【レビュー】『ターミネーター』『ジュラシック・パーク』のスタン・ウィンストンが無名時代にモンスター制作に参加した幻の特撮怪獣映画『ガーゴイルズ 生きていた怪獣』が4/30(金)発売!貴重なシーン画像と共に紹介!

Blu-ray&DVD レビュー



『ターミネーター1&2』の特殊メイクや、『ジュラシック・パーク』のアニマトロ二クスの特殊造形で知られる名手スタン・ウィンストンが無名時代に参加した幻の特撮怪獣映画『ガーゴイルズ 生きていた怪獣』が4月30日(金)DVDリリースされる。
メーカー様よりご提供いただいたシーン画像と共に、この作品の特異な魅力を紹介しよう。

















当時のテレビムービーとしては
かなり出来が良いガーゴイルの特殊造形





1972年製作のテレビムービー。
日本では劇場未公開で、テレビ放送もあまりされていなかった(当時はスピルバーグの『激突!』など、アメリカ本国以外は劇場公開されるテレビムービーも珍しくなかった)。

当時はプロ野球中継のBプログラム(雨天中止時放送)で番組表に紹介されることも多く、タイトルだけでもモンスター・ファンなら胸躍るものがあるはずだが、プロ野球中止の時しか見ることができないという意味では“幻の作品”と言っても良いだろう。
(たしか当時のタイトルは『ショック!生きていた怪獣ガーゴイルズ』と、水曜スペシャル・川口浩探検隊スペシャルのテイストで煽りまくっていた)。





さて、ガーゴイルといえば、パリのノートルダム大聖堂の屋根などに作られた怪物や悪魔の彫刻が有名だ。
本作では、それらのモデルとなったとされる鳥獣の悪魔ガーゴイルが実在した生物として描かれ、その謎を追う考古学者やその娘とのファーストコンタクトが描かれている。





序盤に、ガーゴイルのものと思われる謎の骨が登場するが、これが早くも期待を持たせる出来だ。


















当時のアメリカのテレビムービーで、ここまで真正面からモンスター(怪人)を描いている作品は珍しいだろう。

上の写真など、ほとんど「仮面ライダー」の初期の怪人みたいな不気味さだ(ちなみに「仮面ライダー」の放送開始は1971年とほぼ同時期)。

まあ、ドラマ自体は低予算感はぬぐえない、まったりしたローカル色豊かなB級テイストではある。





しかし、いざ鳥人獣ガーゴイルが登場するや、一気に緊張感が増し、物語にも引き込まれていくのは、怪獣映画の伝統といえる。





限られた予算を特殊造形にすべて注いでいる感じが潔い。





このモンスター制作に名を連ねているのが、当時は無名だった大御所スタン・ウィンストン。
『ターミネーター1&2』の特殊メイクや、『ジュラシック・パーク』のアニマトロ二クスの特殊造形、なにより『エイリアン2』のエイリアン・クイーンの特殊造形に先駆けること14年、おそらく予算がほとんどない中で、早くもモンスタースーツで印象深い仕事をしている。
(ちなみに「エイリアン2」の原題「エイリアンズ」のように、この映画のタイトルもガーゴイル単体ではなく、“ガーゴイルズ”というのがミソ)。





この作品が凄いのは、単体のモンスタースーツだけではなく、他の細部の特殊造形にもこだわっている点。
たとえばミニサイズのガーゴイルたちや、巣である洞窟のセット、卵などの造形物など、(くどいようだが)テレビムービーと思えば本当に素晴らしい。





そしてこの作品を印象深くしているのが、クライマックス。
洞窟よりガーゴイルが飛翔するシーンがあるのだ。
翼は飾りじゃないんです。ちゃんと飛ぶシーンがあるのがいい。しかも明るい空に向かって。

洋画のモンスターといえば、(モンスタースーツの安っぽさをごまかすため)夜間や洞窟などの暗がりで登場するなど出し惜しみをする作品が多いが、この作品はウルトラマンや仮面ライダーばりに青空の下、その全身をはっきり拝むことができるのだ。

下の写真はモスマンっぽいというかUMA風だったり、ぶれてわかりにくいが、本編では、実際にモンスターが吊り下げられて“飛んでいる”ので、ぜひその雄姿を確認してほしい。





日本の特撮ヒーロー物ばりのメリハリのある演出は、よほどガーゴイルの特殊造形に自信があるのか、あえてテレビムービーだから大胆にやっているかもしれないが、なかなか異様で新鮮なビジュアルだった。
















監督は同じく伝説の怪獣モケーレ・ムベンベを描いたディズニー映画『恐竜伝説ベイビー』や、ほとんど存在が忘れ去られているけど意外と秀逸な続編『アメリカン・グラフィティ2』のB・W・L・ノートン。

人によっては、TVシリーズ「ザ・ユニット」の監督だったり、サム・ペキンパーの『コンボイ』(日本では『トランスフォーマー』のアニメ版のオプティマスプライムがコンボイ司令官と言っていたのは、この映画の大ヒットが由来)、トム・クルーズの無名時代の主演作『爆笑!?恋のABC体験』、ピーター・フォンダの快作『アウトロー・ブルース』の脚本家でも知られて、とにかく多方面に活躍されている。

この作品が評価されて、『恐竜伝説ベイビー』の監督に抜擢されたのかどうかはさだかではないが、モンスター描写の演出は悪くない。
(だって『ブレア・ウィッチ』の監督が『ゴジラVSコング』の監督に抜擢されちゃうのがハリウッドですから)





50年代から60年代に『グランド・キャニオンの対決』『剣豪ランスロット』に監督兼出演し、大活躍したコーネル・ワイルドの晩年作。
共演は『悪魔のシスター』のジェニファー・ソルト、『羊たちの沈黙』のスコット・グレンと書くと、なんだか豪華そうだ。





アメリカのテレビムービーとしては異色のレア作品だが、当時としてはかなり頑張っているモンスターなどの特殊造形物を見るだけでも一見の価値はあるだろう。
価格(税抜き)も劇場鑑賞一回分の二千円以下とお値打ち。

興味を持ったら、この機会にぜひ。















【STORY】

伝説の悪魔ガーゴイルの存在を信じる考古学者とその娘。
ある日、重大な鍵を握る骨を発見するが、何者かによって盗まれる。
その痕跡を追う途中、娘が悪魔集団に誘拐される。
ついに考古学者とガーゴイルとの対決が……。

















ガーゴイルズ 生きていた怪獣

発売日: 2021年4月30日(金)
定価: 1980円(税別)
型番: IDM-835 バーコード: 4571244178351
DVD方式: 片面一層 再生時間: 74分
映像色: カラー 音声: モノラル・英語 字幕: 日本語字幕 
画面サイズ: スタンダード DVD製作: WHDジャパン 
発売: 有限会社フォワード

原題: GARGOYLES
製作年: 1972年 製作国: アメリカ
監督: B・W・L・ノートン
出演: コーネル・ワイルド/ジェニファー・ソルト/バーニー・ケイシー/グレイソン・ホール/ウッドロー・チャンブリス/スコット・グレン/ティム・バーンズ
音楽: ロバート・プリンス 脚本: スティーヴン・カーフ/エリノア・カーフ
撮影: アール・ラス



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