前作をはるかに凌ぐ ド迫力の血しぶきと殺戮の嵐‼︎
プーと新たに加わった凶悪な仲間たちが、今夏、再び日本を襲撃するー
映画『プー あくまのくまさん』(2023年)は、「こんなプーさん、見たくなかった。」という鈴木敏夫のコメントも話題を集め、昨年6月に日本で公開し大ヒットを記録した。
原作「Winnie-the-Pooh」(1926 年発表)の著作権保護期間が各国で相次いで終了し、パブリックドメイン化したことによってホラー実写化が実現。その話題は世界中を席捲し、2023 年最も期待する映画ランキング(IMDb)では上位にランクイン。制作費わずか 10 万ドルの超低予算にもかかわらず、全世界420万ドルのスマッシュヒットし、日本でも大ヒットを記録した。
そして『プー あくまのくまさん』の続編にあたる『Winnie-the-Pooh: Blood and Honey 2』も制作され、今年の3月に全米で公開、レビューサイトRotten Tomatoesの批評家スコアでは驚愕の100%発進。最低映画を決める「ラジー賞」こと「ゴールデンラズベリー賞」では、2023年の最多受賞となった前作より、さらにパワーアップして帰ってきた。
そして『プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたち』の邦題で満を持して本日8月9日(金)より日本公開される。
この度、本作の公開を記念して、「cowai」では、リース・フレイク=ウォーターフィールド監督への単独インタビューを敢行。ホラーファンなら必読の撮影秘話や、『プー3』などの今後の新作について実に興味深い話を披露してくれた。
『プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたち』予告編
『プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたち』公開記念!
リース・フレイク=ウォーターフィールド監督 単独インタビュー
ーーホラー映画情報サイト「cowai」と言います。
フレイク監督 cawaii?カワイイ?ホラー・サイトなのにキュート!?
ーーすみません、「可愛い」じゃなくて、「怖い」です。
フレイク監督 Oh、びっくりした(笑)。でも日本のホラー・ファンに観てもらえるのが一番うれしいですね。
ーーありがとうございます。『プー2』鑑賞しましたが、とても面白かったです。ホラー好きであればあるほど、ツボにハマるというか、このノリは楽しめるんじゃないかと。特殊メイクやセットとか、様々な要素がパワーアップして、明らかに前作よりもお金がかかっている感じがしました。
フレイク監督 前作が大ヒットしたおかげで、前作の予算2万ポンド(約370万円)から、今回は一気に30万ポンド(約5,500万円)になったんだ。15倍の予算をかけたからね(笑)。その多くを特殊メイクに使いました。やっぱりホラー・ファンが期待するのは「どれだけ人が死ぬか」「どれだけ血が出るか」、そして「クリーチャーのデザイン」だと思うので。
ーークリーチャーのデザインも凄みを増していますが、その数も殺戮の見せ場も大幅に増えています。
フレイク監督 一番お金をかけたのが、それぞれのモンスターのマスク。前作は本当にただのマスクで600ポンド(約12万円)で作ったけど。今回は本格的な特殊メイクを導入して、動きもリアルになって、インパクトも迫力もリアル感も倍増しました。
その次にお金をかけたのが、“血”。血のりです。今回、40人以上が死にますから(笑)。目玉が飛び出たりとか、銃で顔が撃たれてめちゃくちゃになったりとか、いろいろあって、撮影にも時間と手間をかけました。
3番目に(お金をかけたのが)セット。(クライマックスの)パーティー会場も派手にこだわって、そこで遊ぶ若い客たちの衣装もパーティーだからゴージャスにして、その上で、次々と血まみれにぶっ殺されていくんです。
ーー森だけでなく、スラッシャー映画ばりのパーティー会場の殺戮が圧巻でした。
フレイク監督 そう。なによりスラッシャー映画を見慣れたホラー・ファンをうならせるために、あらゆる殺され方を研究して、演出にも工夫の限りを尽くしたつもりです。
ーー素晴らしい。ストーリーよりも、いかに凄い殺し方をするか、その演出を優先したわけですね。
フレイク監督 もちろんドラマも大切なんだけど、見に来てくれた観客の期待に応えるためには、何よりホラー要素にしっかりこだわらないとね。
プーは『ハロウィン』のマイケル、ティガーは『エルム街』のフレディ、
ピグレットはレザーフェイスを意識したんだ。
ーー確かに「プーさん」なのに、「こんなスラッシャー・ホラーを観たかった」という満足感があります(笑)。クリーチャーのデザインや造形も、オリジナルの特徴を生かしながら、前作以上に迫力やホラー感が増しましたね。デザインでこだわった点は?
フレイク監督 前作よりキャラクター性を強めたいというか、「プー1」とは違うデザインにしたかったんですね。だから前作は「今回の映画の中の映画」という設定にして、デザインの変更を可能にしました。
先程も言いましたが、前作は本当にただのマスクだったので、典型的なB級映画っぽい感じだったけど、今回はちゃんと怖く、より本格的でダークなデザインにしたかった。例えば、プーの色も、前作はもうちょっと黄色が明るかったんですけど、今回は黄色をちょっと暗めにしています。
ーーそれぞれのクリーチャーにも特徴がありますが、参考にしたホラー・キャラはいますか。
フレイク監督 わかる人はわかるかもしれないけど、プーは(『ハロウィン』の)マイク・マイヤーズ、ティガーは(『エルム街の悪夢』の)フレディ・クルーガー、オウルはジーパーズ・クリーパーズ、ピグレットは(『悪魔のいけにえ』の)レザーフェイスみたいなキャラクターにしようと思いました。
フレイク監督 例えば、ティガーは爪で殺していくんですけど、本当はウルヴァリンやフレディのように爪がシャキン!と出るようにしたかったのですが、予算的にちょっとうまくいかなかったので、断念しました。でも、爪での殺し方は、フレディを意識して、さらにすごいものができないか、特殊メイクアップアーティストと話し合って撮りました。面白いシーンになりましたね。
フレイク監督 あと、ピグレットはレザーフェイスを意識にしたと言いましたが、ちょっと明るいコミカルなピグレットのキャラから、あえてチェーンソーは持たせないなど、それぞれ細部に独自のアレンジを施しています。
ーー特殊メイクにも細部にまでこだわりがあり、いろいろ発見があるのですね。
フレイク監督 実はよく見ると、キャラクターの顔に傷がついているんです。
フレイク監督 これは本編のドラマ以外にも「彼らが戦っていた」という背景が感じられるようにしました。あの傷が、これから作られる『プー3』につながっていくようになっています。
ーー『プー3』!しかも、その伏線がすでに張られているんですね。
フレイク監督 そう。もっともっとどんどん怖くなっていく(笑)。
ーー特殊メイクを重視して、CGをあまり使っていないように見えますが。
フレイク監督 おっしゃる通り、CGは必要最小限ですね。自分もこれまで、竜巻(『ツイスター 地球史上最大の怪物』)とか、エイリアン(『エイリアン・インシデント エリア51壊滅』)とか、VFXを使った映画を作ってきたんですけど、うーん、それは自分が心から望んでいるものではないと感じていました。
フレイク監督 監督としては、観客が望む一番いい映画を予算内で作ることが使命ですので、個人的には、CGやVFXを使うより、生身の特殊メイクにこだわった方が、観客がよりリアルに感じて絶対に楽しめると思って、この作品『プー2』を頑張りました。
ーーその分、撮影は過酷だったと思います。
フレイク監督 イエス。滅茶苦茶大変でしたね。例えば、ティガーが倉庫で人を殺すシーンなんて、二日間の撮影で10人を殺さなきゃいけなかった(笑)。血が噴き出たり、内臓がはみ出たりとか、そういう特殊メイクを次から次へ作って、ひたすら撮らなきゃいけない。死に物狂いだったけど、それだけのやった価値はあったかな。パーティーのシーンはもっと大変だったけどね。
目指すのはホラー版『アベンジャーズ』!
ーー次回作はやっぱり『プー3』ですか?
フレイク監督 いや、次回作は『ピノキオ』なんだ。
ーーえっ、また著作権切れ児童文学の暗黒映画化ですか(笑)
フレイク監督 そう。『プー3』はその後だね。
フレイク監督 3年間、『プー』(1&2)にずっと携わってきたので、次はちょっと違うキャラクターをやりたいと思っていたから、今はとってもエキサイティングな気持ちなんだ。
ーーそういえば、『プー2』のあるシーンで、ピノキオらしきものが出てきますが、それも伏線?
フレイク監督 そう思ってくれてかまわないよ。
ーーまだまだ“仕掛け”がありそうですね。次回作『ピノキオ』でも、特殊メイクにこだわるんでしょうか。
フレイク監督 やっぱりピノキオのアニマトロニクス、特殊造形が成功のカギを握っているね。2019年版『チャイルドプレイ』のチャッキーを作ったトッド・マスターズという特殊メイクアップアーティストが“ピノキオ”を作ってくれて、命を吹き込んでくれた。アニマトロクスで人形の顔を作ると、例えば、アナベルなんかは顔が動いていなかったと思うんだけど、今回のピノキオでは、人形だけど顔がリアルに動くとか、ちゃんと芝居やアクションができるようにしたい。
ーーこちらも『プー』シリーズと共に楽しみですね。『プー1』から『プー2』でキャラや見せ場が格段に増えましたが、今後もますますパワーアップしていくんでしょうか。
フレイク監督 これから、さらにすごいことになっていくと思います。
本当に無数のアイディアやコンセプトを、一つの映画の中に、これでもかと限界まで詰め込んでいます。
キャラクターも、今度はピノキオとか、バンビとか…。
ーーバンビも!
フレイク監督 プーの“なかま”と合わせて、大体10人のキャラクターが出てきて、町を滅ぼす(笑)。マーベルみたいなことになるんだよね。
ーーすごいですね。
フレイク監督 私も、そういう悪役が一緒になる、ホラー版『アベンジャーズ』のような映画をずっと見たいと思っていたんだ。まあ、やっと見れたのが、『フレディVSジェイソン』だけど、あれは2人だけだし、今の自分なら、もっと凄いものが作れるんじゃないかって。目指すのは、そこかな。
ーー監督自身は影響を受けたホラーや、刺激を受けたホラーはありますか。
フレイク監督 見ての通り、私は血が出る作品がすごく好きなので(笑)、『プー2』を作るに当たって、一番インスパイアされたのはやっぱり『エルム街の悪夢』かな。もちろん今回、キャラで意識した『悪魔のいけにえ』や『ハロウィン』なんかは当然好きです。
フレイク監督 個人的には、シリアスで暗いホラーより、ちょっとサプライズがあって面白い要素が入っているホラーが好きです。最近なら『哭悲/THE SADNESS』とか『テリファー』、いや『テリファー』なら『テリファー2(テリファー 終わらない惨劇)』の方が好きかな。『テリファー3』も近々観られると思うので楽しみにしています。
ーー最後に日本のホラー・ファンに向けてメッセージをお願いします。
フレイク監督 今回は予算も撮影の時間も、殺される人の数も大幅に増えて、クリーチャーデザインもパワーアップして、80年代90年代のスラッシャー・フィルム・ファンにはたまらない、絶対に楽しめる作品になっています。ぜひ劇場に行ってください!
ーーありがとうございました。次回作も楽しみにしています。
プー、ピグレット、オウル、ティガーのキャラクターポスター!
場面写真集
『プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたち』
監督:リース・フレイク=ウォーターフィールド
出演:スコット・チェンバース、サイモン・キャロウ
2023年|アメリカ|英語|シネスコ|5.1ch|93分|原題:Winnie-the-Pooh: Blood and Honey 2|日本語字幕:中沢志乃|提供:ニューセレクト|配給:アルバトロス・フィルム|R15+
© 2024 ITN DISTRIBUTION, INC. ALL RIGHTS RESERVED.
公式サイト: http://akumano-pooh2.com
公式X:https://twitter.com/akumano_pooh
公式Tiktok:https://www.tiktok.com/@albatros_film
8月9日(金)新宿ピカデリーほか全国公開
【関連記事】