【読者プレゼント】映画『THIS MAN』公開記念・出口亜梨沙×木ノ本嶺浩×天野友二朗監督 対談インタビュー!サイン入りポスターを抽選で1名様にプレゼント!

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世界で最も不可解で不気味な都市伝説を日本で初映画化!
新しいスリラーがここに誕生!



2006年頃、夢の中で眉がつながった奇妙な風貌の男と出会ったという女性患者がニューヨークの精神科で多発した。彼女らの証言を元にモンタージュ写真を作成し、ネット上に公開したところ、世界各国で夢の中で同じ男を見たという証言が多発。謎の男は「This Man」と呼ばれ、恐れられた。世界で最も不可解で不気味な都市伝説を日本で初映画化となる『THIS MAN』が2024年6月7日(金)より新宿ピカデリーほかにて公開される。

この度、本作の公開を記念して、「cowai」では、W主演の出口亜梨沙&木ノ本嶺浩天野友二朗監督の対談インタビューを敢行。さらに、三人のサイン入りポスターを抽選で1名様にプレゼントする。応募方法は記事の後半で紹介。





世界的に有名なネットミームに日本独自の解釈を加え、なすすべなく人々が死んでいく描写を通して、昨今のコロナ禍の惨状を風刺した全く新しいスリラー映画として誕生!

W主演を務めるのは、グラビアで活躍しながらも、NHK 連続テレビ小説『べっぴんさん』(10/NHK)など女優を活躍する出口亜梨沙と、『仮面ライダーW』(10/テレビ朝日)で人気を博し、その後もドラマ、映画、舞台で幅広く活躍する木ノ本嶺浩。

監督・脚本には医学系研究分野出身という経歴を持ちながら、『わたしの魔境』(2023年)で、世界11か国の国際映画祭を受賞した、天野友二朗。



ある田舎町で、連続変死事件が多発していた。被害者の共通点は、生前、眉のつながった奇妙な風貌の男を夢の中で見ていたこと。夢の中に出てきた男は「あの男」と呼ばれ、人々を恐怖に陥れていた。
そんな中、夫と娘とともに、幸せに暮らしていた八坂華の身近にも危険が迫る。
やがて華は究極の選択を突きつけられ…。果たして華が取った行動とは?

史上最悪の結末が、今幕を開ける。







映画『THIS MAN』公開記念・
出口亜梨沙×木ノ本嶺浩×天野友二朗監督 対談インタビュー


左から、木ノ本嶺浩、出口亜梨沙、天野友二朗監督




――『THIS MAN』面白かったです。従来のJホラーとは異なるイメージへの追及に可能性を感じました。

天野友二朗監督 よかったあ。ホラーファンの方に、どう受け取られるんだろうと気になっていました。

出口亜梨沙 うれしいですね。

天野監督 正直、迷ったんですよ。いわゆるホラーの形式にハマっていないじゃないですか。あえて破ったような作品ですし、「こんなのホラーじゃない」と怒られるんじゃないかと。

木ノ本嶺浩 ホラーの定義も難しいですよね。幽霊が出てこないとホラーじゃないというわけでもないですし。

天野監督 でもJホラーってフォーマットができてますよね。色もカラコレも大体どれも一緒じゃないですか。そういうのを破りたかったんですよね。一部のマニアの皆さんから叩かれるのは覚悟の上です。

ーー反響はいかがですか。

天野監督 やっぱり想像を上回るぐらい、みんなが興味を持つ題材なんだなって。(反響は)とてもいいです。“THIS MAN”というテーマを選んで「間違っていなかったな」と実感しました。
ずっといろんな人に言われたんですよ。「“THIS MAN”なんて知らない人が多いんじゃないか」とか。でも、夢の中に出る悪夢っていう題材は、映画という媒体と絶対に相性がいいと思っていて。2019年ぐらいに初めて“THIS MAN”の存在をYouTubeで知って以来、その後もずっと観察していたんです。

ーーじゃあ、構想からもう5年?

天野監督 そうですね。遡ると、“THIS MAN”の噂が一番最初に出たのが2006年頃。20年近く世代を超えてずっと語り継がれる題材だから絶対古くならないと思ったんです。

ーー主演のお二人は、オファーを受けた時の感想は?

木ノ本 監督に初めてお会いしたのが、昨年の2月だから、撮影の半年前ですね。

天野監督 そう、最初は、“生首の型取り”で(笑)。ネタバレになるので詳しくは言えないですが、そういうシーンがあります。生首の特殊造形って作るのに半年ぐらいかかるんですよ。だから木ノ本さんにはホン(脚本)読みをする前に、まず来てもらって。型取りの時が初対面。

木ノ本 そこで監督から、イメージとか、「こんな風に撮りたい」とか、いろいろお話をさせていただきました。その後、ホン(脚本)ができて、イメージがちゃんと言語化されていて「あっ、わかりやすい!」って思ったのと、「何か新しい試みをしたい」と仰っていたのが、すごく伝わってきましたね。

出口 私はオファーを受けて、最初に台本を読んだ時は、まだ全容をつかめていないというか(笑)、母親の役も初めてだったので、どう演じようか、悩んだりしました。そこから監督や(夫役の)木ノ本さんと何度も打ち合わせて、台本の読み合わせにも時間をすごくかけてもらって、少しずつ役のイメージを固めていった感じです。


©2024 Union Inc.







「台本を読んで『もう、やめて!』と思いました(笑)」(出口亜梨沙)


ーーお二人は“THIS MAN”という都市伝説はご存知でした?

出口 はい。2ちゃんねるの掲示板とか大好きで、ホラー板みたいなのめっちゃ見てたんですよ。“THIS MAN”も「絵は怖いから、すぐスクロール!」って(笑)。オファーをいただいた時は「あれか!」みたいな感動はありましたね。

木ノ本 やっぱり衝撃でしたね。僕も知っていたのですが、初めて目にした時は「なんだ、この男は!?」って薄気味の悪さを感じました。昔、一回、ドラマ化されましたよね。

天野監督 そうですね、「世にも奇妙な物語」で。

木ノ本 あれは都市伝説そのままに、CGで男の顔が作られていた。

出口 忘れられない顔ですよね。

木ノ本 うん、妙に記憶に残る。

天野監督 ちょっとバランスが変なのがいいですよね。あんなに目が大きい人はいないし、あんな眉がつながった人もいない。しかもイケメンじゃないのがいい(笑)。やっぱイケメンが夢に出てきても忘れちゃうんですよね。

木ノ本 そうでしょうね

出口 なんか絶妙ですよね。

天野監督 なによりキモい。キモメンだから(笑)。

© Union Inc.



ーー監督としてはお2人をキャスティングした決め手は?

天野監督 木ノ本さんは最初、刑事役で、津田(寛治)さんの事務所から提案されたんですよ。でも、シーンを読み返して考えていたら、「いや、義男じゃないかな」とちょっと思って。そしたら津田さんの事務所からも「義男役の方が合ってる気がしてきました」と連絡があり、「やっぱ、そうっすよね」ってなって決まっていった感じです。
華役はまだ(俳優として)あんまり広く知られてない人にしたいなと思った時、(出口さんが所属する)エイベックスさんに(キャスティングを)相談した時に、応募してきてくれたんですよね。写真とか見て、なんかホラーと相性絶対いいだろうな、この人と思って。

出口 ええっー、そうなんですか。

ーーホラーとの相性がいいと直感的に思ったんですか。

天野監督 当時、グラビアをされていて、その時の表情とか目つきが、何て言うんだろう、単にセクシーなだけじゃない、そこに物憂げな表情を作りながらポージングができそうな感じだったんですよね。だから絶対、恐怖と相性が良さそうな人だなと思って。

出口 ありがとうございます。

ーー監督は都市伝説という題材を、長編映画としてどのようにシナリオにしていったんですか。

天野監督 普通の映画のストーリー作りって、まず主人公がいて、そこに達成したい目的があって、困難を乗り越えるというのがスタンダードなやり方だと思うんです。でもそれだとこの題材の良さが出てこない。だからプロットを書いていくうちに、普通の(作劇の)方法を一度やめて、まず自分の身に「最も起きて欲しくない不幸」を全部書き出して、それが全部起きるようにしようと思ったんです(笑)。

ーーなるほど。

木ノ本 本当に、不幸の連続ですからね(笑)

出口 そうそう、全編おかしいぐらいに。

天野監督 悲しみが引き立つには、たぶん前半で幸せに満ちあふれている方が絶対にいいと思ったんです。だから、そういう組み方をしましたね。前半で唯一の柱だったものがポンと外されて、後半、不幸にガーッと落ちていくみたいな。ネタバレになっちゃうから言えないけど、とにかく考えうる“一番嫌な展開”が次々と起きます。観客にとって最も心理的打撃があるのは何だろうって、ずっと考えて計算しながら脚本を組み立てましたね。

出口 台本を読んでいて「もう、やめて!」と思いました(笑)。

天野監督 でも、出口さんはひどい状況になればなるほど、演技がよくなっていきました。特に泣くのが上手いですよね

出口 うそ、本当ですか。

天野監督 幸せなシーンより、泣くシーンの方がしっくりこなせている感じ。

出口 やったあ、うれしいですね。
でも監督もさっき仰っていたんですけど、やっぱり幸せのシーンが幸せであればあるほど、その後のつらいシーンが際立つから、幸せのシーンをもう本当になんか心から幸せな感じにしてほしいみたいなことをずっと言われていて。だからそこは木ノ本さんとも何度も話し合って。こういう風にした方が幸せそうに見えない?ああいう風にした方が楽しそうじゃない?みたいな。たとえばカップルでしかしない決まり事とかあるじゃないですか。

天野監督 普通にキスするだけだと凡庸だから、もっと違う表現ができないかなって。例えば、華の前髪に触れるとか。

出口 前髪って、そういう人にしか触れさせないじゃないですか。

木ノ本 砦、もう最後の砦ぐらいな(笑)。


© Union Inc.




ーー木ノ本さんは脚本を読んで、いかがでしたか。

木ノ本 監督がさっき仰ったように、シナリオの後半には「まさかこんなことが!」みたいな出来事が次々と起きるのですが、僕はまず前半の幸せな出来事だけを考えて演じて、その後に起きるつらい出来事には、その都度素直に反応していくように心がけました。そうすれば、より自然なリアクションになるし、観客にも共感してもらえると思ったんです。だから、「こんなことはありえない」と思ったことは一度も無いですね。

ーー役柄として、とんでもなく理不尽な展開も受け入れられた?

木ノ本 根底にあるテーマみたいなものが、もう抗えない何か、とても不条理なものなんですよ。僕らがコロナ禍を経験したことも相まって、そうした理不尽な状況にも、なんとなく腑に落ちる自分がいるというか。だからストーリーの流れに沿いながら、幸せな時には本当に幸せなことしか考えていないし、落ち込んでいる妻をとにかく励まそうとか、でもそこからあふれ出る自分の感情もあるし……とか、その辺りの自身の変化を、監督が丁寧に撮ってくださった。




天野監督 この映画では仰々しく説明しないけど、当たり前にスピリチュアルな力が働いていて、人間が抵抗できないような、大きな力に地球が支配されているという世界観なんですよ。
後半、あの世とこの世を繋ぐシーンがさらっと出てくるじゃないですか。あっちの世界があるっていう世界観を疑わせないように、説得力を持たせたいなと思いましたね。たぶん普通のホラー映画って、そういうものがないことが前提でしょ。ないからこそ、あちらの世界に行くのが怖いって思う。でも、今回の作品は、そういうあの世の世界があるという前提で作っているんです。

出口 そういうことなんですね。


© Union Inc.








「あの“男”のメイクに毎回3時間ぐらいかかって…」(天野友二朗監督)


ーーそうしたかなり計算されたホラーの新しさもありつつ、割と王道のグロテスクなシーンもちゃんとある。その辺りは監督として、バランスのさじ加減は意識されましたか。

天野監督 かなり意識しましたね。ゴア描写も、作品を引き締める上で絶対必要だと思ったんです。でも、あんまりやりすぎるとR指定になってしまう。興業的な話をすると、R指定だと劇場館数が一気に減っちゃうから、キワキワを攻めつつ、映倫とやり取りして「これだったら大丈夫ですか」っていうのを着地点として、あの表現に行き着いたって感じです。

ーー意識した作品はありますか。

天野監督 A24の作品ってすごい流行ってるじゃないですか、若い子たちに。『ミッドサマー』も当時そんなに有名じゃなかったのに、すごく人が入っているのを見て、なんで若い子たちはこんなグロい映画に惹かれるんだろうと思ったんですよ。『ヘレディタリー/継承』なんかも、日本ではめっちゃ人入ってるじゃないですか。「なんで?」って考えた時、“美しさ”だと思ったんです、画の。画が“ホラーの画”じゃないんですよ。滅茶苦茶綺麗でバッキバキの色彩、ビビッドな画。Jホラーってみんな彩度落とすんですね、黒潰れしそうなぐらい落としちゃって、全部そのフォーマットなんですよ。だから、そろそろ観客が飽きてきて、たぶん新しさを求めきたんじゃないかなと。そういうクリエイティブな新しさへの追求って絶対大事だと思って、じゃあ、それを日本でやってみようかなと思ったんです。まあ、試みというか、賭けですけどね。





ーー演じる側としては、血まみれなどのゴアシーンはどう対処されたんですか。

木ノ本 ネタバレになるので具体的には言えないんですが、まあ、びっくりするシーンが……。

ーー生首とか(笑)。

木ノ本 見てのお楽しみですね(笑)。でも、叫ぶシーンとか、その画だけをメインに抜いて撮りますとかじゃなくて、けっこう長回しをしながら、芝居の良い所を活用してもらっていました。「こっち押しこっち押しロング」みたいな感じで、いろんなアングルから撮りましたね。

出口 すごい長回しだったよね。

天野監督 僕はそう、基本、一つのシーンを頭からケツまで、それを最低2方向撮って、余裕があれば3方向撮ります。その中で一番いい表情を選んで、タイムライン上に三つ並べてシャッフルして編集します。

ーーあと、映像で印象に残るのは、やはり“THIS MAN”の実体化したデザインと造形です。例えば大槻ケンヂさんは「何周か回ってマジにヤバい」って衝撃を受けていました。見ているうちにじわじわ来て印象に残ります。

天野監督 そういうちょっとした滑稽さも必要だなと。笑い方も「へへへ…」って、壊れたおもちゃというか、壊れたオルゴールがずっと回っているみたいな。そんな感じにしたいなと思いました。

ーー俳優のお二人は現場で“THIS MANの男”とお会いして、どうでした?

天野監督 現場の“THIS MAN”は怖くないので(笑)。

出口 めっちゃムードメーカーなんですよ、一番のね。

木ノ本 でも映像で見ると、全然違いますよね。
僕もホラーが大好きなので、なんか、ピエロの殺人鬼なんかを思い出しました。
ピエロのホラーと言うと、『IT/イット』なんかが有名だけど、元々ピエロ自体は恐怖の象徴じゃなかったけれども、実際の事件があってから怖くなった。

出口 ピエロの殺人鬼って実際の事件なんですか。

天野監督 そうですね。ピエロのメイクした巨大なおっさんが男の子を中心に30人以上殺した。

出口 ひぇっ……。

木ノ本 初めは、面白いピエロみたいな感じで、子供たちもかわいいから遊ぶんだけど、本当は……。
だから僕は最初“THIS MAN”の男って、ある意味このピエロと同じなんじゃないかなと思ったぐらい。なんか何周か回って怖くなるって、本当に夢にこの男が出てきたら確かに怖い!


© Union Inc.




天野監督 たぶん明らかに怖くしない方が、僕はいいと思うんですよ。例えば、マイク・タイソンが夢に出てきたら確かに怖いけど露骨すぎるじゃないですか(笑)。

木ノ本 なぜ、マイク・タイソン?(笑)

天野監督 いや、ボブ・サップでもいいですけど、例えば、ムキムキの大男がナイフを持って襲ってくれば、そりゃすごい怖いんだけど、なんかありきたりじゃないですか。

出口 うんうん。

天野監督 この“THIS MAN”の男なんて、一見、近所のいいおじさん風だけど、なんか違和感がすごい。

出口 そう、いそうでいない。

天野監督 そういう方が絶対いいと思うんです。

ーー男の独特の特殊メイクは大変でしたか。

天野監督 そうですね。イラストのまんまだと、ゴム人形になっちゃうから芝居にならないんです。CGでもできるんですけど、今回の“THIS MAN”は生身の人間にやってほしかった。これもネタバレになるから言わないけど、“THIS MAN”の正体にもつながるので。そのために生きた人間をベースにメイクを作らないといけない。だから、ハゲてない人をハゲさせるのがめっちゃ大変でした(笑)。元々ハゲてる人をキャスティングすればよかったんですけど、イメージに合うのはあの人だった。ハゲさせるのって毎回3時間ぐらいかかるんですよね。

木ノ本 僕は現場を見ていないんですが、どうやってあのメイクを作ったんですか。

天野監督 特殊メイクの人が、ツルツルの頭の型取りをして、ハゲた頭皮を頭に乗せました。
モンタージュじゃないけど、イラストの顔の比率を測って、「デコがちょっと隆起してるよね」みたいな感じで作ってましたね。一応アジア人っていう設定だから、アジア・ベースはなくさないように心がけていました。

ーー男の夢のシーン、映像の見せ方、撮り方にも、美しさの中に不気味さと言うか、不穏な緊張感が漂っていました。

天野監督 映像に関しては、例えばライティングとか、普通、映画って15時だったら15時のライティングをする。16時だったら16時、ナイトだったらナイトっていう考え方で、デイの自然の光はこうだっていう、撮り方をするんです。でも、それだと現実を超えられないんですよ。現実を凌駕する、要は魔界との繋がりがある映画だから、変なグレーディングを一部してるんですよね。後半になるにつれてそうなっています。下の30%ぐらいと上の70%ぐらいで、カラーグレーディングを変えたりするんですよ。下はパープルを入れて、上はこのオレンジ系にしたりとか、ありえない色をちょっと入れたりして、気持ち悪さを出している。光も、ありえない光が交差しているようにして、いろいろ気をつけましたね。だからなんていうか、現実的にそれが起きるのかっていうより、画として、ちょっとした違和感を全シーンで残すようにしましたね。








「試写で二度見て『これは未知の映画だ』
『経験したことのない映画体験だ』と確信」(木ノ本嶺浩)

『死仮面』©2024 TerraceSIDE


ーー俳優のお二人は撮影で大変だったシーンはありますか。

木ノ本 除霊じゃない?やっぱり。

出口 除霊、大変でしたね~。
そうそう。除霊に行く前も大変でしたね。(渡辺)哲さん(演じる除霊師)の家に2人で訪問するみたいなシーンがあったんですけど、あの日滅茶苦茶暑いし、暑いのにろうそく100本ぐらいつけてたんですよ(笑)。全員汗だくで。もう酸素足りないし、窓も開けられない、エアコンもつけられない。絶対、酸欠か、ろうそくの火が燃え移って死人が出るぞって思ってました(笑)。

© Union Inc.



木ノ本 しかも、あの時も長回し!

出口 長回しやめて~!

ーーあのシーン、実際の映像は緊張感があって、ひんやりした雰囲気ですが。

天野監督 それはたぶんBGMの効果ですよ(笑)。

木ノ本 暑さのせいか、どんどんろうそくも減っていって。

出口 そう、ろうそくつけ直します「待ち時間」とか。

天野監督 あった、あった(笑)。

木ノ本 肉体的ハードさっていう意味では……

出口 あそこが一番しんどかったかも。

ーー精神的なしんどさは?

木ノ本 それは常に(笑)。自分の中ではずっとしんどかった。

天野監督 最初にも触れましたが、木ノ本さん、型取りで初めてお会いした時は、まだなんか「ホラー、僕も好きなんですよね」みたいな、明るくて気さくな感じだったんですけど、撮影が始まったら、すごく重くてしんどそうで暗かったから、相当負荷かけてんだろうなと思って。

木ノ本 楽しいシーンは楽しいですけどね。でも結構追いつめられましたね。

ーー出口さんは追い詰められた?

出口 私はあんまり役が残るとかはなくて、なんか終わったらもうケロッとしてました(笑)。

ーー完成した作品をご覧になって、いかがでした?

出口 とにかく映像が綺麗だなって。あんまりホラーとかスリラーは見ないんですけど、こんな綺麗な映像の映画ってあんまりないんじゃないかなって思いましたね。





天野監督 それは私の力量ですな(笑)

木ノ本 映像の綺麗さももちろんなんですけど、音楽の使い方もすごく印象的だった。和なのか、インドなのか、いろんな国の映画の要素が入っている。

出口 確かにインド映画も入ってた(笑)。

木ノ本 驚きもありつつ、見たこともないエンタメでしたね。うまく形容できないなって。関係者試写が2日間あったんですけど、1日目は「うん?」となって、2日目にもう一回見たら「これは未知の映画だ」「経験したことのない映画体験だ」と思いましたね。ホラー的なちょっと怖い、気味の悪さ、スリラー的な追い詰められていく様もありながら、最後にはヒーロー的な気持ちよさもあったり。それと、目に見えないものが広がる恐怖とか、世界中の人々が経験した、この4年間へのある種の問題提起にも感じて。僕らにはその象徴があの男だって気がします。


© Union Inc.




天野監督 確かにコロナ前だと、この映画、あんまり意味がなかったかもしれない。

出口 うん、それは思った。

天野監督 コロナをきっかけに「THIS MAN」が注目されたのは事実ですし。僕もこれ、かぶるなと思ったんですが、元々ミームってジーン(遺伝子)から派生した言葉で、ウイルスの遺伝子のように媒介していくものなので、ネットミームとコロナって相性はいいんですよ。

ーーでは、最後に観客に向けてメッセージを。

天野監督 この映画はスリラーの体裁を取っているけど、基本的に人間ドラマのつもりで作ったんです。当たり前にあると思っているパートナーや家族、友人を、自分ではコントロールできない、得体のしれない力によって失われることが、あの311とかコロナを通して、日本で世界で起きていた。そうした絶望や悲劇性を映画にしたいなと思って。でもそれを真正面から重々しくやっても、たぶん届かないから、エンターテイメントの映画の中で、そういうメッセージを忍ばせて撮りましたね。それが僕の本当の思いなんだけど、違った受け取られ方をするかもしれないし、そこはもうお客さんにゆだねます。

木ノ本 この作品に関しては「こう見てほしい」という、明確な答えを出さなくてもいい気がしますね。普通の映画のように、登場人物の誰かに感情移入できるかどうかも大事ですが、この映画で起きる出来事、あの男に対して、明確な答えを持つ、持たない、探るというのも、この映画の一つの楽しみ方かと。未知の力を前に、人はどうそれに向き合い行動するのだろうっていう問題定義がちゃんと伝われば、僕はある意味この『THIS MAN』の側面は理解していただけるのではないかと思います。理解してもらえないから駄目ってことでもないと思いますが。

出口 私、怖い映画が得意じゃなくて、結構避けて生きてきたぐらいなんですけど…。それでもお話が面白いっていうのかな、かなり引き込まれます。そして母親役を初めて演じたせいもあるかもしれないけど、いろいろ考えさせられますね。単に驚かせるだけの怖さじゃない、なんか後を引く、深い心理ホラーじゃないかなと思います。

ーーありがとうございました。





《STAFF》
■出口亜梨沙
ヘアメイク:池田眞美子
スタイリスト:山本慎一  

■木ノ本嶺浩
ヘアメイク:池田眞美子
スタイリスト:吉田ナオキ







【読者プレゼント】
映画『THIS MAN』公開記念・
出口亜梨沙×木ノ本嶺浩×天野友二朗監督
サイン入りポスターを抽選で1名様にプレゼント!


<応募方法>


応募締め切りは2024年6月16日(日)
応募方法は、WEB映画マガジン「cowai」twitter公式アカウント(@cowai_movie)をフォローし、該当するプレゼント記事ツイート(https://x.com/cowai_movie/status/1799163864589934879)をリポスト(RT)してください。



<抽選結果>

締め切り後に抽選を行い、当選された方に「cowai」公式TwitterアカウントよりDMで通知させていただきます。当選品は郵送する予定です。(諸般の事情や、災害、キャンセル発生等やむを得ぬ事情で遅れる場合があります)



皆様のご応募お待ちしています!



【応募の注意点】

〇当選後に住所の送付が可能な方のみご応募ください(日本国内のみ有効)。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
〇当選品は映画配給会社よりご提供いただいたプロモーション目的の非売品扱いとなります。このため、傷や汚れ等があっても交換はできませんので、ご了承ください。
※非売品につき転売目的のご応募は禁止とさせていただきます。
〇当選のキャンセルが発生した場合は再度抽選を行う場合があります。
〇抽選結果や抽選経過に関して個別のお問い合わせには応じられませんので、あらかじめご了承ください。






野水伊織、角由紀子、山口敏太郎、人間食べ食べカエル、中沢 健ほか
都市伝説&ホラー業界の著名人よりリコメンドコメント!

©2024 Union Inc.


※五十音順に掲載


ノンフィクションとフィクションの紡ぎ目を開放した傑作。
天野監督は日本のアリアスターか。
This manは得体の知れぬ恐怖の象徴であり、誰にでも起こりうる。。とでも、言うのだろうか

有村 崑(映画コメンテーター)



不気味、不安、胸糞!
都市伝説「This man」に隠された“本当の恐怖”をよくぞここまでエグみたっぷりに描いてくれました!
これは夢ではなくリアルに起きている深刻な問題なのです。日々、ニュースや広告から溢れ出すイメージの洪水によって常に心理や行動を制御されている我々の未来の行き着く先が本作「THIS MAN」の中にあります。
絶望的な現実を、最高の恐怖演出で伝えてくれたこの映画に感謝。

角由紀子(TOCANA総裁)



2000年代最も有名になった都市伝説の一つ『This Man』
一度見たら忘れられない顔は人々の無意識に刷り込まれた。
まさかあの男がまた戻ってくるとは・・・。


岸本誠(都市ボーイズ)



THIS MANは謎だらけの都市伝説だ。
この映画の中ではその答えも描かれるが、実際に語り継がれている都市伝説にも大きな影響を与えることになるだろう。

中沢 健(作家・UMA研究家)











奇妙なハンドリングで突き進む不快でダウナーな物語。一体どこに連れて行かれるのか。全く分からないまま不安だけが募る。極端な飛躍と過剰に絶望を煽る展開。そこに強烈な人体損壊ゴアが追い打ちをかける。この映画が悪夢そのもの。

人間食べ食べカエル (人喰いツイッタラー)



ネットミームや都市伝説に多少なりとも明るい者なら、一度は見たことがあるだろうあの男。
疫病にSNS、様々なものが流布するこの時代に彼が蘇ったとしたら、これほどまでに恐ろしいことになるのか。
こんな男怖くない?そう思えるのは、今あなたが“起きているから”だ——。

野水伊織(映画感想屋声優)



美しい映像に漂う、不穏な違和感、そして不意打ちのような残酷描写の数々。一見まともそうな登場人物すべてがおかしい。きっと監督も狂っている。異常な物語から浮かび上がるのは、都市伝説の不気味な本質。唯一無二の見逃せない怪作だ。

福谷修(ホラークリエイター/WEB映画マガジン「cowai」編集長)



THIS MANは現実に存在するのか、それとも夢の中にしか存在しないのか。そもそも現実というのが空虚な仮想現実かもしれない。だとしたら、仮想現実と言う夢の中を自在に動き回るのがTHIS MANなのだろう。夢か現か、はたまた映画と言う2次元世界の産物なのだろうか。THIS MANは、確実に存在する。

山口敏太郎(作家・オカルト研究家)








※THIS MANとは




2006年頃、夢の中で、眉がつながった奇妙な風貌の男と出会ったという女性患者がニューヨークの精神科で多発。彼女らの証言を基にモンタージュ写真を作成し、ネット上に公開したところ、ニューヨークに限らず、ロサンゼルス、ベルリン、サンパウロなど世界各国で夢を見たという証言が多発。その数は2000人を超えた。

謎の男は「THIS MAN」と呼ばれた。何が目的で人々の夢に現れているのかは未だに解明されていない…という都市伝説。








INTRODUCTION

© Union Inc.




2006 年頃、夢の中で眉がつながった奇妙な風貌の男と出会ったという女性患者がニューヨークの精神科で多発した。彼女らの証言を元にモンタージュ写真を作成し、ネット上に公開したところ、世界各国で夢の中で同じ男を見たという証言が多発。謎の男は「This Man」と呼ばれ、恐れられた。

世界的に有名なネットミームに日本独自の解釈を加え、なすすべなく人々が死んでいく描写を通して、昨今のコロナ禍の惨状を風刺した全く新しいスリラー映画として誕生!

主演はグラビアで活躍しながらも、NHK 連続テレビ小説「べっぴんさん」など女優を活躍する出口亜梨沙。W主演を務めるのは、仮面ライダーWで人気を博し、その後もドラマ、映画、舞台で幅広く活躍する木ノ本嶺浩。出口亜梨沙は本作が映画初主演となる。監督・脚本には医学系研究分野出身という経歴を持つ天野友二朗。人間の二面性にフォーカスした心理サスペンス『幸福な囚人』を2018年製作し、商業映画デビュー。2023年公開の『わたしの魔境』では、オウム真理教事件をベースに、現代社会に潜むカルト洗脳やメディア洗脳、マルチ商法企業の闇などを取り上げ、世界11か国で国際映画祭を受賞し、自主製作映画ながら地上波番組でも紹介された。今回、センセーショナルな社会派作品を得意とする天野友二朗が世界的に有名なネットミームをパニックスリラー作品として昇華させた。

「THIS MAN」の正体とは一体…!?なすすべなく多くの被害者を出した社会の行きつく先は…!?社会風刺を孕んだ全く新しい野心作をスクリーンで目撃せよ。


© Union Inc.









【STORY】 

© Union Inc.



舞台はある田舎町。町では、連続変死事件が発生していた。
被害者の共通点は、生前、眉のつながった奇妙な風貌の男を夢の中で見ていたことだった。
夢の中に出てきた男は「あの男」と呼ばれ、人々を恐怖に陥れていた。
そんな中、八坂華は、夫と義男と娘の愛とともに、幸せに暮らしていた。
しかし、「あの男」による被害が拡大し、徐々に華の身近にも危険が迫る。
やがて華は究極の選択を突きつけられる。
果たして華が取った行動とは?
史上最悪の結末が、今幕を開ける。


© Union Inc.







<CAST・STAFF>

【タイトル】THIS MAN
【公開日】2024 年初夏 新宿ピカデリーほか全国公開
【出演】出口亜梨沙 木ノ本嶺浩
    鈴木美羽 小原徳子 茜屋日海夏 校條拳太朗 / 般若 アキラ 100% 中山功太
    津田寛治 渡辺哲
【監督・脚本・編集】 天野友二朗
【配給】アルバトロス・フィルム
【企画製作】Union Inc.
【コピーライト】©2024 Union Inc.

【Web】
・公式サイト:https://thisman-movie.com/
・公式 X(旧 Twitter):https://twitter.com/thisman_film




2024年6月7日(金) 新宿ピカデリーほか全国公開






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