「このホラーがすごい!」第1位!
タイトルが気になりすぎる“あの小説”ついに実写映画化!
書店に並ぶ“なにか気になる”あの表紙を、あなたも一度は目にしたことがあるだろう。普通に見えて普通じゃない、どこか異質で不思議な違和感…それは、発行部数70万部を突破し、いま日本全国で話題沸騰中の小説『近畿地方のある場所について』(著者・背筋/KADOKAWA)だ。
日本全国の書店でベストセラーの棚を独占し、「このホラーがすごい!2024年版」で堂々の第1位を獲得するなど、今もなお読者を魅了し続ける異色作がついに実写映画化!映画『近畿地方のある場所について』が8月8日(金)より全国公開中だ。
「cowai」では映画の公開を記念して、白石晃士監督&原作者・背筋の対談インタビューを敢行。また、白石監督直筆の“白い手”イラスト付き&原作者・背筋直筆“タイトル”付き《禍々しいサイン色紙》を抽選で1名様にプレゼントします。(応募方法は記事の後半で紹介)

これまでのキャリアの中でも異色の役どころに挑戦となる、菅野美穂と赤楚衛二をW主演に迎え、『サユリ』『コワすぎ!』『ノロイ』『貞子vs加耶子』の鬼才・白石晃士が監督を務める。さらに監督の大ファンであり、著作への影響も受けているという原作者・背筋も自ら脚本協力として参加する。

背筋「“あるもの”が立っているシーン。あれが、めちゃくちゃ怖かった。」
白石「極寒の中、こだわった恐怖のクライマックスが…」
映画『近畿地方のある場所について』公開記念!
白石晃士監督、原作者・背筋 対談インタビュー!

――白石監督、作品の手ごたえはいかがですか。
白石晃士監督:試写では客観的に見きれない部分もあったんですけど、かなりいい所までいけたんじゃないかな。今年もホラーの新作がたくさんありますが、多分どれとも似てないクライマックスになっていると思います。お客さんの反応が楽しみですね。
――背筋さんは原作者の立場で、映画をご覧になった感想は?
背筋:怖いだけじゃなくて、めちゃくちゃ面白いなと思いました。監督には全幅の信頼を寄せていましたから、「お見事です」といった感じで、大興奮しながら見てました。
白石:ありがとうございます。
背筋:何より映画として物語性を強くしていただいて。
原作にはない良さが溢れてる作品だなと思いました。

――背筋さんは監督のファンとお聞きしましたが、白石作品のどの辺りに魅力に感じますか。
背筋:好きなところで言うと、やっぱりキャラクターですね。出てくる人がみんな生き生きとして、まあ、いい人ってわけでもないですけど(笑)。
白石:どっちかというとちょっと困った人が多い(笑)。
背筋:幽霊を捕まえたりとか、河童と取っ組み合いをしたり。癖強(くせつよ)な人が結構出てくるし、目が離せない魔力がある。
あと、これは監督にお伝えしたんですけど、幽霊が生々しくて暴力的なんですよね。
白石:幽霊側が殴ったりもしますからね。
背筋:いわゆる一般的なホラーの幽霊とは一線を画しているというか、そもそも幽霊と呼んでいいのか(笑)。怪異をこんな形で描く人はいないと思います。
――どの作品がお好きですか。
背筋:やっぱり『ノロイ』は外せないですね。『近畿地方のある場所について』の話をすると、どうしても『ノロイ』がフィーチャーされがちなんですけど、白石監督の作品は全部好きで、一つにはなかなか決めづらいんです。でもよく見てたのは『ノロイ』と、あとはやっぱり「コワすぎ!」(「戦慄怪奇ファイル コワすぎ!」シリーズ)ですね。
――『近畿地方のある場所について』の原作の話になると、『ノロイ』へのオマージュや影響もあったそうですが。
白石:作り手からすると「あっ」というか、芯を突いている感じの「そこ来てますか!」って感じで、嬉しい原作でした。
背筋:ありがとうございます。この作品において『ノロイ』をすごく意識しながら書いたのは明確にありますね。
今回の映画化も、監督の根底に流れるソウルみたいなものは一緒なのかなって思いながら鑑賞しました。

白石「他の監督だったら、ここまではやらない」

――監督としては原作をどう映画化しようと思いましたか。
白石:最初、映画化するって話になった時は、「やるなら自分だろう」と思いながらも、「難しい原作だな」と。映像に変換する上での、いくつかの方向性は考えられるんですけど、どれがベストなのかっていうのは、ちょっと吟味する必要があるし、アイデアも必要だなと思いました。だからプロデューサーや脚本家さんとはかなり打ち合わせを重ねました。

白石:最終的に、全体が劇映画であって、特に前半は、発見される(過去の)映像として、原作では紙の原稿だったものも映像に変換して、「こんな映像があるんだ」という風にドキュメント的に見せていき、後半はフィクション性が強まる流れになっていきました。

白石:もちろん後半も、オカルト雑誌編集者の小沢(赤楚衛二)がビデオカメラを回して、彼が撮影した映像が差し込まれていくことで、原作にあるドキュメント性のナマっぽさは最後まで失わないようにしています 。「このスタイルでだったら、いけるな」というレベルまで作り込んだつもりです。

――白石監督だったら、原作はこうするだろうと考える、期待通りの部分と、いい意味で予想を裏切っていく部分があると思います。
白石:過去の作品で得たものはもちろん生かしますけど、やっぱり常に新しく、未来への可能性を切り開いていきたいなと思います。企画に対して一番いい形を取りたいんです。それにクリエイターたるもの進化しないといけませんからね。新しいことを恐れずに、今までにないスタイルを採用しました。
――それはやはり恐怖シーンについても、ですか。
白石:そうですね。全体的に恐怖シーンは一番こだわっています。
ーー白石監督お得意のPOVの恐怖シーンには、さらに磨きがかけられているというか、踏み込んだ描写になっています。
白石:POV(の恐怖映像)は、やっぱり自分が今までやってきたことも一番活用できますからね。怪異の描き方にも、リアリティを出すこだわりをしつこくやるのが私の持ち味なので。他の監督だったら、ここまではやらないだろうっていう所まで徹底してやります。だから、いい感じになってるんじゃないかな。期待してほしいですね。
――確かに過去の作品と比べても、細部のこだわりが感じられます。
白石:例えば、テレビのバラエティ番組の録画らしきビデオテープの映像だったら、昔の本物のワイドショーの映像を参考にして、フォントやナレーション、音楽など、えげつないぐらい当時の雰囲気を再現しています。小学生ぐらいと思われる子どもたちが団地で遊びまわるバラエティ番組のワンシーンは「笑ってコラえて!!」の「ダーツの旅」で、実際にロケをしていたディレクターご本人にカメラを回してもらっています。
背筋:えっ、そうなんですか。
白石:(番組の中で、子どもたちに声をかける)“喋り”もめちゃくちゃうまくて、それっぽいのも「本物」だからなんですよ。しかもテロップの監修までもやっていただいて、すごくリアリティのある感じになってますね。
背筋:すごい話ですね。

背筋「“あるもの”が立っているシーン。
あれが、めちゃくちゃ怖かった」

――背筋さんは撮影現場をご覧になったんですか。
背筋:はい、小沢が千紘(菅野美穂)の部屋を訪れるシーンで一度お伺いさせていただきました。

――本編を鑑賞されて、印象に残るシーンがあれば教えて下さい。
背筋:怪異に巻き込まれた大学生のアパートで撮影された、窓を開けると、“あるもの”が立っているシーンがあるじゃないですか。あれが、めちゃくちゃ怖かったです。
白石:ああ、うれしいっすね。
ちなみに窓は開けないんですよ。
背筋:えっ。
白石:脚本だと開けることになってたんですけど、実際の撮影では、窓を開けないまま、怖く見せられないかトライしました。
背筋:私が勝手に脳内補正で、開けていることにしたのかな。
白石:そうですね(笑)。
背筋:“あるもの”が立ってるじゃないですか。それは電柱のそばで合ってます?
白石:合ってます。
背筋:振り向く?
白石:振り向きます。
背筋:振り向くって表現していいんですか、あれは(笑)。うまく言えないんですけど、すごく記憶に残っていますね。

――背筋さんは脚本協力というクレジットも入ってますけど。どのような形で参加されたのですか。
背筋:白石監督や脚本家の方、プロデューサーの方でまとめていただいた脚本を、確認させていただいた感じです。
――具体的にどんな確認をされたのですか。
背筋:原作には結構ややこしい設定がたくさんあるので、それを映画に置き換える上で整合性が取れているのか、みたいなところですね。
あと、これは私のわがままなんですが。アニメとして登場する“昔話”シーンを「そこは僕に書かせてください」ってお願いして。ちょっと昔話ガチ勢として譲れなくて(笑)。
――あの“昔話”のアニメも面白いですね。
背筋:脚本というより、原案に近いですけどね。
白石:でも、ものすごいスピードで、さっと書いていただいて。「もう(完成)ですか!?」って(笑)。
背筋:好きなんです、昔話(笑)。
それと、“昔話のアニメ”の前に登場する、関西電気保安協会のCMも好きでしたね(笑)。近畿地方に縁がある身としては、なかなかグッとくるものがありました。

白石「極寒の中、こだわった恐怖のクライマックス」

――白石監督は、撮影で大変だった所があれば教えて下さい。
白石:やっぱりクライマックスですね。ネタバレになるので言えないんですけど、本当に大変でした。
背筋:冬でしたよね。撮影は。
白石:一番寒い時期ですね。
背筋:大変そうだ…。
白石:外の寒さで言うと、千紘と小沢の二人が車の中で話をするシーンがあるじゃないですか。撮影したのが富士山の近くで、ものすごい極寒の夜中。撮影してる間にガラスがだんだん氷張っていくんですよね。みんな、寒さに震えていました。
背筋:車内暖房はつけないんですか?
白石:車内でカメラを回す時以外は暖房をつけていたんですけど、本番は、録音部のスタッフが音を録っているので、全部止めるんです。しかもスタッフは車の外にいますから。あれは本当に寒かったです。それ以外にも極寒の中で頑張ってこだわったシーンがあります。

――では、最後にメッセージを。
白石:とっても怖くてゾクゾクして、でも、ちょっとワクワクして、とにかく面白い映画になっておりますので、ぜひご覧いただきたいと思います。
背筋:原作を読まれた方も、原作を読んでいない方も、両方楽しめる作品になっております。怖いのと同じぐらい、面白い映画になっていますので、ぜひご覧ください。
――ありがとうございました。
(取材・文 福谷修)

【執筆者プロフィール】
「cowai」編集長。映画ライターとして、KADOKAWAの映画雑誌「DVD&ビデオでーた」(現「DVD&配信でーた」)や「ザ・テレビジョン」などで数々のインタビュー、特集を担当。その後、映画監督となり、多部未華子主演のホラー映画『こわい童謡』や日本香港合作映画『最後の晩餐』、NintendoDSのホラー・ゲーム「トワイライトシンドローム 禁じられた都市伝説」などで監督・脚本を務める。
近年はプロデューサーとして、劇場用アニメ映画『アラーニェの虫籠』(花澤香菜CV)、『アムリタの饗宴』(内田真礼CV)を製作。新作は、総監督を務め、アニメ映画祭の最高峰・アヌシー国際アニメーション映画祭2025にも招待上映された長編アニメ映画『ナイトメア・バグズ 心霊蟲』。
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<作品情報>
■タイトル:『近畿地方のある場所について』
■公開日:8 月 8 日(金)
■原作:背筋「近畿地方のある場所について」(KADOKAWA)
■監督:白石晃士
■脚本:大石哲也 白石晃士
■脚本協力:背筋
■音楽:ゲイリー芦屋 重盛康平
■主題歌:椎名林檎「白日のもと」(EMI Records/UNIVERSAL MUSIC)
■出演:菅野美穂、赤楚衛二
■配給:ワーナー・ブラザース映画
■オフィシャル:公式サイト KINKI-MOVIE.JP/
公式 X @kinki₋movie ハッシュタグ:#近畿地方のある場所について
■コピーライト:©2025「近畿地方のある場所について」製作委員会
今夏8月8日(金)全国ロードショー
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