50 年前に描かれた《地球の未来予想図》
今⽣存している我々は、本当の地球の姿を知っているのか
50年前にリチャード・フライシャー監督が現代社会の恐るべき惨状を予言していた衝撃作『ソイレント・グリーン 《デジタル・リマスター版》』が2024年5月17日(金)よりシネマート新宿ほか全国にて順次公開される。
この度、約50年前に、チャールトン・ヘストンらキャスト・スタッフが製作会社であるMGM社に遺した<警告>ともとれるメッセージが発掘され、解禁された。さらに、トークショーや入場者プレゼント情報も併せて解禁された。
作品解説
「絶対に”⼝にしてはいけない”凄惨な結末」を⾒届ける勇気はあるか̶
50 年前の暗⽰がいま、本当にその通りになっている?!
現代社会へ警鐘を鳴らし続ける衝撃作
本作を手がけるのは、『ミクロの決死圏』(1966)、『絞殺魔』(1968)などでも知られるリチャード・フライシャー。
SF作家ハリイ・ハリスンが1966年に発表した「人間がいっぱい」を原作に、人類の行く末を描いていく。
1973年に製作されている映画であるにも関わらず、人口爆発・異常気象・食糧難・資源枯渇・生態系崩壊・貧困など、21世紀の世界が抱える問題を真っ直ぐに見つめた予言的映画だ。
【新着情報①】
50 年前のスタッフ、キャストからのメッセージが発掘され解禁︕
「2022年にこのような悲惨なことが起こらないように」
半世紀前の“警告”に、あなたは何を思う?!
人口爆発を起こしたニューヨークを舞台に、環境破壊、資源枯渇、食糧難にあえぐ地球を描く、1973年製作の映画『ソイレント・グリーン』。
今回到着したのは、1973年の公開時に製作会社MGMが発行した宣伝用プレスブックに寄せられた言葉の数々。
主要スタッフ、キャストの言葉から読み取ることができるのは、彼らが単にショッキングなインパクトを放つ娯楽映画を作ろうとしたわけではない、ということ。
共通するのは人類、地球に対する危機感であり、無関心を強く否定して人類に行動を促そうとする意志だ。
『ソイレント・グリーン』が描いたのは2年前、2022年の地球の姿。
すでにその世界より2年、時間が経過した時空間に存在する我々は、50年前の言葉をいまだに<警告>と受け止めることは可能なのだろうか。
先月、日本では人口戦略会議が2050年までに全国自治体の4割が消滅する可能性があると公表、少子高齢化と人口減少が問題とされているが、地球規模でみた場合『ソイレント・グリーン』が製作された1973年の世界人口(約39.2億人)は2024年には倍以上となっている(80.2億人)。
50年前のスタッフ、キャストの言葉とともにいま『ソイレント・グリーン』を観ることは、古き良き時代を思い出すことになるのか、それとも未来を憂い行動に移すきっかけとなるのか、はたまた何も感じることなく無関心を助長することとなるのか。
その答えはスクリーンで確かめてほしい。
50年前のキャスト、スタッフから寄せられた警告のメッセージ
この物語のなかで、そこにある人間の状況についてひどく動揺している者は一人もおらず、誰もが悲しみと無気力感を抱え過ごしている。
私たちが生きているのは集団責任の時代だ。集団責任と集団罪。そんな社会では、個人はより良い世界をもたらすために、また、良いものを維持するために行動を起こす必要もない。私の言いたいことが分かるでしょうか。
-チャールトン・ヘストン(ソーン刑事役)
この映画では、人口過剰と生態系への無関心によって人間が自ら生きる環境を破壊しています。私は、人々がこれらの問題を認識し始め、この物語の舞台となる2022 年にこのような悲惨なことが起こらないように今すぐ個人レベルで対処し始めなければならないと信じています。ストーリーは強烈ですが、それが必要だと私は信じています。人が自然を破壊するとき、人は自分自身を殺すことになるのです。
-リー・テイラー=ヤング(シャール役)
私が演じるのは、自分が知る“良かった時代”を未だに引きずっている老人だ。彼は恐ろしい事態が迫っていることを目の当たりにし、それを防ぐために十分な努力をせず、大きな声もあげなかったことに罪悪感を抱いている。
-エドワード・G・ロビンソン(ソル・ロス役)
SF(サイエンス・フィクション)映画ではなく、SF(サイエンス・ファクト=科学的事実)映画だ。
-ウォルター・セルツァー(プロデューサー)
とめどない人口増加とそれに伴う大気や海の汚染が、人類が直面する最も深刻な問題であると確信している。私がこの映画に携わったのは、人口爆発を抑制するために今すぐ行動を起こすべきであり、「何もしない」という姿勢が最終的に悲惨な結果をもたらすと強く信じているからだ。
-フランク・R・バウワーマン教授(技術コンサルタント)
【新着情報➁】
入場者プレゼント配布が決定!
なんの変哲もない緑の四角形が、あなたの不安を増大させる。
今回、公開を記念し、数量限定で入場者プレゼントの配布が決定!
“ソイレント・グリーン”を真正面から捉えたステッカーは、ただの緑色の四角形であるにもかかわらず、見るもの全てに不安の種を植え付けるデザイン。
裏面にはQRコードとリンクがあり、そこから中原昌也氏(作家・ミュージシャン)と山崎圭司氏(映画ライター)によるスペシャルトークを視聴することができる。
漫画家のやしろあずき、イラストレーターのレイナスからのイラスト
不穏な空気を常に纏っている本作の魅力を独自の視点で描く
黒沢清「最後は問答無用の社会批判に胸打たれる」
池田理代子「観る人を打ちのめす戦慄の事実が待っている」
著名人コメント全文
*50音順/敬称略
未来社会を、シビアで容赦ない視点で描き、今なお、人類への衝撃的な警告となっている映画である。
食糧問題、人口問題、高齢化問題と安楽死の問題、そして、未来にもなお存在する格差問題、すべてを仮借ない筆致で描き、それでいてエンターテインメント性も十分に備えていて目が離せない。
作品中、ベートーヴェンの『田園交響曲』と共に描かれる地球の自然の美しさに胸を締め付けられた後には、観る人を打ちのめす戦慄の事実が待っている。
—池田理代子(漫画家・声楽家)
人間が人間の家畜として飼育される。
このディストピアはぼくらの現実そのものだ。
世界の終わりを殺りにゆこう。フリーダム!
人間になりてえ。
—栗原康(政治学者)
無気力な大衆と、引きこもったインテリと、ロボット化した管理者だけが存在する暗澹たる未来がずるずると描写されていく。展望はまったく開けない。
ところが、野卑なひとりの警官が急に動き出したとたん、事態は猛スピードで進展し、あれよあれよと世の中のカラクリが暴かれて、最後は問答無用の社会批判に胸打たれる。
こういうバランスの映画、他に見たことない。1970年代のフライシャーは本当に過激だった。
—黒沢清(映画監督)
リチャード・フライシャーは、そのキャリアを通じて真の偉大な映画監督の一人であり、
『ソイレント・グリーン』は、シニカルな世界観に裏打ちされた緊張感の卓越した例です。
名作が再びスクリーンに。
—ジム・オルーク(ミュージシャン)
何度もテレビやビデオで観た映画ですが、
フライシャーの映画はデカいスクリーンで絶対観なきゃダメでしょ!
—中原昌也(ミュージシャン・作家)
皆大好きディストピア!人類人口爆発!食料危機!政府の統制!!
いやなんか割と未来予知されてる感じもする令和の今、大画面で、改めて学ぼうディストピア!
そして皆で食べようソイレント・グリーン!!
—やしろあずき(漫画家)
結末以外も見どころだらけ、超辛辣でちょっとおかしな未来予想。
これよりかはマシな未来に生きてる……と思いたい!
—レイナス(ライター・イラストレーター)
終末思想が蔓延る、この時代。
強いアメリカを象徴する主人公があがき、彼の親友が死に向かう。
親友の死では、地球のかつての大自然の映像と共に、
クラシック曲「田園」「ペール・ギュントの朝」が流れ、
はかなくも美しすぎるシーンとして記憶に残る。
アメリカの揺らぎの予兆のようでもあった。
—鷲巣義明(映画文筆家)
【作品情報】
『ソイレント・グリーン 《デジタル・リマスター版》』
チャールトン・ヘストン、リー・テイラー・ヤング、エドワード・G・ロビンソン、ジョセフ・コットン、チャック・コナーズ
監督:リチャード・フライシャー 原作:ハリイ・ハリスン「人間がいっぱい」
製作:ウォルター・セルツァー、ラッセル・サッチャー
音楽:フレッド・マイロー
1973年/アメリカ映画/97分/スコープ/原題:SOYLENT GREEN
©︎2024 WBEI.
キングレコード提供 コピアポア・フィルム配給
HP: soylent-green2024.com X:@SOYLENT_GREEN24
5 ⽉ 17 ⽇(⾦)シネマート新宿ほか 全国順次ロードショー
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