祭』でも、男が女の乳房をむさぼり食い、女が男の舌を噛み千切る。電動ドリルが太腿にくいこみ、鮮血の肉片が飛び散る。雨のような弾丸がドテッ腹の贓物を吹っ飛ばし文字通り風穴があく…など、想像し得る限りのあらゆる残酷描写を詰め込み、ほかの作品のいいとこどりも含めてイタリア残酷映画の集大成的な作りはあきれ返るほど。
70年代オカルト映画ブームから『ゾンビ』を経て、80年代スプラッタ映画ブームに先鞭をつけた、良くも悪くもイタリア残酷ホラーを極めた一作である。
主演は惜しくも昨年この世を去った『燃えよドラゴン』のジョン・サクソン。
ベトナム帰還兵としてひたすら苦悩しながらも、ベトナムで食人鬼に噛まれたことで帰国後徐々に冷蔵庫の生肉に興奮をおぼえていく軍曹役で、彼のもう一つの代表作ともいえる熱演を披露している。
※なお、『墓地裏の家』のBlu-rayが2021年9月15日にキングレコードより発売決定!ただ今Amazonで予約受付中!
監督は、かつてマリオ・バーヴァと並ぶ怪奇映画の名手といわれた、
『顔のない殺人鬼』『幽霊屋敷の蛇淫』のアンソニー・M・ドーソン!
監督は、『顔のない殺人鬼』や『幽霊屋敷の蛇淫』で、イタリアン・ホラーの父マリオ・バーヴァと並び称される怪奇映画の名手アンソニー・M・ドーソン(別名・アントニオ・マルゲリーティ)。
黒沢清監督の著「映画はおそろしい」(青土社刊)の「ホラー映画ベスト50」で、第24位(『幽霊屋敷の蛇淫』)と第30位(『顔のない殺人鬼』)に選ばれ、『映画はおそろしい <アントニオ・マルゲリーティ篇> 』としてDVD-BOX化されたこともある(現在は廃盤。中古のみ流通)。
……と書くと、本作も凄い傑作に思えるが、同時にこの人は『惑星からの侵略』『SF惑星大戦争』『キラーフィッシュ』『エイリアン・フロム・ディープ』などのB級ジャンル映画を量産している監督としても知られている。
一部の映画ファンからは「『地獄の謝肉祭』なんかと一緒にするな!」と怒られそうだが、本作もまたこの監督の代表作の一つであることは間違いないだろう。
【商品紹介】
※画像のクリックでAmazonの紹介ページを確認できます。
セルBlu-ray
税込価格:\6,380(税抜価格¥5,800)
■原題CANNIBAL APOCALYPSE/APOCALIPSE DOMANI
■製作 1980年イタリア ■尺 本編約97分
■仕様 1080p Hi-Def(ヨーロピアンビスタ)
■音声 本編・英語(DTS-HD Master Audio/2.0ch)
■字幕 本編用・日本語
■映像特典 未定
■発売・販売キングレコード
©1981 STUDIOCANAL IMAGE/FIDA INVESTMENT
セルBlu-ray
税込価格:\6,380(税抜価格¥5,800)
■原題CANNIBAL APOCALYPSE/APOCALIPSE DOMANI
■製作 1980年イタリア ■尺 本編約97分
■仕様 1080p Hi-Def(ヨーロピアンビスタ)
■音声 本編・英語(DTS-HD Master Audio/2.0ch)
■字幕 本編用・日本語
■映像特典 未定
■発売・販売キングレコード
©1981 STUDIOCANAL IMAGE/FIDA INVESTMENT
セルDVD
税込価格:4,180(税抜価格¥3,800)
■原題CANNIBAL APOCALYPSE/APOCALIPSE DOMANI
■製作 1980年イタリア ■尺 本編約97分
■仕様 16:9LB(ヨーロピアンビスタ)/片面2層
■音声 本編・英語(ドルビーデジタル/2.0ch)
■字幕 本編用・日本語
■映像特典 未定
■発売・販売キングレコード
STAFF
●監督:アンソニー・M・ドーソン●製作:マウリツィオ・アマティ、サンドロ・アマティ、エドモンド・アマティ●原案:ジミー・グールド●脚本:アンソニー・M・ドーソン、ジミー・グールド、ダルダーノ・サケッティ●撮影:フェルナンド・アリバス●特殊メイク:ジャンネット・デ・ロッシ●編集:ジョルジオ・セラロンガ●音楽:アレクサンダー・ブロンクスタイナー
CAST
ジョン・サクソン、エリザベス・ターナー、ジョン・モーゲン、トニー・キング、シンディ・ハミルトン、ウォレス・ウィルキンソン、レイ・ウィリアムズ、メイ・ヒーザーリー
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