不可解な怪奇現象が多発するという実在の森
そこで遭遇する、未知の恐怖“それ”とは?
不可解な怪奇現象が多発するという実在の森を舞台に、実際に数々の“それ”を見たという目撃情報をベースに描かれるホラーエンターテインメント。
相葉雅紀演じる・淳一が息子・一也と森の中で得体の知れない“それ”を目撃したところから、松本穂香演じる一也の担任・絵里とともに怪奇現象に巻き込まれていく。
“それ”と遭遇した彼らに一体どんな恐怖が待ち受けているのか…!?
未知の恐怖へ誘うホラーエンターテインメント作品である『“それ”がいる森』が、9月30日(金)に全国公開される。
この度、本作の公開を記念して、「cowai」では、中田秀夫監督に単独インタビューを敢行!
さらに抽選で一名様に中田監督のサイン色紙をプレゼントします(応募方法は記事の後半に掲載)。
相葉雅紀にあの世を超える恐怖が迫り来る
不穏な旋律が響く本予告
映画『“それ”がいる森』公開記念
中田秀夫監督、単独インタビュー
「Jホラーも、変わっていかなきゃいけない」(中田秀夫)
――『事故物件 恐い間取り』の大ヒットから二年ぶりの松竹製作のホラー映画ですが、今回の『“それ”がいる森』という非常に新しいユニークなホラー作品になった経緯を教えて下さい。
中田秀夫 『事故物件 恐い間取り』をプロデュースされた松竹の秋田(周平)プロデューサーから、事故物件のヒットを受けて、「次作を作りたい」というオファーがありまして、僕はてっきり『事故物件パート2』かな、どうかな?と思って打ち合わせに行ったら、秋田さんと脚本家の方とは、もう今回の「実在の森」にシナハンに行っていて、秋田さんから「思いっきりベクトルの違う話ですが」と提案を受けました。しばし唖然としましたが(笑)、全く新しいことへのチャレンジだと言う好奇心が勝りました。
――脚本には前作のブラジリィー・アン・山田さんも参加されていますが、監督は脚本作りにはどこまで関わっていますか。
中田 オリジナルなんで最初はアイデア出しみたいなとこから入ったんですけど、僕もそれなりに「“それ”が森にいる目的は何か」とかいろいろ考えて提案しました。
ジャンルを問わず映画って、論理性がちゃんと構築できてないと脚本にならないんです。しかもオリジナルの場合、論理をちょっと飛躍させたとしても、原作物のように「原作がこうだからいいじゃん」みたいな言い訳もできない。 だから、 “それ”をどう描くのか。 今までと違うことをやんないといかんよね、みたいなこともありましたし。 いったい森の中にどんなものが生息しているのか、目的は何なのかということを追求していきました。ネタバレになるので、あまり詳しく話せませんが、“それ”の脅威と呼んでおきますけど、相葉雅紀さん演じる主人公にとって息子が危ない、あるいは松本穂香さん演じる小学校の先生にとってクラスの子供たちが危ないと、お客さんが本気でハラハラできるような展開、“それ”の存在に対して、登場人物たちがどう向き合い、立ち向かうのか、アイデアを出し合い、掘り下げて、今ある形に収れんしていった感じですね。
あと、最後の方でこんなことが!みたいな場面は僕のアイディアです。
――今までと違うことをする、という意味でも、撮影で大変だったのは?
中田 “それ”の表現は全般的に大変といえば大変だし、時間はかかりましたね。
――これまでの中田監督のホラーと、今回の“それ”はかなりテイストが違いますね。
中田 はい。違いますね。今、森を舞台にするのなら、そこで我々の狙うホラー感を成立させるには、“それ”をどう描ききるか。そこはもう企画の成り立ちからしてある程度クリアしてるんで、迷いはなかったです。
――“それ”が正体を現す前から、もう森のたたずまいそのものが、中田監督らしい不気味さ、怖さが感じられました。
中田 その辺は、(キャメラマンの)今井(孝博)さんとのコンビネーションに負うというところが大きいでしょうね。彼とは映画は四本目ですが、演出の意図をよく理解してくれています。
それと、夜の森はセットで撮りました。撮影所のステージの中に木の鉢を沢山並べて森を作りましたね。確かに、夜の森の中に何か信じられないものが潜んでいたら…っていう嫌な感じというか、不気味な説得力を醸し出すよう意識していました。ここではかなり手の込んだシーンを撮りました。
もちろん昼間のシーンとか、実際の山でも撮影しています。子供たちにとっては秘密基地とか隠れ家的なものを作って楽しそうなワクワクする場所だけど、実際には、熊も出るとされて、あんまり人が入らない森です。だから森の撮影と言っても、シチュエーションに応じて、五か所ぐらい撮影場所を選んで変えて、さらにセットの森のシーンとも組み合わせて、のどかな風景の中にも、どこか不気味な得体の知れない不安感や恐怖感が漂うようにしました。
――主演の相葉雅紀さんはいかがでした?
中田 僕は、日曜日の「相葉マナブ」って番組が好きで結構見るんですけど、ああいう自然の中で料理をしたりする彼のあの雰囲気、ほぼそのまんまで現場にいるみたいな感じでした。例えば、静かに本を読んでいたりとかですね。でも、いざテストや本番に入ると、非常に集中してきっちりやってくれました。だから、(監督から)あまり言うことがなかったんです。
ただ、唯一、父親としてのスイッチが入るというか、息子を本気で心配するようシーンで、最初に(脚本に)書かれたのは「お前が死んじゃったら意味がないんだ!」と言うセリフだったんですけど、ネガティブなニュアンスがあるので、現場で相葉君から提案があって、話し合った末に、今のセリフ「もうお前を失いたくないんだ」になりました。後は何の問題もなくというか、つつがなくスムーズに撮影できました。
――共演の松本穂香さん、上原剣心君については?
中田 松本さんは後からホラーが大好きというのを知ったんですけど、実際、ホラーでヒロインをやる時にはどうしても、この世ならざるものを間近で見るような、独特な表情をしてもらわなきゃいけないんです。今回は「きゃあああ!」と叫ぶ場面はなかったかもしれないけど、息をのむとか、そういう芝居をあんまり細かく言っても伝わらないんで、いつも「思いっきりやってください」って言うしかないんですが、あんまり細かく言わなくても、彼女はきちっとすぐできてたので。アップを撮らせていただいて、思わず「うまい!」って言ってましたね。
剣心君は芝居が全く初めてだったんで、リハーサルしっかりやんなきゃって思いました。最初、剣心君のリハには、父親役を助監督にやってもらおうと思っていたら、相葉さんがリハをやる時から付き合ってくれたんですよ。相葉さん、本当に熱心に剣心君の相手をしてくれて、そこで父子の基本的な感じを二人につかんでもらった気がします。
あと、剣心君は最初の三、四日はすごい緊張してるなと思って。いろいろ大変だろうなと思って心配していたんですけど、どんどん撮影現場にいるのが楽しいっていう顔になってきて、それを見て僕は何か仕事とは関係なく嬉しかったですね。彼に決めてよかったって思いました。
――では、最後にメッセージをお願いします。
中田 Jホラーっていうのがいつ生まれたかっていうのはいろいろ議論あるんでしょうけど、ここ、もう30年近くですかね。Jホラーなるものがあって、僕は何かJホラーの企画っていうのは、こうこうこういう風に決まっていて、何か画面の片隅にぼけた形で、顔の中身の見えない幽霊が立っていれば、それが怖いのとか…。ちょっと極端な言い方をしましたけど、それがJホラーの原点だとすれば、もはや今のJホラーが生まれてずいぶん経ってからこの世に生を受けた子供たちがいっぱいいる中で、ちょっとそれだけでは勝負できないだろうなと思っていました。
Jホラーも、変わっていかなきゃいけない。もちろん僕が今回やったことは一つの試しでしかないですけど。ホラー映画というのが、日本人はどうしても何か身を縮めて、身を固くして息をのんで、時々はっとため息が出るぐらいのリアクションしかしないのに、アメリカ人だともっとホラー映画を笑いながら見てたよって。だからハロウィンの文化が日本にもどんどん入ってきてるんで、アメリカナイズしたいわけじゃないんだけど、今回は、“それ”のありようがこうなんですけど、もっとこう、能動的にお客さんにも、登場人物と共にその恐怖の対象がアクティブに動く様を怖がって楽しんでほしい。あえてアクティブなホラーを提言したいと思ってます。そのアクティブさが、従来のJホラーの中では、あんまり動きすぎない方がいいよっていう意見がある、例えば幽霊が殺人鬼のように人を襲ってきたらそれは興ざめなんだとされたと思いますけど、そうした制約はもうとっぱらった方がいいんじゃないかって、この映画を撮りながら、僕は思っていました。
――ありがとうございました。
中田秀夫(なかたひでお) プロフィール
1961年生まれ。岡山県出身。東京大学卒業後、にっかつ撮影所に入社。1992年、TVドラマ「本当にあった怖い話」シリーズを演出。
1996年に『女優霊』で映画監督デビューを果たし、その後『リング』(98)、『リング2』(99)で日本映画界にホラーブームを巻き起こす。
その後ハリウッドに招かれ、『ザ・リング2』(05)を自ら監督する。近年の監督作品として『クロユリ団地』(13)、『劇場霊』(15)、『スマホを落としただけなのに』(18)、『貞子』(19)、 『事故物件 恐い間取り』(20)『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』(20)、『嘘喰い』(22)などがある。
【読者プレゼント】
『“それ”がいる森』公開記念
中田秀夫監督サイン色紙を抽選で一名様にプレゼント!
<応募方法>
応募締め切りは2022年10月7日(金)
応募方法は、WEB映画マガジン「cowai」twitter公式アカウント(@cowai_movie)をフォローし、該当するプレゼント記事ツイート( https://twitter.com/cowai_movie/status/1575491634829348873 )。
※当選品は中田監督サイン色紙のみとなります。当初、プレスシート、チラシを同封する旨の記述がございましたが、誤りでした。お詫びして訂正いたします。
<抽選結果>
締め切り後に抽選を行い、当選された方に「cowai」公式TwitterアカウントよりDMで通知させていただきます。
当選品の色紙は宅急便で発送する予定です。(諸般の事情や、災害、キャンセル発生等やむを得ぬ事情で遅れる場合があります)
皆様のご応募お待ちしています!
【応募の注意点】
〇当選後に住所の送付が可能な方のみご応募ください(日本国内のみ有効)。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
〇当選品は映画配給会社よりご提供いただいたプロモーション目的の非売品扱いとなります。このため、傷や汚れ等があっても交換はできませんので、ご了承ください。
※非売品につき転売目的のご応募は禁止とさせていただきます。
〇当選のキャンセルが発生した場合は再度抽選を行う場合があります。
〇抽選結果や抽選経過に関して個別のお問い合わせには応じられませんので、あらかじめご了承ください。
【ストーリー】
田舎町でひとり農家を営む田中淳一(相葉雅紀)は、元妻・爽子(江口のりこ)と東京で暮らす小学生の息子の一也(上原剣心)が、突然ひとりで訪ねて来たのをきっかけに、しばらく一緒に暮らすことになる。
ちょうどその頃から、近くの森では不可解な怪奇現象が立て続けに発生し、淳一が住む町でも、住民の不審死や失踪事件が相次いでいた──。
そんな矢先、淳一と一也も偶然得体の知れない“それ”を目撃してしまう。
「 “それ”の正体とはいったい――!?」
淳一は一也の担任の絵里(松本穂香)とともに、怪奇現象に巻き込まれていくが、
それは未知なる恐怖の始まりにすぎなかった──。
未知の恐怖を全身で体感!
4DX・MX4D上映が決定!
また、そんな未知の恐怖を全身で体感できる鑑賞方法として、ラージフォーマットでの上映も決定した。公開日より全国の対象劇場で、4DX・MX4Dでの上映がスタートする。ホラーならではの不気味な音や気配など、中田監督の描く“未知の恐怖”を全身で体感いただきたい。
4DX・MX4D版の上映詳細
【公開日】 9/30(金)~
※4D版は設備のある一部劇場で上映いたします。詳しくは公式HPまたは、各劇場HPをご確認ください。
※上映開始時間は劇場により異なります。各劇場HPをご覧のうえご来場ください。
※通常版上映とお間違えなきようご注意ください。
【チケット販売】
入場料金:劇場設定通常料金+4D追加料金
※その他詳細につきましては、各劇場HPにてご確認ください。
【詳細】 公式サイトのニュースページをご確認ください。
https://movies.shochiku.co.jp/soregairumori/news/4d/
<4DX・MX4Dとは>
通常のシアターとは異なる、最先端の技術を結集して開発されたアトラクション型シアター・システム。
前後左右や上下に動くモーションシートや水しぶき、霧、風、光、香りをはじめとしたエフェクトの数々が、映画の様々なシーンと連動。劇場でしか体感できない大迫力と臨場感がお楽しみいただけます。
※4DX・MX4Dは導入されている劇場が異なりますので劇場HPをご確認ください
9月30日(金)公開『“それ”がいる森』特報
【作品概要】
■タイトル: 『“それ”がいる森』
■出 演: 相葉雅紀 松本穂香 上原剣心 江口のりこ 眞島秀和 宇野祥平 松浦祐也 酒向芳 野間口徹 / 小日向文世
■監 督: 中田秀夫(『リング』『スマホを落としただけなのに』『事故物件 恐い間取り』)
■脚 本: ブラジリィー・アン・山田 大石哲也
■企画・配給: 松竹
■制作プロダクション:松竹撮影所
(C)2022「“それ”がいる森」製作委員会
公式HP:https://movies.shochiku.co.jp/soregairumori/
公式Twitter&Instagram:@soregairumori
2022年9月30日(金) 全国ロードショー
【過去の記事】
【中田秀夫監督作品】
事故物件 恐い間取り 豪華版 (初回限定生産)[Blu-ray]