日本初公開『ウィッカーマン final cut』をはじめ、必見のカルト映画が目白押し!「奇想天外映画祭」がいよいよ8/29より開催!注目作はチケット争奪戦か!?

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映画史にその名を刻む選りすぐりの怪作、珍作、迷作、凡作、奇作を集めた「奇想天外映画祭」。
昨年、開催され、好評を博した映画祭がさらにパワーアップして、 2020 年も開催することが決定。

「奇想天外映画祭 vol.2 Bizarre Film Festival~Freak and Geek アンダーグラウンドコレクション 2020」と題して 8 月 29 日(土)~9 月 18 日(金)で新 宿 K’s cinemaにて開催される。

今回の映画祭推薦人は映画評論家の滝本誠氏。記事の後半に掲載された全作品解説では、滝本氏がピックアップした4作品のコメントも併せて紹介する。



前回を超える強力なラインナップ。
よくぞここまで集めた傑作、怪作、カルト作が目白押し。


前回のラインナップもとても魅力的だったが、今回はさらにパワーアップ。

よくぞ、これだけの作品を集めたものだと感心する。これだけの作品をスクリーンで一気に鑑賞できる機会は、もう二度とないのではないかとさえ思えてしまう。



今回の目玉は、<日本初公開>となる『ウィッカーマン final cut』(2013)。

『ウィッカーマン final cut』© canal+



スコットランドに古くから伝わる原始的宗教が生き残る島に、行方不明の少女捜索のため上陸したハウィー警 部は捜査に取り掛かるが、島はクリストファー・リー演じるサマーアイル卿が統治するケルト神話に支配された禁断の地だった…。

その過激すぎる反キリスト教の内容が故に、1973 年公開時は、まったく正当な評価を受けずにいた本作だが、2013 年に、ロビン・ハーディ監督が未使用のフーテージも使用し再編集して完成させたのが、公開バージョンより6分長い『ウィッカーマン final cut』。今年、日本で公開され話題を呼んだ『ミッ ドサマー』(2019)も元ネタに参照している映画のひとつに挙げられている大注目のカルト作だ。

『ウィッカーマン final cut』© canal+




そして、『死刑台のエレベーター』、『地下鉄のザジ』ほかで知られるフランスの巨匠ルイ・マルが 1975 年に とったいわくつきの作品が『ブラック・ムーン』(1975)。

近未来の非現実的世界を『不思議の国のアリス』のように彷徨う少女の姿を、ほとんど台詞のないまま描く異色作。

『ブラック・ムーン』© Gaumont




その他の作品は、アメリカで 300 人以上を殺害したと伝わる連続殺人鬼ヘンリー・リー・ルーカスの生き様をドキュメンタリー・タッチで描いた『ヘンリー』(1986)。※以下の作品のスチール写真は、記事後半の作品紹介で掲載。

『デス・レース2000年』で知られる異色の監督ポール・バーテルの処女作『プライベート・パーツ』(1977)。

幻想に満ちたネストール・アルメンドロスの魔術的映像美と神秘と魔性のメッセージを伝えるピンク・フロイドのテーマ曲が印象的な『ラ・ヴァレ』(1972)。

妻と他の男との戯れを覗き見る老紳士とそれに抵抗する妻。原作者であるクロソフスキー自身と妻が演じるという究極のスキャンダラスに満ちたプライべート・フィルム 『ロベルトは今夜』(1977)。

ロシア・アヴァンギャルド最後の一人“異端の作家”ダニール・ハルムスの摩訶不思議な2日間を描いた異色作『ハルムスの幻想』(1988)   

映画史にその名を深く刻んだ怪作『フリークス』をはじめ、サイレント期からトーキー時代にかけて多数の恐怖映画で知られる巨匠トッド・ブラウニング。生誕 140 年記念を記念して、愛する女のために自らの腕を切り落とす男をロン・チェイニーが演じたサイレント時代の傑作『知られぬ人』ほか5作品を上映する「トッド・ ブラウニング傑作選」

最後は、あまりに性的・暴力的な内容から、公開当時はメディアや評論家から酷評を浴びたものの、今ではサイコサスペンス物の原点にして絶大な人気を誇る『血を吸うカメラ』(1960)の計 13 本となる。

いずれも映画史において重要な作品でありながら、何らかの理由から過去に封印され、現在観ることが難しい問題作ばかり。
この貴重な機会を見逃すことなく、ぜひとも劇場のスクリーンで堪能していただきたい。




注目作のチケットは争奪戦か!?
まとめて観るなら特別鑑賞券(3回券3000円)がお得。

気になるチケットの入手方法だが、現在のところ、「奇想天外映画祭」を開催する新 宿 K’s cinemaでは、事前のチケット予約を受け付けていない。
上映当日の、(別作品も含めた)朝一番の上映回の開始15分~20分前より整理券が配布される予定だ。

コロナ禍の感染症対策として、前回よりも座席数が少なくなる可能性が高いため、注目作はチケットの争奪戦になるかも!?(※あくまで推測ですので、チケットご購入の判断は自己責任でお願いします。)

また、複数の作品を鑑賞する場合は、特別鑑賞券の3回券(3000円)がおススメ(当日一般1500円、学生1300円)。この3回券は映画祭の開催中も販売されるが、売り切れ次第終了予定なので、欲しい人は早めに購入しておこう。

タイムテーブルなど最新情報は、公式サイトで確認するか、劇場に問い合わせてください。

K’s cinemaサイト内「奇想天外映画祭 vol.2」ページ
http://www.ks-cinema.com/movie/kisou02/




【作品紹介】

※赤字で記載しているのは滝本誠氏(映画評論家)からの推薦コメント。



Make You(一人だけ例外) Happy 精神に満ち満ちたカルト中カルト
『ウィッカーマン final cut』

2013 年/イギリス映画/94 分 ※日本初公開
監督:ロビン・ハーディ/脚本:アンソニー・シェーファー/音楽:ポール・ジョヴァンニ
出演:エドワード・ウッドワード、クリストファー・リー、ブリット・エクランド
行方不明の少女捜索のためスコットランドの孤島に上陸したハウィー警部は捜査に取り掛かるのだが、島はサマーアイル卿(C・リー)が統治するケルト神話に支配された 禁断の地だった。『ウィッカーマン finalcut』は『ウィッカーマン』(1973)の製作40 周年記念作品としてロビン・ハーディ監督が未使用のフーテージも使用し再編集して完成させた。88 分公開バージョンより6分長い。

© canal+


とてつもなくシュールな変態作にして、いわくつきの乳首映画
『ブラック・ムーン』

1975 年/フランス=イタリア=西ドイツ映画/97 分監督:ルイ・マル 撮影:スヴェン・ニクヴィスト
出演:キャスリン・ハリソン、ジョー・ダレッサンドロ
一人の少女がある館に迷い込む。ラジオが「メッセージを伝え、動物が喋る、が人の 声はしない。そのうちそれらが黙示的光景のように見えてくる。映画の冒頭「本作は 理屈の通じない世界での作品です」と監督の言葉を伝える。全編「不思議な国のアリ ス」のヴァリエーションともいうべき、鏡を越えた世界を描いたルイ・マルの奇怪作。

© Gaumont


変態、残酷、オカルトで、ジェンダー問題をゼロ地点まで引き上げた(下げた)アート作品といっておこう
『プライベート・パーツ』

1977 年/アメリカ映画/87 分監督:ポール・バーテル
出演:エイン・リュイメン、ルシール・ベンソン
『デス・レース2000年』で知られる異色の監督(俳優も)ポール・バーテルの処女作でその独特の映像感覚には隠れたファンも多い。ある女性が迷い込んだホテルを舞台に展開されるこの作品のプロットはヒッチコックの『サイコ』のような展開を 見せるが、作品は”奇想天外”。一色に染まった変態サイコサスペンス怪作。

© Premier Pictures


ヒッピー・コミューンの自然回帰思考を文明から遠く離れたパプア・ニューギニアを舞台につきつめてみせた問題作
『ラ・ヴァレ』

1972 年/フランス映画/100 分
監督:バーべット・シュローダー/撮影:ネストール・アルメンドロス/音楽:ピンク・フロイド(「雲の影」)
出演:ビュル・オジェ、ジャン=ピエール・カルフォン
ニューギニア。未知の谷を目指す冒険家の青年一行と出会ったヴィヴィアーヌは彼等の旅に同行することに。やがてその過程で彼女は次第に自分を解き放し生の喜びに目覚めていく。幻想に満ちたアルメンドロスの魔術的映像美と神秘と魔性のメッセージを伝えるピンク・フロイドのテーマ曲が一つの時代の終焉を刻んで、魂を揺さぶる。

© les films du losange



『ヘンリー』

1986 年/アメリカ映画/83 分監督・製作・脚本:ジョン・マクノートン
出演:マイケル・ルーカー、トレーシー・アーノルド
14 歳の時、虐待を繰り返す母を殺害したヘンリーの内に潜む殺人への衝動は抑えきれ
なかった。アメリカで 300 人以上を殺害したと伝わる連続殺人鬼ヘンリー・リー・ルーカスの生き様をドキュメンタリータッチで描いたマクノートンの衝撃デビューシリアル・キラー。

© 1986 MALJACK PRODUCTIONS



『ロベルトは今夜』

1977 年/フランス映画/100 分
監督:ピエール・ズッカ 原作:ピエール・クロソフスキー「艦隊の掟」
出演:ピエール・クロソフスキー、ドゥニーズ=モラン・サンクレール、バーベット・シュローダー、ダニエル・シュミット
妻と他の男との戯れを覗き見る老紳士とそれに抵抗する妻。原作者であるクロソフスキー自身と妻が演じるという究極のスキャンダラスに満ちたプライヴェート・フィルム。
バーベット・シュローダーやダニエル・シュミットなどの友人も出演。日本でも小説や評論が翻訳されているクロソフスキーは背徳の作家、哲学者、神学者として名高い。 画家バルチュスは実弟である。

© Sylvie Zucca



『ハルムスの幻想』

1988 年/ユーゴスラヴィア映画/92 分監督:スロボタン・D・べシチ
出演:フラノ・ラシチ、ダミヤナ・ルトハル
1938 年の夏のある日、当局の尋問を受けていたハルムスが久しぶりにアパートに帰ってくる。彼は7年前に反ソヴィエト活動をした芸術家として追放されており、当局に マークされて創作活動もできなかった。突然、埃の溜まった部屋に窓を破って”天使” が参入してきたことから、ハルムスの奇妙な生活が始まる…。ロシア・アヴァン
ギャルド最後の一人“異端の作家”ダニール・ハルムスの摩訶不思議な2日間を描いた異色作。

© Jovan Maekovic



<生誕 140 年記念>トッド・ブラウニング傑作選

1880 年生まれ。映画史にその名を深く刻んだ怪作『フリークス』をはじめ、愛する女のために自らの腕を切り落とす男をロン・チェイニーが演じたサイレント時代の傑作『知られぬ人』ほか5作品を上映。

『知られぬ人』(1927)63 分/サイレント
『見世物』(1927)73 分/サイレント
『フリークス』(1932)64 分/35mm
『古城の妖鬼』(1935)68 分
『悪魔の人形』(1936)78 分

『フリークス』
『見世物』



『血を吸うカメラ』

1960 年/イギリス映画/102 分
監督:マイケル・パウエル/出演:カールハインツ・ベーム
衝撃的なスナッフ・ムービーの撮影シーンから始まる『血を吸うカメラ』は公開当 時、その先駆的映像テーマで徹底的に批判され、長い間、映画史の闇に葬られたサイコスリラー映画の原点ともいうべき傑作。

© Tamasa Distribution




【公開情報】

「奇想天外映画祭 vol.2 Bizarre Film Festival~Freak and Geek アンダーグラウンドコレクション 2020」

場所:新宿 K’s cinema  http://www.ks-cinema.com/
日時:8 月 29 日(土)~9 月 18 日(金)
配給:アダンソニア/宣伝:岩井秀世/デザイン:渡辺純/字幕:林かんな(『ウィッカーマン final cut』) /協力:仙元浩平


タイムテーブルなどの最新情報は、サイトでご確認されるか、劇場に問い合わせてください。

K’s cinemaサイト内「奇想天外映画祭 vol.2」ページ
http://www.ks-cinema.com/movie/kisou02/