【今週のオススメ】『ひとくず』の異才にしか不可能な、唯一無二の傑作バイオレンス!久々に本物の日本の娯楽映画を見た。『西成ゴローの四億円』前後編、明日2/12(土)から全国公開!

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上西雄大(監督・主演)× 奥山和由(プロデュース)最新2部作品
日銭を稼ぐ無敵のダークヒーロー。大切な家族のために四億円を稼ぐ。



児童虐待を題材に、世界中の映画祭で感動の嵐を巻き起こした映画『ひとくず』(2020 年ロンドン国際映画祭グランプリ&主演男優賞受賞ほか多数受賞)の上西雄大が新たに監督・主演を務めた映画『西成ゴローの四億円』(前篇)、『西成ゴローの四億円 -死闘篇-』(後篇)が2/12(土)より全国公開される。

今回は作品のレビューを紹介する。

『西成ゴローの四億円』(前篇)は1/29(土)より大阪先行公開、2/12(土)より新宿K’sシネマほか全国順次ロードショー、『西成ゴローの四億円 -死闘篇-』(後篇)は2/5(土)より大阪先行公開、2/19(土)より新宿K’sシネマほか全国順次ロードショー公開。






*『西成ゴローの四億円』(前篇)受賞情報*
ロンドン国際映画祭 2021 「外国語部門最優秀作品賞」&「最優秀主演男優賞」W受賞。
ニース国際映画祭 2021「最優秀外国語長編映画作品賞」&「外国語映画最優秀主演男優賞」W受賞。













【レビュー】『西成ゴローの四億円』『西成ゴローの四億円 -死闘篇-』


『ひとくず』の異才にしか不可能な、唯一無二の傑作バイオレンス!
久々に本物の日本の娯楽映画を見た。



©上西雄大




俳優・上西雄大と聞いて、その顔がすぐに思い浮かぶ人は、そんなにはいないだろう。

関西を拠点にした劇団を主宰。児童虐待を題材に、50歳を過ぎて監督・主演した(実質自主製作の)映画『ひとくず』が内外で高く評価されたものの、まだまだ全国的には“知る人ぞ知る”存在だ。

そんな上西が、あの奥山和由と組んで、監督・主演のアクション映画を撮ると聞いて、期待よりも「大丈夫か?」と思ってしまうのが、映画ファンの正直な感想ではないだろうか。

しかし、完成した映画『西成ゴローの四億円』は前後編合わせて約四時間近い尺ながら、片時も飽きさせない圧巻の面白さと完成度を誇る。
今どきこの手の企画を、原作無しのオリジナルで実現させられることも素晴らしいが、上西が書いた脚本も細部まで非常によく練られており、彼が敬愛する松田優作の遊戯シリーズや、マカロニウェスタンなどのハードボイルド&バイオレンスのエッセンスを随所に注ぎながら、決してまね事に終わらせることなく、関西弁を駆使した「上西節」というべき独自のエンタテインメントにまで昇華させている。

何よりも、上西自らが演じる主人公・西成ゴローが魅力的だ。

かつて政府の諜報機関の工作員として活躍しながらも、事故で記憶を失い、今は労働者の街である大阪・西成で日雇い仕事に身を落とす中年男を生き生きと演じている。
その存在感は、決してスター街道を歩んでこなかった上西自身の横顔とも重なるように説得力があり、津田寛治、奥田英二、加藤雅也、山崎真実、木下ほうか、石橋蓮司ら、豪華で個性的な顔ぶれの共演陣にも全く引けを取らない。

劇中で、ただの名もなきおっさん「ゴロー」が銃さばきも華麗に、著名俳優演じる難敵と死闘を繰り広げ、最悪の事態を次々と解決していく衝撃は、まさに全く無名の新人監督が奥山和由プロデュースのメジャー作品でいきなり傑作を撮ってしまう奇跡的状況と見事なまでに符合してしまうのだ。これが面白くないわけがない。

実際に現地で撮影された西成ロケも、よどんだ空気の中に異様な緊張感を漂わせて効果を上げており、封印された過去と共に、様々な業を背負うゴローのキャラクター造形にも大きく貢献している。

また、上西がスタント無しで熱演し、撮り上げたバイオレンス・シーンも気合が入っており、『ひとくず』でも絶賛された、えげつないまでの濃厚でユニークな人物描写と相まって、単なるアクション映画とは一線を画す新鮮さ、深み、彩りをもたらしている。(著名俳優と共に、『ひとくず』で好演した、上西の劇団所属の徳竹未夏、古川藍らががっちり脇を固めている点も見逃せない)

まさに上西にしか不可能な唯一無二の傑作エンタテインメント。
久々に本物の日本の娯楽映画を見た思いだ。
ぜひ劇場のスクリーンで前後編続けて鑑賞し堪能してほしい。


©上西雄大











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イントロダクション

現代社会に巣食う闇の世界や人間の情の力を根底に、大金を稼ごうと必死に抗う一人の男の生き様が描かれる。同時に、登場人物たちの所持金や貯蓄額からその人物の生活や経済観念が分かる構成になっており、リアルな人間模様を味わうことのできるマネー・クライム・エンタテインメントが新たに誕生した。

大阪の西成に住む、日雇い労働者・土師晤郎。腕っぷしが強くて皆から頼られる反面、殺人罪で服役していた過去から「人殺しのゴロー」という異名を持っていた。断片的に記憶を失った彼だが、元政府諜報機関の工作員だったこと、妻と娘がいたことなど記憶を少しずつ取り戻していく。ある時、家族の現状を知ったゴローは、固く決意する。「心臓移植が必要な難病を患う一人娘のために、どんなことをしてでも四億円を稼いでみせる」ということを―。

主人公のゴローを上西本人が演じ、主要キャストには多彩な俳優陣が揃う。ゴローの最大の敵となるフィクサーに奥田瑛二、政府諜報機関時代のゴローの元同僚に津田寛治、ゴローの元妻に山崎真実、ほか松原智恵子、笹野高史、加藤雅也、木下ほうか、波岡一喜、『ひとくず』で色濃く印象を残した徳竹未夏、古川藍等が出演。そして、死闘篇(後篇)のキーマンとなる韓国巨大マフィアの会長を石橋蓮司が演じる。







『西成ゴローの四億円』(前篇)

上西雄大
津田寛治  山崎真実  長原成樹  波岡一喜 徳竹未夏 古川藍
奥田瑛二

監督・脚本:上西雄大  製作総指揮:奥山和由
プロデューサー:上西雄大 エグゼクティブプロデューサー:成田一也 川﨑勉 山﨑竜紀 和田武利 中葉昭弘 
撮影:吉沢和晃  照明:齋藤正貴  録音:西山秀明  編集:西山秀明 上西雄大  ヘア&メイク:山畑里奈アクション:リー村山 殺陣師:玉寄兼一郎 ガンエフェクト:浅生マサヒロ
音楽:川人千慧 助監督:徳竹未夏・古川藍
挿入歌 「寂(レクイエム)唄」「西成TOWN」唄:西成の神様
企画・製作:10ANTS  配給:吉本興業 チームオクヤマ シネメディア
©上西雄大  2021年 / 日本 / カラー / 104分   [G]




『西成ゴローの四億円 死闘篇』(後篇)

上西雄大
津田寛治  山崎真実  長原成樹  徳竹未夏 古川藍
笹野高史 木下ほうか 阿部祐二 加藤雅也(友情出演) 松原智恵子(友情出演) 石橋蓮司(特別出演)
奥田瑛二

監督・脚本:上西雄大  製作総指揮:奥山和由
プロデューサー:上西雄大  エグゼクティブプロデューサー:髙橋広規
撮影:根岸憲一  照明:齋藤正貴  録音:丹雄二  音楽:川人千慧  美術:佐々木記貴  編集:目見田健
アクションコーディネーター:玉寄兼一郎  ヘアメイク:川代麻世  衣装:沖田文子 さとうかよこ
特殊メイク・特殊造型:西村喜廣  ガンエフェクト:浅生マサヒロ  VFXスーパーバイザー:渡辺輝重  
CGアーティスト:小原正士  助監督:中根克 上山瑛史
主題歌 「西成TOWN」 唄:西成の神様(作詞・作曲:せきこ~ぢ 添詞:西成の神様)
挿入歌 「飛びます」唄:山崎ハコ (作詞・作曲:山崎ハコ)
劇中歌 「川向うのラストデイ」 唄:原田喧太 (作詞:松田優作 作曲:荒木一郎)
企画・製作・制作:10ANTS  配給:吉本興業 チームオクヤマ シネメディア
©上西雄大  2021年 / 日本 / カラー / 124分   [PG12]

goro-movie.com     twitter:@nishinarigoro4





『西成ゴローの四億円』(前篇)1/29(土)より大阪先行公開、
2/12(土)より新宿K’sシネマほか全国順次ロードショー

『西成ゴローの四億円 -死闘篇-』(後篇)2/5(土)より大阪先行公開、
2/19(土)より新宿K’sシネマほか全国順次ロードショー









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