【今年も凄い作品群!】最も芸術的な吸血鬼映画『赤い唇』日本初公開!『赤い影』『恐怖の足跡』『呪いの家』『黄色の部屋』…怪作、珍作、奇作、迷作、異作が今年も目白押し!「奇想天外映画祭」9/4~9/24開催!

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映画史の闇の中から忽然とその名を表した選りすぐりの、
怪作、珍作、奇作、迷作、異作が今年も目白押し!
9/4~9/24開催「奇想天外映画祭 vol.3」Bizarre Film Festival Vol.3



2019 年より開催されて以来、この世の映画好事家を驚かせる作品を次々と上映してきた「奇想天外映画祭」。昨年は上映作品の目玉である『ウィッカーマン final cut』がコロナ渦もなんのその、全回ソールドアウトの圧倒的ヒットを飛ばしたが、好評にお応えして 第三弾「奇想天外映画祭 vol.3 Bizarre Film Festival Vol.3が2021 年 9 月 4 日(土)より新宿 K’s Cinema にて開催される。

この度、上映作品のラインナップと、絵本作家・スズキコージの書き下ろしによるメインビジュアルが発表された。











デルフィーヌ・セイリグ『去年マリエンバートで』の怪しくも美しい美貌に魅了される―
最も芸術的な吸血鬼映画『赤い唇』日本初公開!


『赤い唇』(1971) ©Films Sans Frontieres




映画史の闇の中から忽然とその名を表した選りすぐりの、怪作、珍作、奇作、迷作、異作が今年も目白押し(作品ごとの解説は記事の後半で紹介)。

昨年は『ウィッカーマン final cut』などで好評を博したが、第3回目となる本年の注目作品は、『去年マリエンバートで』『ブルジョアジーの密かな愉しみ』のデルフィーヌ・セイリグが謎めいた優雅な伯爵夫人に扮するハリー・クーメル監督『赤い唇』(写真上)。
その類いまれな美貌とカリスマ性がスクリーンを赤く染める本作は、『血とバラ』以来の、最も芸術的な吸血鬼映画と当時の「NEW YORK TIMES」も絶賛したほど。今回が満を持しての日本初公開となる!

その他、映像の魔術師ニコラス・ローグの衝撃のサイコスリラー『赤い影』


『赤い影』 (1973) ©Tamasa Distribution




デヴィッド・リンチなどにも大きな影響を与えたことで知られる、怪奇幻想映画史に輝くカルトホラー『恐怖の足跡』

『恐怖の足跡』 (1962) ©Harcourt Producrions




イギリスの代表的な監督4人が演出した5話から成るホラーアンソロジーの古典『デッド・オブ・ナイト』

『デッド・オブ・ナイト』(1945)  ©Ealing Studio




ルイス・ブニュエル監督『銀河』、『アルチバルト・デラクルスの犯罪的人生』の 2 作品。

『銀河』(1966) ©Tamasa Distribution
『アルチバルト・デラクルスの犯罪的人生』(1955) ©Films Sans Frontières




ブラジルの白熱の大地が生んだ狂気の作家グラウベル・ローシャが描いた壮大な伝説と神話の世界『アントニオ・ダス・モルテス』

『アントニオ・ダス・モルテス』(1969) ©Grupo Novo de Cinema e TV




『チャパクワ』のコンラッド・ルークスがヘルマン・ヘッセ原作で制作した『シッダールタ』

『シッダールタ』(1972) ©Winkler Film




推理小説史の古典的名作『黄色の部屋の秘密』をマルセル・レルビエが監督したトーキー創世記のミステリー『黄色の部屋』

『黄色の部屋』(1930) ©Les Films Osso




ボリス・カーロフ、ベラ・ルゴシ2大怪優の初共演作として名高い怪奇ホラー『黒猫』

『黒猫』(1934) ©Universal Pictures




映画史上初めて”幽霊”を登場させたクラシック・ホラー『呪いの家』


『呪いの家』 (1944) ©Paramount Pictures




そして昨年大ヒットした『ウィッカーマン final cut』のアンコール上映、計 12 作品となる。


『ウイッカーマンfinal cut』©2019 CANAL+








メインビジュアルは絵本作家・スズキコージの書き下ろし!



また、今回の奇想天外映画祭のビジュアルは、一昨年、NHK・E テレ日曜美術館でも特集され反響を呼んだ、異端の絵本作家スズキコージの書下ろし。
『赤い唇』のデルフィーヌ・セイリグが中心に、本映画祭で上映される作品のキャラクターが、スズキの独特なタッチで、配置されている。

何かと心が休まらない昨今、劇場の暗闇で、怪しくも輝かしい魅力を放つこれらの作品群を是非堪能したい。




【イベント概要】


◆「奇想天外映画祭 Bizarre Film Festival Vol.3」◆

場所:新宿 K’s Cinema 新宿区新宿 3 丁目 35−13 SHOWAKAN ビル

日時:2021 年 9 月 4 日(土)~24 日(金)

配給:アダンソニア/配給協力・宣伝:ブライトホース・フィルム/イラスト:スズキコージ/デザイン:渡辺純/字幕:林かんな(『赤い唇』)/協力:仙元浩平







作品解説

『赤い唇』

『赤い唇』(1971) ©Films Sans Frontieres


Daughters of Darkness ※日本初公開
1971/ベルギー=フランス=ドイツ合作/100 分/カラー
© Films Sans Frontieres

監督:ハリー・クーメル
音楽:フランソワ・ド・ルーベ
出演:デルフィーヌ・セイリグ、・ダニエル・ウィメ、ジョン・カーレン、アンドレア・ラウ

舞台はベルギーの港町オステンドのホテル。宿泊した新婚夫婦が謎めいた優雅な伯爵夫人に出会ったことから引き込まれていく禁断の世界を奇妙で、奇想と恐怖、独特のエロテイシズム描写で、”『血とバラ』以来のアーティ スティ ックな吸血鬼映画”(ニューヨーク・タイムズ)と評価された。。ヨーロッパでは怪奇幻想映画の巨匠として知られるハリー・クーメル監督の代表作で、ルイ・マルなどはその独自の耽美的映像力を高評価。主人公エリザベート伯爵夫人を演じるデルフィーヌ・セイリグの銀色に輝く美貌とエレガントで霊感に満ちたミステリアスな妖しさに酔いしれる。



『赤い影』

『赤い影』 (1973) ©Tamasa Distribution


Don’t Look Now
1973/イギリス=イタリア/合作/110 分/カラー
© Tamasa Distribution

監督:ニコラス・ローグ
撮影:アンソニー・リッチモンド
出演:ジュリー・クリスティ、ドナルド・サザーランド

愛娘クリステインを水難事故で亡くしたバクスター夫妻は仕事で訪れたヴェネチアで老姉妹と邂逅する。盲目の妹ヘザーには霊感があり、赤いレインコートを着たクリスティンが夫のジョンの身が危ない、、と警告してると告げたことから事態は予期せぬ方向に進んでいく…。”家族の悲劇から恐怖の悪夢へ”映像の魔術師ニコラス・ローグのカルト・サイコスリラーでイギリス映画人150人が選ぶ<イギリス映画ベスト100>(Time Out London)の第一位に選出されている。




『デッド・オブ・ナイト』

『デッド・オブ・ナイト』(1945)  ©Ealing Studio


Dead of Night
1945/イギリス/103 分/モノクロ ©Ealing Studio

監督:チャールズ・クライトン、ベイジル・ディアデン、アルベルト・カルバカンティ、ロバート・ハーメル
出演:マイケル・レッドグレーヴ、サリー・アン・ハウス、ベイジル・ラドフォー

イギリスの代表的な監督4人が演出した5話から成るホラーアンソロジーの古典。互いに見知らぬ人たちのグループが理由もわからぬないまま田舎のコテージに集められる。幻想と悪夢が支配する中、一人ずつ自らの恐怖の体験を語り始める…。うち2つの物語”鏡の話”と”腹話術士”の物語が傑出している。未だ色褪せない影響力を持つこのホラー古典はスコセッシが選ぶ“”映画史上最も怖い 11 作品”の 5 位に選出されている。



『恐怖の足跡』

『恐怖の足跡』 (1962) ©Harcourt Producrions


Carnival of Souls
1962/アメリカ/78 分/モノクロ ©Harcourt Producrions

監督、製作:ハーク・ハーヴェイ
出演:キャンディス・ヒリゴス、フランシス・フェイスト、シドニー・バーガー

自動車事故で唯一生き残った主人公メアリーが体験する恐怖の白昼夢の不条理譚を大胆な手法で作り上げた怪奇幻想カルトホラー。原題タイトル、Carnival of Soul(魂のカーニバル)の如く、メアリーの揺れ動く魂が驚きの結末まで輪舞し、そして彷徨っている。3万ドルの制作費と3週間で製作されたこの映画はロメロ、リンチなど多くの監督に影響を与えたことで知られる。



『銀河』

『銀河』(1966) ©Tamasa Distribution


La Voie Lactee
1966/フランス=イタリア合作/97 分/カラー ©Tamasa Distribution

監督:ルイス・ブニュエル
出演:ポール・フランクール、ローラン・テルジェフ、アラン・キュニー、ミシェル・ピコリ

スペインの聖地サンチャゴを目指す巡礼者ピエールとジャンのの前に現れる、死の天使、狂った司祭サド侯爵などの奇々怪々な人々。鬼才ブニュエルが神なき世界を風刺した渾身の奇怪作。娼婦マリア役で『赤い唇』のデルフィーヌ・セイリグが出演している。




『アルチバルト・デラクルスの犯罪的人生』

『アルチバルト・デラクルスの犯罪的人生』(1955) ©Films Sans Frontières


Ensayo de un Crimen
1955 年/メキシコ/86 分/モノクロ ©Films Sans Frontières

監督:ルイス・ブニュエル
出演:ミロスラバ、エルネスト・アロンソ、リタ・マセド、アンドレア・パルマ

殺したい女を殺そうとするたびに失敗し、ところがその直後、その女は別の理由で死んでしまう。そして同様のことがまた起きる。偶然の積み重ねで、殺人犯になることのできない男アルチバルトはフラストレーション解消のためにマネキンに火をつけるのだが…。ブニュエルのメキシコ時代の作品の中でも”最も愛すべき作品”として語りつがれてきた快作。



『アントニオ・ダス・モルテス』

『アントニオ・ダス・モルテス』(1969) ©Grupo Novo de Cinema e TV


Antonio Das Mortes
1969/ブラジル/100 分/カラー ©Grupo Novo de Cinema e TV

監督:グラウベル・ローシャ
出演:マウリシオ・ド・バッレ、ウーゴ・カルバナ

1969 年カンヌ国際映画祭監督賞・ルイス・ブニュエル賞受賞

灼熱のカオスと静けさの強烈なコントラスト。
荒々しくも繊細な独特の奇想天外なスタイル。
ブラジルの白熱の大地が生んだ狂気の作家グラウベル・ローシャが描いた壮大な伝説と神話の世界。ローシャ自身が”私にとって真に映画と言える最初の試み”と語った渾身の力作。




『シッダールタ』

『シッダールタ』(1972) ©Winkler Film


Siddhartha
1972/アメリカ/85 分/カラー ©Winkler Film

監督:コンラッド・ルークス
原作:ヘルマン・ヘッセ 撮影:スヴェン・ニクヴィスト
出演:シャシ・カプール、シミ・ガーレワール

1972 年ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞受賞

ヘッセの「シッダールタ」を『チャパクア』で衝撃のデビューを飾ったコンラッド・ルークスが描いた魂の旅。撮影スヴェン・ニクヴィストが捉えた映像は絶品。



『黄色の部屋』

『黄色の部屋』(1930) ©Les Films Osso


Le Mystere de la Chambre Jaune
1930/フランス/100 分/モノクロ ©Les Films Osso

監督:マルセル・レルビエ
原作:ガストン・ルルー
出演:ローラン・トゥータン、ユケット・デュプロ

トーキー創世期のミステリー。”完全密室物”の古典として名高い原作を見事に映像化したレルビエの力量は高く評価された。



『黒猫』

『黒猫』(1934) ©Universal Pictures


The Black Cat
1934/アメリカ/65 分/モノクロ ©Universal Pictures

監督:エドガー・G・ウルマー
出演:ボリス・カーロフ、ベラ・ルゴシ

第一大戦後のハンガリーの小さな街を舞台にした怪奇ドラマ。ホラー映画の二大怪優カーロフ=ルゴシの初共演作として知られる怪奇作を撮ったのは低予算早撮り映画の天才エドガー・G・ウルマー。



『呪いの家』

『呪いの家』 (1944) ©Paramount Pictures


The Uninvited
1944 年/アメリカ/99 分/モノクロ ©Paramount Pictures

監督:ルイス・アレン 出演:レイ・ミランド、ルース・ハッシー

断崖の上に立つ邸宅が幽霊屋敷であることを承知で購入したリック兄弟。
彼らは引っ越した日から奇妙で奇怪な出来事に遭遇する…。恐怖の対象として幽霊を初めて映画に登場させたホラー映画。チャールズ・ラングの撮影が素晴らしい。
スコセッシの”ホラー映画 11 本”では 3 位にランクされている。




『ウイッカーマン final cut』

『ウイッカーマンfinal cut』©2019 CANAL+


Wickerman final cut ※特別アンコール上映
2013/イギリス/94 分/カラー ©2019 CANAL+

監督:ロビン・ハーディ
脚本:アンソニー・シェーファー/音楽:ポール・ジョヴァンニ
出演:エドワード・ウッドワード、クリストファー・リー、ブリット・エクランド

行方不明の少女捜索のためスコットランドの孤島に上陸したハウィー警部は捜査に取り掛かるのだが、島はサマーアイル卿(C・リー)が統治するケルト神話に支配された禁断の地だった。『ウィッカーマン finalcut』は『ウィッカーマン』(1973)の製作40周年記念作品としてロビン・ハーディ監督が未使用のフーテージも使用し再編集して完成させた。88 分公開バージョンより6分長い。




新宿K’s cinemaにて2021年9月4日(土)~24日(金)開催!

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