大反響を呼んだ『ゲット・アウト』(17)、『アス』(19)のプロデューサー、ショーン・マッキトリックが新たに放つパラドックス・スリラー『アンテベラム』が11月5日(金)に公開される(TOHOシネマズ シャンテのみ11月7日(日)より公開)。
今回、本作で映画初主演を飾ったジャネール・モネイの特別インタビュー映像が解禁され、“何かがおかしい”違和感漂う本編映像と共に紹介する。
本作は公私共に順風満帆の日々を送っていた主人公ヴェロニカが、突如として奈落の底に突き落とされていく様を描きながら、誰もが意表を突かれる仕掛けが用意されている。
それは外界と隔絶した極限状況下に囚われているエデンという女性をめぐるアナザーストーリー。
とある広大なプランテーションの綿花畑で重労働を強いられているエデンは、あらゆる自由を剥奪された奴隷の身だ。
主演を務めたのは、共に全米賞レースを沸かせた『ムーンライト』(16)、『ドリーム』(16)で絶賛を博したジャネール・モネイ。
グラミー賞候補の常連シンガーでもある実力派女優が、恐怖のパラドックスからの脱出を図るヴェロニカとエデンをひとりで演じ分けた。
パラドックスな迷宮のごとき映像世界の果てに、あらゆる思考が吹っ飛ぶ衝撃の“真実”とは―⁉
グラミー賞ノミネート&ハリウッド話題作に続々出演
ジャネール・モネイとは? 特別インタビュー映像解禁‼
グラミー賞ノミネート常連のR&Bシンガーであるジャネール・モネイがスクリーンデビューを飾ったのは、全米賞レースを沸かせた『ムーンライト』。
その演技が絶賛された以降も、『ドリーム』『ハリエット』とコンスタントに映画に出演してきた彼女が、ついに本作で映画初主演を飾った。
しかも恐怖のパラドックスからの脱出を図るヴェロニカとエデンという二人の女性を一人で演じ分けるという難役である。
1985年生まれのモネイが最初に脚光を浴びたのは、シンガーソングライターとしてで、人気ヒップホップデュオ「OutKast」のビッグ・ボーイに見出されて、2007年にソロ歌手としてデビューを果たす。
デビューアルバム『Metropolis』からシングルカットされた『Many Moons』は高く評価され、第51回グラミー賞にノミネートされた。
さらにモネイは人気ブランドの広告塔にも抜擢されるなど、ニューソウルクイーンとして、またメッセージを発信する力強いアイコンとして羨望の眼差しを集める存在となった。
初来日は2019年。「フジロック2019」に出演した彼女は、プリンスやマイケル・ジャクソンらブラックミュージックを血肉にして生まれた圧巻のパフォーマンスで日本の音楽ファンを魅了した。
また差別の犠牲となった黒人被害者の名前を連呼するプロテストソング『Hell You Talmbout』は、今年日本でもヒットを記録した映画『アメリカン・ユートピア』内でデイヴィッド・バーンがカバーするなど、モネイの才能やメッセージは多くのアーティストたちを刺激している。
歌手のみならず女優業も順調で、高い評価を得た『ムーンライト』や『ハリエット』など、自らの思想や心情と共鳴した作品に積極的に参加。
映画初主演となった『アンテベラム』もその一つだ。
モネイは本作出演について「黒人女性への敬意こそが本作に出演する決め手だった。過去と今、そして未来を形作る女性たち。そして私の祖母や先祖の女性のような。この映画は重要なことを描いていると思う。過去が現在や未来に直接的にどう影響しているか」と明かす。
本作が持つテーマにも惹きつけられたそうで「人種差別や無意識の攻撃、白人至上主義など、特に私たちが生きる今の時代こそ、もっと光を当てることが重要だと思うの。有害な問題にね」と熱弁する。
謎を解くヒント!? やはり“何かがおかしい”
何気ないシーンに違和感溢れる本編映像!
この度解禁されたのは、公私共に順風満帆の日々を送っていた主人公ヴェロニカ(ジャネール・モネイ)が、滞在しているホテルのフロントでレストランの予約を取ろうとする何気ないシーン。
そこで友人と再会して会話を交わし、白人女性のフロント係にレストランの予約をお願いするというもの。
ありふれた日常のワンシーンのはずなのだが、何かがおかしい。
この違和感は『ゲット・アウト』や『アス』で感じたそれに近しい。
しかも各ショットやセリフには本作のパラドックスをひも解くヒントが散りばめられている…!?
仕事で訪れたニューオーリンズで滞在しているホテルの部屋を出ようとしたとき、ヴェロニカはボーイから花束を受け取る。
その花束には送り主の名前に「X」と記されているだけで、「帰郷を待っています」という謎のメッセージが添えられていた。
「X」とは一体誰なのか?そして、帰郷とはどういう意味なのか?
そんな彼女が宿泊している部屋の名前は、第3代アメリカ合衆国大統領トーマス・ジェファーソンの名前が冠された「JEFFERSON SUITE」。
黒人奴隷制度に反対の意を表していたことでも知られている大統領に由来する部屋が登場するのも何らかのメッセージなのだろうか…?
レストランの予約をフロント係に頼もうとしたヴェロニカは、ふいに肩を叩かれる。
友人のサラである。謎の花束でナーバスになっていたヴェロニカは驚くものの、久しぶりの再会を喜ぶ。
だがその後に交わすお互いの会話には「無意識なる過去を祓う」「過去は決して死なない」「過ぎ去りもしない」「先祖は夢に取り憑いて生き続ける」「未解決の過去は現在に害をなす」などと意味深な言葉が連なる。まるで何かよからぬ出来事を暗示しているかのようだ。
サラと別れたヴェロニカは、フロント係の白人女性にレストランの予約を申し込む。
だが彼女は穏やかに微笑みながらも、ヴェロニカを待たせたまま、かかってきた電話応対を始めてしまう。
それが黒人女性であるヴェロニカに対して相応しい態度であるかのように。
彼女の背後の壁に飾られているのは、白亜の屋敷が描かれた油絵。それは謎の女性とともに切り取られた場面写真の邸宅に似ている…。
ストーリー
博士号を持つ社会学者で人気作家でもあるヴェロニカは、優しい夫、愛くるしい幼い娘との幸せな家庭を築き上げていた。
ある日、ニューオーリンズでの講演会に招かれた彼女は、力強いスピーチで拍手喝采を浴びる。
しかし、友人たちとのディナーを楽しんだ直後、ヴェロニカの輝きに満ちた日常は突然崩壊し、究極の矛盾をはらんだ悪夢へと反転するのだった…。
一方、アメリカ南部のプランテーションで囚われの身となり、過酷な労働を強いられているエデン。
ある悲劇をきっかけに、奴隷仲間とともに脱走計画を実行するが―
【作品情報】
出演:ジャネール・モネイ、エリック・ラング、ジェナ・マローン、ジャック・ヒューストン、カーシー・クレモンズ、ガボレイ・シディベ 脚本・監督:ジェラルド・ブッシュ、クリストファー・レンツ
原題:ANTEBELLUM/2020 年/アメリカ/英語/106 分/カラー/スコープ/5.1ch/日本語字幕:大西公子
配給:キノフィルムズ 提供:木下グループ
©2020 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.
公式サイト:antebellum-movie.jp 公式 Twitter:@antebellum_jp #アンテベラム
11月 5 日(金) 全国ロードショー
※TOHO シネマズ シャンテのみ 11 月 7 日(日)より
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