歴代の名作実録心霊ドラマ6本がデジタルリマスター化で一夜限りの復活!
出口夏希主演の完全新作エピソードと共に、“最恐”にゾクっとする夏をお楽しみに!
人々が体験した怖い話をリアルに描くリアルホラーエンターテインメント『ほんとにあった怖い話』(通称: ほん怖)。1 9 9 9 年に放送をスタートし、心霊体験に翻弄(ほんろう)されつつも立ち向かっていく人々の姿 を描く。その最新2025年夏版である、土曜プレミア厶「ほんとにあった怖い話 夏の特別編2025」が、8月16日(土)21:00〜23:10にフジテレビ系で放送される。
稲垣吾郎率いる『ほん怖』クラブメンバーとともに、放送開始から25年間で220作品の実録心霊ドラマをお届けしてきた『ほん怖』。
その中でも、人気No.1、最高傑作と評される佐藤健主演の『顔の道』をはじめ、「また見たい!」と声の多かった歴代名作6本(『黄泉の森』『行きずりの紊乱者』『右肩の女』『顔の道』『怨みの代償』『S銅山の女』)を一夜限りでデジタルリマスター化!
完全新作エピソード1本(『或る訳ありの部屋』)とセットでお届けする。

「cowai」では、この放送を記念して、「ほん怖」の生みの親の一人であり、数々の名作傑作エピソードを手掛けた“Jホラーの父”鶴田法男監督(『リング0 バースデイ』『おろち』)へのインタビュー記事を再掲載。(2020年11月1日初掲載)
今回放送される6本の内、4本(『右肩の女』『顔の道』 『怨みの代償』『S銅山の女』)を手掛けている鶴田監督だが、中でも、特に大きな反響を呼んだ傑作『顔の道』の制作秘話を、鶴田監督の秘蔵メイキング写真と共に紐解いていく。


佐藤(健)さんが、階段から“首のない巨大な女”が下りてきた時、
『監督、怖いからもう逃げたいんですけど……』っておっしゃって……。
“Jホラーの父”鶴田法男監督「ほん怖」インタビュー!
人気No.1、最高傑作と評される『顔の道』制作秘話

(※このインタビューは2020年11月1日に初掲載されたものです)
ーー(『ほんとにあった怖い話 2020』では、視聴者のリクエストで選ばれた過去の傑作選が放送されましたが、)選ばれた作品の中で、一番人気は『顔の道』ですか?
鶴田法男:一位かどうかはともかく、異常に人気が高いですね。なんか伝説的になってきています(笑)。
キャメラマンが川村明弘さんという方で、川村さんが2000年から『ほん怖』の多くを撮って下さっていて。仕事も早いし、僕の演出を理解してくれている。僕は何も言っていないんだけど、冒頭で車が走っているのを、手前に木の葉っぱをばっと持ってきて、葉っぱが黒く見えるようになめて撮っている。これって意外に難しいんですよ。葉っぱをなめて黒く見えるかっていったら、黒く見えないんですよ。夜だったらいいんですけど、葉っぱの緑が透けて見えちゃう。僕はカメラから離れた所にあるモニターを見ているので、最初は『あれ?』っと思ったけど、いい感じなんですよね。これいいなあと思って。川村さんが、ある意味手慣れたというか、僕と何本か『ほん怖』やってきて、僕がだいたい何を求めているかわかってらっしゃった。何も言わなくても、そういうショットを撮ってくれる。
ーー主演の佐藤健さんはどうでしたか?
鶴田:よく覚えているのは、佐藤さんが、階段から“首のない巨大な女”が下りてきた時、『監督、怖いからもう逃げたいんですけど……』っておっしゃるんですね(笑)。でも、直ぐに逃げたら怖くなくなってしまうので、僕が『もう少し(その場で)我慢していてください、ドラマなんで』ってお願いをしたら、佐藤さんがうまく芝居を引っ張ってくれました。
あと、家の中を走って玄関にたどり着いた時も、後ろを1回振り返って、逃げ出す芝居があったんですけど、佐藤さんの振り向く芝居がリアルだけどちょっと早い。怖いから直ぐに逃げたいのが当たり前ですからね。それで、『じわって振り向いて確認して、そこから駆けてください』って言いました。佐藤さんも「わかりました」と言って、しっかりやってもらいました。

ーー間の取り方が大事ですよね
鶴田:ホラーはリアルにしないといけないんだけど、ほんとにリアルにやっちゃうと怖くならないんですよ。やっぱり怖くするためには、リアルなだけじゃなくて、リアリティを構築しなければいけない。うまい役者さんだとそこを理解してやってくれるんだけど、下手な役者さんってそれがリアリティにならない。嘘っぽい芝居になってしまう。
あのシーンも、逃げ出したいのに、振り向いて『えっ』てなる。本来だったら、逃げるじゃないですか。でも、そこで、『えっ』と思って振り向く。そういう芝居をした時に無理のない芝居を構築できるかどうか、それが役者さんの力量なので、佐藤健さんみたいな優秀な方が来ていただけると非常に怖く撮れるという好例ですね。

ーー撮影期間は?
鶴田:実は短かった。二日撮りじゃないかな。合宿したんですよ。
ーー(劇中に登場する)電話ボックスは現地の物?
鶴田:あれは美術部が持ってきたものです。
ーー一番大変だったシーンは?
鶴田:撮影はスムースだったんですけど、一つだけ手間がかかったのが、車の前にあるでかい顔。あの顔、本当に作ったんですよ。単なる合成じゃないんです、実は。動いているのは合成しているんだけど、基本的には巨大な顔を作って、それを目で追って芝居をしてもらって。実際、その場で見ているんです。ほんとにびっくりした表情を撮影しているから、すごく説得力がある芝居になっていると思います。それと、やっぱり合成だと、何もない所に大きな顔を置いたら質量感みたいなものが出せないですよね。リアクションも違うし、画的にも単なる安っぽい合成になりかねない。そういうところは、『ほん怖』はこだわってやらせてくれる。
撮影スタッフも僕のスタイルがわかっているし、いろんな意味で一番脂が乗っていたかもしれないですね。
(取材・文 福谷修)
【元記事】
【貴重な裏話が目白押し!
鶴田法男監督・連載インタビュー集「Jホラーのすべて 鶴田法男」】
「ほん怖2025」8/16(土)放送!
歴代の名作実録心霊ドラマ6本がデジタルリマスター化で一夜限りの復活!
出口夏希主演の完全新作エピソードと共に、“最恐”にゾクっとする夏をお楽しみに!

【作品情報】
土曜プレミア厶「ほんとにあった怖い話 夏の特別編2025」
8月16日(土)21:00〜23:10フジテレビ系にて放送
【ほん怖クラブリーダー】
稲垣吾郎
【作品ラインナップ】
『黄泉の森』(2004年)出演:小栗旬ほか
『行きずりの紊乱者』(2004年) 出演:上野樹里ほか
『右肩の女』(2012年) 出演:岡田将生ほか
『顔の道』(2009年) 出演:佐藤健ほか
『怨みの代償』(2009年) 出演:綾瀬はるかほか
『S銅山の女』(2014年) 出演:石原さとみ ほか
『或る訳ありの部屋』(2025年※新作) 出演:出口夏希ほか
【プロデュース】
牧野正
古郡真也(FILM)
【脚本】
『黄泉の森』『行きずりの紊乱者』 清水達也
『右肩の女』穂科エミ
『顔の道』『怨みの代償』 『或る訳ありの部屋』三宅隆太
『S銅山の女』酒巻浩史
【演出】
『黄泉の森』三宅隆太
『行きずりの紊乱者』 星野和成
『右肩の女』『顔の道』 『怨みの代償』『S銅山の女』鶴田法男
『或る訳ありの部屋』森脇智延
【原作】
『ほんとにあった怖い話』『HONKOWA』(朝日新聞出版)
【制作・著作】
フジテレビ
公式サイト https://www.fujitv.co.jp/honkowa/index.html