「よくこんなものが作れたな」幻のカルト傑作アニメ『天使のたまご 4K リマスター』第38回東京国際映画祭トーク付き上映レポート!押井守監督&“少女役”兵藤まこ登壇!

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第 78 回カンヌ国際映画祭 クラシック部⾨正式出品作品
押井守 × 天野喜孝
ふたつの若き才能が産んだ伝説のオリジナルアニメが 4K HDR リマスターで蘇る



公開40周年を記念して制作された、押井守監督の幻の傑作カルト・アニメ『『天使のたまご 4Kリマスター』が、11月14日(金)よりドルビーシネマ限定で先行公開、11月21日(金)より全国順次公開する(提供:徳間書店、配給:ポニーキャニオン)。
この度、押井守監督と“少女役”兵藤まこが登壇した「第38回東京国際映画祭」トーク付き上映レポートを紹介する。

©YOSHITAKA AMANO ©押井守・天野喜孝・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ



原案・脚本・監督 押井守(『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』)、原案・アートディレクション 天野喜孝(「ファイナルファンタジー シリーズ」)によるアニメ『天使のたまご』は、1985年にOVAとして発表され、その美しい映像と他の追随を許さない圧倒的な世界観で、熱狂的なファンを生んだ作品だ。公開40周年を記念し、押井監督自身による監修のもと、35mmフィルム原版から4Kリマスター化。ドルビーシネマ対応版も制作された。音響面では、オリジナルのモノラル音源をソニーPCLとソニーグループの音源分離技術で解析・分離し、5.1chサラウンドおよびドルビーアトモスに再構築。今年5月には、第78回カンヌ国際映画祭クラシック部門に選出され、日本公開に先駆けてワールドプレミア上映を果たし、改めてその芸術性の高さに世界が息を呑んだ。









「よくこんなものが作れたな」(押井守監督)
『天使のたまご 4K リマスター』
第38回東京国際映画祭トーク付き上映レポート!
押井守監督&“少女役”兵藤まこ登壇!



<第 38 回東京国際映画祭『天使のたまご 4K リマスター』トーク付き上映 概要>
【日時】10 月 30 日(木)21:56 開始
【場所】TOHO シネマズ シャンテ(東京都千代田区有楽町1丁目2-2 日比谷シャンテ)
【登壇者(敬称略)】押井守、兵藤まこ MC:藤津亮太




この度、10 月 30 日(木)に行われた第 38 回東京国際映画祭上映アニメーション部門での上映後に、原案・脚本・監督を務めた押井守と、少女役の声を務めた兵藤まこが登壇、第 38 回東京国際映画祭アニメーション部門プログラミングアドバイザーの藤津亮太氏と共にトークショーを実施。鑑賞直後の興奮冷めやらぬ様子の観客たちに大きな拍手で迎えられた二人は、40 年ぶりの上映についてや、制作当時の秘話などここでしか聞けないトークに花を咲かせた。
兵藤は「40 年の長きにわたりこの作品を守り続けてくださったスタッフの皆さまをはじめファンの皆様に心から御礼申し上げます」と挨拶した。押井は「こんなつもりじゃなかった監督の押井です」という挨拶で笑いを誘い、その理由として「40 年前にはこの作品がこんな形で(上映されるとは)夢にも思っていなかった。今のお客様がどう思っているのか半信半疑でここに来ました」と率直な感想を述べた。




40 年ぶりに 4K リマスター版を鑑賞した感想を聞かれると、兵藤は「音にすごく驚きました」と圧倒されたという。
そして当時を振り返り、「初めてのアニメーションのアテレコのお仕事でした。収録は夜の 8 時にスタートして終わったのが深夜の 2 時まで。初めてだったとはいえ、スタッフにも監督にもご迷惑をおかけしました」と収録した日の心境を語った。押井は「よくこんなものが作れたなと思ったし、あの時作れてよかった。今作れと言われてもできない。個人的にもできないし、企画的にも(できない)」と感慨深く振り返った。
自身が演じた少女の役柄について兵藤は「監督に聞いてもあまり理解できなかった。少女にどんな魂を込めたらいいのかわからず、収録に時間がかかってしまった」と苦戦した様子を振り返る。さらに、爆音を轟かせながら向かってくる戦車の音に対して少女が怯えもせず、隠れもしないということに不思議な感覚を覚えたという兵藤は、「少女も戦地の子供と同じように過酷な環境をくぐり抜けてきたのかと監督に質問したら“違うよ”言われてしまったんです」と事前に押井と話したエピソードを披露した。






押井監督、兵藤まこを「ミューズだったんですよ」
兵藤まことアフレコの秘話やキャスティングについて語る



続いて、押井に兵藤をキャスティングした理由について伺うと、「オーディションのテープを聞かせてもらってその場で決めました」と押井監督は説明。「実際に会ってみるとあまりにもきれいだったので、想像した方と全然違った。声だけでなく姿も美しく、『天使のたまご』の制作が終わってすぐに“映画の撮影をしませんか”と誘ったんです。一言でいうと、ミューズだったんですよ。映画監督にはだいたい自分のミューズがいるんですよ。僕にとって彼女がそうだった」と押井は語る。また、兵藤は押井監督作品の中で幽霊役やセリフが少ない役など特殊な役が多いことについて、「セリフが少ない役ほど難しいものはないのです。一言ですべてを表現しないとならない」と押井にその難しさを強調した。それに対して押井は、「現実にいない誰かを演じてほしかった。あなたは誰かの記憶の中の誰かなんです」と押井は兵藤に対する思いを述べた。本作もセリフが少なく難しい役どころである兵藤は「ここは、雨も降らないし、暖かくて──」というセリフに心を込めたという。



そして、本作のセリフについて押井は「重要なセリフが 2 つある。一つ目は『あなたはだぁれ?』。このセリフは本当に重要で、何十回もやってもらった」とアフレコを振り返る。それに対し兵藤は「そのセリフにはどんな思いが込められているんですか?その時教えてもらえれば(よかったのに)!」と本音を漏らす。押井は「誰に向かっているのか。もしかしたら自分に(観客に)向かって言っているのかもしれない」とセリフについてのヒントを明かした。
もう一つの重要なセリフは「最後の悲鳴」と言う押井は、「本当は録るつもりはなかったが、やってもらったらとてもよかった。作品で唯一感情が明らかになるシーンでよかった」と振り返った。このシーンについて兵藤は「泣き叫ぶことって日常でなかなかなくて。とても難しくて最後は本当に泣いてしまったんです。あの嗚咽は本物です」と悲鳴についての誕生秘話を明かした。


最後に兵藤は「心から感謝するばかりです」と観客にメッセージを述べた。押井は「40 年前の作品なので、この作品にかかわってくださった多くの方が亡くなってしまった。もしあの方たちが生きていたら、喜んでくれたと思います。再上映が難しい作品だったので、感無量です」と作品に込めた思いを語り、舞台挨拶を締め括った。










しばらく入手困難となっていた、『天使のたまご』の世界観を凝縮した
イラストやフィルムメイキングを収録した決定版書籍『THE ART OF 天使のたまご 』
「増補改訂復刻版」として待望の復刊決定。Amazonにて本日9月4日より予約受付開始



発売予定日:2025年10月10日(金)
予価:4,950円(税込)
判型:A4判/192P(予定)
出版社:徳間書店
ISBN:978-4-19-866112-0
AMAZONをはじめ、全国の書店、ネット書店にて発売





数量限定ポスタームビチケ発売決定

©YOSHITAKA AMANO ©押井守・天野喜孝・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ
©YOSHITAKA AMANO ©押井守・天野喜孝・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ



この度さらに、8月22日(金)AM10:00(予定)より、2種のA3ポスタームビチケの発売が決定。いずれも天野喜孝による描き下ろしビジュアルで、新規描き下ろしの〈40周年記念版〉と、1985年のOVA発売当時のパッケージ用描き下ろしイラストを復刻した〈OVA復刻版〉の2種類を、各5,000円(税込)で展開する。いずれもポスタームビチケ専用にあしらわれた英字ロゴ入りの特別仕様。数量限定のため、手に入れたい人は早めの購入がおすすめだ。また、同時発売のムビチケ前売り券(オンライン)は1,600円(税込)で、購入者特典としてオリジナルスマホ壁紙が付属。この機会をお見逃しなく。

■販売日時:8/22(金)AM10:00〜 
※11/14の先行公開時よりムビチケとして使用可能です。

ポスタームビチケ: ~10月13日(月)まで
ムビチケオンライン:~11月14日(金)まで

■販売ページ:https://store.moviewalker.jp/item/lineup/angelsegg-anime?rel=rls







◆STORY

©押井守・天野喜孝・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ



たまごを守る少女と、鳥を探す少年。忘れ去られた街で、ふたりは出会った。

水に沈んだ都市。たまごを抱えて、ひとり徘徊する少女。
ある日、奇怪な戦車から少年が降り立つ。彼は、夢で見た“鳥”を探していた。
廃墟のような街を巡りながら、言葉を交わす少女と少年。
ふたりの間にはほのかな共感が芽生えたかに見えたが—。


©YOSHITAKA AMANO ©押井守・天野喜孝・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ
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CREDIT

オリジナルスタッフ 原案・脚本・監督:押井守/原案・アートディレクション:天野喜孝/製作:徳間康快/企画:山下辰巳、尾形英夫/原案:押井守、天野喜孝(アニメージュ文庫「天使のたまご」より)/プロデューサー:三浦光紀、和田豊、小林正夫、長谷川洋/監督・脚本:押井守/アートディレクション:天野喜孝/美術監督・レイアウト監修:小林七郎/作画監督:名倉靖博/作曲:菅野由弘/音楽監督:菅野由弘/音響監督:斯波重治/撮影監督:杉村重郎/編集:森田清次/アニメーション制作:スタジオディーン

キャスト 少年:根津甚八/少女:兵藤まこ

提供:徳間書店/配給:ポニーキャニオン/海外セールス:Goodfellas Animation
© 押井守・天野喜孝・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ
公式サイト:angelsegg-anime.com 公式X:@AngelsEgg_anime #天使のたまご #AngelsEgg





『天使のたまご 4K リマスター』11 ⽉ 14 ⽇(⾦)よりドルビーシネマ限定で先⾏公開、11 ⽉ 21 ⽇(⾦)より全国順次公開








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