人里離れた農場で姉弟を襲う、邪悪な怪異の正体とは!?
シッチェス・カタロニア国際映画祭最優秀女優賞&撮影賞受賞、才気みなぎる戦慄のホラー
父の最期を看取るため帰郷した姉弟が怪異に襲われる様子を描き、絶賛を浴びるとともに世界を震え上がらせた、注目のホラー映画『ダーク・アンド・ウィケッド』が 11 月 26 日(金)より、新宿シネマカリテほかにて全国公開された。
今回は作品レビューを紹介する。
本作はジャンル映画の権威であるシッチェス・カタロニア国際映画祭で「最優秀女優賞」と「撮影賞」の2部門を受賞したほか、大手映画批評サイト「ロッテン・トマト」では驚異の満足度 91%を記録している。
監督を務めたのはブライアン・ベルティノ。
山奥の一軒家でカップルを襲う恐怖の一夜を描いた 2008 年の『ストレンジャーズ/戦慄の訪問者』で圧倒的高評価を受け、その後も、『ザ・モンスター』など、一貫して恐怖表現を追求し続けてきた今後のホラー映画界を担う才能の一人だ。
主演はアカデミー賞作品賞候補に挙がった『アイリッシュマン』『最後の追跡』で存在感を示した気鋭の女優マリン・アイルランドと、A24 が手掛けた『ディック・ロングはなぜ死んだのか?』の主役に抜擢されたマイケル・アボット・Jrが務めている。
【レビュー】
怖さでは、今年のナンバー1。
豊作だった2021年ホラーのダークホース的な傑作。
『ダーク・アンド・ウィケッド』
今年は、ホラーファンにとって、近年まれにみる慌ただしさだったはずだ。
毎週のように、毛色の違う、しかしどれも見ごたえのあるホラー映画が相次いで公開された。
ド派手な作品群の陰で、うっかり見落としがちな本作『ダーク・アンド・ウィケッド』だが、ここで踏ん張って、劇場に駆け付ければ、あなたがホラーファンなら間違いなく拍手を送りたくなるはずだ。
確かに万人受けはしないだろう。話はわかりにくいし、地味だし、低予算は低予算だ。
宣伝だって、こうするしかなかったと思う。
しかし、どのシーンも抜群に怖い。
雰囲気が怖い。ライティングが怖い。ローアングルが怖い。美術が怖い。セリフが怖い。音楽もSEも怖い。登場人物すべてが怖い。
片時たりとも気の休まる瞬間がない、絶望的な怖さに圧倒される。
STORY
“それ”は邪悪で、私たちを屠るもの
両親から離れてそれぞれ暮らすルイーズとマイケルの姉弟は、父の病状が悪化したとの報せを聞き、久方ぶりに生家であるテキサスの人里離れた農場を訪れる。
父はそこで母に見守られ、ひっそりと最期を迎えようとしていた。
ところが母は「来るなと言ったのに――」と彼らを突き放す。
やがて彼らは両親の様子がおかしいことに気づく。
そしてその夜、母が首を吊って亡くなった。
それは彼らを待ち受ける想像を絶する恐怖の幕開けにすぎなかった。
『ダーク・アンド・ウィケッド』作品情報
監督・脚本・製作:ブライアン・ベルティノ『ストレンジャーズ/戦慄の訪問者』
音楽:トム・シュレーダー
撮影:トリスタン・ネイビー
編集:ウィリアム・ブーデル、ザカリー・ワイントローブ
出演:マリン・アイルランド『アイリッシュマン』『最後の追跡』
マイケル・アボット・Jr『ディック・ロングはなぜ死んだのか?』
ザンダー・バークレイ『96時間』
ジュリー・オリバー・タッチストーン
マイケル・ザグスト
2020年/アメリカ/カラー/95分/シネマスコープ/英語/5.1ch
原題:THE DARK AND THE WICKED/レイティング:PG12/字幕翻訳:本庄由香里
配給:クロックワークス
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▼公式サイト https://klockworx-v.com/dark-wicked/
新宿シネマカリテほかにて絶賛公開中!
【関連作品】
『ダーク・アンド・ウィケッド』監督・脚本・製作:ブライアン・ベルティノ作品
『ストレンジャーズ/戦慄の訪問者』(2008年/監督・脚本/リヴ・タイラー主演)
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『ザ・モンスター』(2016年/監督/「未体験ゾーンの映画たち2017」で上映)
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『鮮血ピエロの惨劇』(2014年/監督・製作・脚本/劇場未公開。ブラムハウス製作)
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『フェブラリィ ~消えた少女の行方~ 』
(2016年/製作/別タイトル『フェブラリィ -悪霊館- 』で「のむコレ2017」上映)
『ストレンジャーズ 地獄からの訪問者』
(2018年/製作総指揮・脚本/「カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション」で上映)
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