『Jホラーの父 鶴田法男監督特集』8/21(水)~24(土)開催!8/24『案山子 KAKASHI』は鶴田法男と伊藤潤ニで豪華トーク!これを記念して鶴田×伊藤の過去の対談を再掲!興味を持ったら劇場へ!

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『案山子KAKASHI』「ほん怖」『戦慄のリンク』
鶴田法男監督の8ミリ自主映画から最新作まで短中長編11作品を一挙上映!



当サイト連載中の「Jホラーのすべて」も好評な鶴田法男監督。
1998年の映画『リング』の国内外ヒットにより、和製ホラーブームが1990年代末から巻き起こり「ジャパニーズホラー」、略して「Jホラー」の呼称が定着。その原点として、鶴田法男監督の『ほんとにあった怖い話』シリーズなどOV作品が注目を浴び、鶴田監督は「Jホラーの父」と呼ばれるようになった。

横浜の個性派ミニシアター、シネマノヴェチェントでは、その鶴田監督の自主映画から最新作までの代表作をピックアップした特集上映を行う(8月21日(水)~8月24日(土)。

学生時代の8ミリ作品3本をオリジナル素材で上映する『8ミリ大会』、自薦の短編作品3本をお楽しみいただく『短篇集』、出世作となったOV『ほんとにあった怖い話』3作品、中国に招かれて撮った最新作『戦慄のリンク』、そしてホラーコミックの巨匠・伊藤潤ニ原作漫画を香港との合作で実写映画化した野心作『案山子 KAKASHI』の短中長編11作品を一挙上映。

最終日『案山子 KAKASHI』は、スペシャルイベントとして上映、鶴田法男監督と、伊藤潤ニ先生をゲストにお迎えし、2大ホラーマスタートークを行う。トークの後には、サイン会、撮影会、懇親会(要別途会費)も開催。
シネマノヴェチェントが夏の最後にお届けする必見の納涼企画といえるだろう。
※スケジュールやイベント概要は記事の後半に紹介。

これを記念して、過去に「cowai」に掲載された、《鶴田法男監督と伊藤潤ニ先生のスペシャル対談トーク》を紹介する。
この記事は、2021年12月18日~28日に神保町シアター(東京)で開催された映画特集「つのだじろう 楳図かずお 伊藤潤二――名作恐怖漫画劇場」を記念して行われたもの。
当時は残念ながら『案山子 KAKASHI』は上映されなかったが、お二人とも『案山子 KAKASHI』に触れないわけにもいかず、興味深い裏話を披露している。
この記事で興味を持った方は、ぜひ明日からのシネマノヴェチェントでの特集上映、さらにもっと濃い裏話を聞きたい方は最終日の鶴田・伊藤先生のスペシャル・ホラー・トークイベントに足を運んでほしい。


「ほん怖」第二夜『霊のうごめく家』©1991朝日ソノラマ、ジャパンホームビデオ










伊藤潤二×鶴田法男スペシャル対談! (再掲)
映画特集「つのだじろう 楳図かずお 伊藤潤二――名作恐怖漫画劇場」にて(2021年12月)


劇場ロビーの上映作品オブジェの前で、伊藤潤二先生と鶴田法男監督




ユニークな上映企画で好評の神保町シアター(東京)で、恐怖漫画の名作を原作とした映画特集「つのだじろう 楳図かずお 伊藤潤二――名作恐怖漫画劇場」が2021年12月18日~28日まで開催された。
これを記念して18日に上映された『富江』『うずまき』の原作者で漫画家の伊藤潤二と、『予言』『おろち』鶴田法男監督がシアターに来場。上映前に「cowai」独占スペシャル対談が行われた。
鶴田監督は最初に書いた通り、『案山子 KAKASHI』で伊藤潤二の原作漫画を映画化して、以来、ネット上の交流はあったものの、直接会うのは約20年ぶりという。
『案山子 KAKASHI』は当時の神保町シアターでの特集では上映されず、今回のシネマノヴェチェントでの特集上映が久々となる。
当時は「上映されない作品(『案山子』)をあまり深堀してもなあ」という鶴田監督の提案もあったため、トークではそこまで濃く触れていないが、お二人とも『案山子 KAKASHI』がお気に入りであることがよく伝わる内容となった。

大事なことなので二度言いますが、この記事で興味を持った方は、ぜひ明日からのシネマノヴェチェントでの特集上映、さらにもっと濃い裏話を聞きたい方は最終日の鶴田・伊藤先生のスペシャル・ホラー・トークイベントに足を運んでほしい。




伊藤潤二×鶴田法男スペシャル対談!



伊藤潤二: (伊藤先生の原作漫画を、鶴田監督が映画化した)『案山子 KAKASHI』から20年ですね。そんなに経っているなんて。

鶴田法男: そうですね。

伊藤: 夏にtwitterでフォローしていただいて。あ、フォローしなきゃって、フォローさせていただきました。『案山子』でお世話になったんで、そのお礼を私の方からDMを(送りました)。

鶴田: DMをいただいて、びっくりしちゃって。なにしろ『案山子』の時は、プロデューサーが間に入って、なんとなく近寄りがたい雰囲気になっていたんで。

伊藤: プロデューサーは誰でしたっけ

鶴田: 尾西(要一郎)さん(※他に映画版『富江』シリーズや、『稀人(まれびと)』などを手掛けた)。

伊藤: ああ、そうだった。

鶴田: 尾西さん、実は五年前に亡くなられちゃったんで。

伊藤: 『案山子』は脚本を読ませていただいて、思いついたアイデアを監督に勝手に(渡して)……。

鶴田: はい、未だにちゃんと取ってあります。

伊藤: すいません、なんか。

鶴田: 今日は『案山子』が上映されないので、持ってきても、あれかなと思って。

伊藤: さしでがましいことを。

鶴田: いえ、本当はやりたかったんですけど。

伊藤: 案山子が歩き出すという画を描いた記憶があるんですけど。

鶴田: はい、なんか『食人族』みたいな感じになっているという(笑)。案山子が動き出して。


上映前、劇場の控室で対談が行われた。当時はコロナ禍なので対談中はマスクを装着。




伊藤: 『食人族』、監督に会いましたよ。イタリア行った時に。

鶴田: そうなんですか!

伊藤: ルッジェロ・デオダード。たまたまコロナの前ですけど(会いました)。

鶴田: 最近ですね。

伊藤: ええ、イタリアのルッカという所でマンガ祭があって(※イタリア最大のマンガ、アニメ、ゲームなどの祭典『ルッカ コミックス&ゲームズ』)。そこで、いろんな国のアーティストとか集まって話し合って、作品を作るみたいな企画があって、そこに『食人族』の監督がいらっしゃるって。

鶴田: もう、いい年ですよね。

伊藤: ご老人でしたね。

鶴田: 80ぐらいですよね。

伊藤: お元気でしたね。すいません、話が脱線しちゃいましたね。







鶴田法男「『ほんとにあった怖い話』の映像化のお願いで朝日ソノラマに行った時、
伊藤潤二っていう新人の作品を知って、おおっ、なんだこれ、すげーっ!ってなって」





――映画『案山子 KAKASHI』の企画の経緯を教えてください。

鶴田: 僕の『リング0 バースデイ』の公開が終わった直後位に、プロデューサーの尾西さんから連絡をいただいて。これ言っちゃっていいのかわからないんですけど、実はその前に『うずまき』って僕に話が来ていたんです。

伊藤: そうですね。

鶴田: それで(尾西さんとは)別のプロデューサーとお会いした時に、『うずまき』を映画化するんだったら、このコマの通りに全部撮らないとダメだ。伊藤潤二作品というのは非常にレベルが高いから、映像化したい場合には、ここに描いてあることをそのまま映像に置き換えないとうまくいかない」って言ったんですよ。そしたら、当時は低予算で考えていたみたいで、プロデューサーが「うーん」って首をかしげて、無理だって話になって、それっきり音信不通になっちゃったんです(笑)。

伊藤: 脚本は拝読していたんですよ。

鶴田: たぶん僕は関わっていないはずですよ。

伊藤: 脚本には、「監督 鶴田法男」って書いてあって。「これはいいな」と思って。読んだら、けっこうよかったんです。港町を舞台にして、魚の生臭い感じとか、雰囲気が伝わってきて。 (鶴田監督は)ダメになったんですけど(楽しみにしていました)

――『うずまき』のオファーを受けたのは、いつ頃ですか?

鶴田: 『リング0』のオファーを受ける前ですね。
そんな形で僕は『うずまき』を撮ることができなくなって、正直「ああ、あんなこと言わなきゃよかった」って思って、ちょっとがっかりしていたんですけど。そこに、『リング0』のお話をいただいて、『リング0』を撮り始めたら、東映で『うずまき』『富江2(※『富江replay』)』が二本立てでやるっていう情報が入ってきて。僕が最初に『うずまき』の話が入ってきた時は単館公開みたいな雰囲気だったんですよ。それが、えー、東映の全国公開でやるのって。当然それなりの予算になっているじゃないですか。いやあ、失敗したなあって思って。それでショック受けていたんですけど。ただ、東映も『リング0』にぶつける形でやってきたから、逆にそれはそれでやんなくてよかったかなあって思ったりもしましたね。

――伊藤先生は鶴田監督のお名前はご存知だったんですね

伊藤: ええ、もう。存じ上げておりました。

鶴田: ありがとうございます。

伊藤: (具体的な作品は)昔すぎて覚えていないんですけど、映画は撮られていました?

鶴田: いや、僕はホラー物は(オリジナル)ビデオでしかやっていないんですよ。『ほんとにあった怖い話』と、つのだ先生の『亡霊学級』、それと『悪霊怪談(『呪われた美女たち 悪霊怪談』)』という、ギリギリ・ガールズという当時のアイドルグループを主演にした、それぐらいしか撮っていないんですよ

オリジナルビデオ(OV)版『ほんとにあった怖い話』(第一巻)VHSジャケット1991年7月5日発売。現在は廃盤。




伊藤: たぶん『ほんとにあった怖い話』だと思います。

鶴田: そうですね。『ほんとにあった怖い話』も(原作は、「富江」などと同じ)朝日ソノラマじゃないですか。朝日ソノラマに『ほんとにあった怖い話』をオリジナルビデオとして映像化させてください」とお願いをしに行ったのが、1989年?だったかな。当時、朝日ソノラマが「月刊ハロウィン」というホラーコミックを出して、もともとその別冊だったんですよ。
当然、「月刊ハロウィン」も読んでいて、そこで「楳図かずお賞」というのが始まる、みたいなことが書いてあって、伊藤潤二っていう新人の作品が載っていて、それが「富江」ですよね?

伊藤: そうです。

鶴田: それを読んだ時に、「おおっ、なんだこれ」ってなって。すげーって思って。

伊藤: へたくそな(笑)

鶴田: いえいえ(笑)。これはすごいなって。その後、あっという間にどんどんどんどん載っていって。
で、当時、朝日ソノラマに原田(利康)さんという部長さんがいらっしゃって。

――ご存知ですか?

伊藤: はい、担当だったんで

鶴田: 原田さんって漫画業界では有名な方なんです(※故人)。その原田さんに『富江』の伊藤潤二さん、すごいと思います」って話をしたら、「そうでしょ」って。「だけども、俺の言うことを一つも聞いてくんないんだ」って。

伊藤: いえいえ、私、かなり聞いていたんですよ。ネームを書くんですけど、当時、名古屋に住んでいたもんですから、電話で打ち合わせするんですけど、いくつか直したほうがいい、というアドバイスをいただいて、まあ八割がた直していましたね(笑)





鶴田: そうなんですか(笑)。僕の聞いた話では、全く聞いてくれないと(笑)

伊藤: いやいやいやいや、それはないですよ(笑)

鶴田: それを聞いて、僕は「伊藤潤二すげえ面倒くさそうな人だなあ」って(笑)。

伊藤: いやいや原田さんから聞いた話では、高橋葉介先生が言うことを聞かないと(笑)。

鶴田: とにかく僕はそんな感じで、朝日ソノラマさんで『ほんとにあった怖い話』の映像化をやっていて、その時に伊藤先生がデビューなさって、お話しを聞いていると、だいたい僕と同年代の方で、だけどすごいびっくりするような漫画を発表されるから、これはすごいなと思って。正直、「富江」を読んだ時に、「富江」を映画化したいと思ったんです。

伊藤: ああ。

鶴田: ただ僕は当時何しろビデオの『ほんとにあった怖い話』とか、そういうものしか作っていないから、いや、僕ごときじゃあ、申し訳ないなあと思って。やっぱりちゃんとした映画として作って全国公開するっていうレベルに持っていかないといけないと。僕には無理だなあと思って。

伊藤: ええっ…。

鶴田: 諦めていたんですよ。そしたら、「富江」映画化しますって話になって、ええっ、そうだったら変に物おじしないで言えばよかった。

――今回上映されます。

鶴田: ええ、菅野美穂さんの主演で。

――伊藤先生の作品では、映画化は「富江」が初めてなんですか。

伊藤: そうですね。

――当時はホラー漫画ブームだったと思います。そのけん引役だった。

伊藤: いえ、犬木加奈子先生がすごい人気だったので。あと、「ほん怖」も当時人気が出てきて、独立したんですね。

鶴田: そうですね。もともと「ハロウィン」の別冊だったのが、「ハロウィン」自体が…。

伊藤: 「ほん怖」の方が残りましたね(※現在は「HONKOWA」)。
でも、実話ってやっぱり人気があるんでしょうね。

鶴田: あとは、作家さんが、今なら鯛夢さんとか、筒井りなさんとか。

伊藤: 迫力ありますよね。

鶴田: そうですね。ほんとうに独特の画をお作りになっているので。そこの魅力もありますしね。

伊藤: 鯛夢さんの、毎回ブワーッと迫ってくる顔とか、怖い(笑)。

鶴田: 鯛夢さんも、「ほん怖」でまだ(ペンネームが)“時任竹是”の時に覚えて。この人はすごいなと思って。










鶴田法男「僕的には『案山子』で「伊藤先生の最高傑作を作ろう」と思ったんです」
伊藤潤二「実は、映画化された中で一番よく見たDVDです」






鶴田: 『案山子』の話に戻りますが。それで尾西プロデューサーから改めて連絡が入って、「伊藤潤二先生の作品を映画化したいんだけど、興味ありませんか」って言われて、何しろ『うずまき』で失敗したって気持ちがあったんで、条件も何も聞かず、「とにかくやります」と。尾西さん、その時は三話のオムニバスで、「なめくじ少女」とか、「淵さん」とか(の映画化を)考えていたようです。

伊藤: あっ、そうだったんですか。

鶴田: ええ、最初は「案山子」「なめくじ少女」「淵さん」の30分30分のオムニバスとかにしたいって話で(“淵さん”は短編「ファッションモデル」に初登場したキャラで、双一の回などにたびたび登場している)。確かに一つ一つのお話はそんなに長くないから、そういう形で作った方が原作をリスペクトした形になるんだろうなと思ったんですけど…。ただ、僕も「ほん怖」とか、ずっどビデオで作ってきた作品が、つのだ先生の「亡霊学級」以外は全部15分とか20分とかの短編集なので…、せっかく映画でできるのに、それがオムニバスになっちゃうのは嫌だなあって。だから、いくつかの話を合わせて、90分の話を作れないかって相談して、いいんじゃないですか、って話になった。最初は「案山子」で90分の話を作ろうとしたんですけど、どうしてもうまくいかなくて、結果的に「案山子」「墓標の町」「トンネル奇譚」の三つを合わせたんです。
……ただ、伊藤先生の作品は難しいですね。

伊藤: いえいえ、でも、雰囲気のある魅力的な映画を撮っていただいたなって思って。私、ホラー映画で一番大事なのが雰囲気だと思うんです。全体を流れるムードみたいな。それが非常に魅力的でした。実は、映画化された中で一番よく見たDVDです。

鶴田: ありがとうございます。

伊藤: やっぱり雰囲気に浸りたいっていう気持ちがあって。一番再生しましたね。

――目の前で原作者から褒められるのって監督冥利に尽きますね。

鶴田: そうですね。僕がなんとか生き残ってこれたのは、とにかく原作物をやるからには、その作者の(映像化の)最高傑作を作りたいという気持ちがあるからかもしれません。(今回上映される)『予言』をやった時もそう。その前に、つのだ先生の「亡霊学級」をオリジナルビデオで作って、脚本を書いている時に「亡霊学級」の原作が劇中に登場するっていう、奇妙な作りにしちゃって、脚本を読んだつのだ先生が「こんなの駄目だ」って言っていたんだけど、結局、強引に押し通しちゃったんですよね。でも、完成した物をつものだ先生がご覧になって「面白いじゃないか」って(笑)。

既報の通り、先週8/17(土)には新文芸坐にて、「亡霊学級」の舞台挨拶付きデジタルリマスター版が上映され、満員御礼の大盛況だった。



鶴田: そうしたら数年後にJホラーブームがボーンと来て、僕は「恐怖新聞」映画化したいって言ったら一瀬プロデューサーが乗ってくれて作れた。
この時はタイトルも『予言』に変わって……まあ、タイトルは僕がやったことではなく、一瀬プロデューサーとTBSが決めたことなんですけど、先生も作品をすごく喜んでくれた。
あと『おろち』も、正直、僕は、楳図先生の作品が映画化されたもので全く納得できるものが一本もなかったんです。まあ、『蛇娘と白髪魔』(1968)は傑作だと思うんですけど、それ以外に関しては全然納得していなかった。だから、なんとかして「楳図かずおの最高傑作を作りたい」と思って取り組んだのが『おろち』だったんです。
それと同じように『案山子』をやる時も、僕的には「伊藤先生の最高傑作を作ろう」と思ったんです。





伊藤: 『案山子』で……トンネルをくぐって村に入っていった時、変なお婆さんが出て来るんですけど、気持ち悪くて、得体の知れない気味悪さを演出されているのも素晴らしかった。

鶴田: ありがとうございます。本当はやりたいことがいっぱいあったんですけど、いろいろあって、あまりできなかったですね。

――なかなか伊藤先生の画をすべて実写で再現するのは大変ですよね。

伊藤: 漫画は描くだけなんで。

――いやいや(笑)。

鶴田: でも、そういう意味では『うずまき』は、正直よく頑張ったなって。

伊藤: たしかに、画を再現していただいたなと思います。

――原作の気持ち悪さはよく出ていますよね

伊藤: ええ。

鶴田: すごいシュールな感じが良く映像になっていて。しかも高橋惠子さんクラスの(女優の)目を渦巻いちゃったり(笑)。

伊藤: (笑)

鶴田: 今見ると凄いんですよ。亡くなられた大杉連さんも出ているし。

――伊藤先生の原作漫画である『うずまき』『富江replay』が二本立てで全国公開していたのって、今思うと凄いですね。
映画の『富江』シリーズって何作も作られていますが、伊藤先生ははどの作品が印象に残っていますか。

伊藤: やっぱり菅野さんの(最初の『富江 tomie』)。

――ああ。

伊藤: 最初、菅野さんは富江役じゃなかったんですよ。(ヒロインの)月子役になっていたんですけど。

鶴田: あ、そうなんですか。

伊藤: ええ。菅野さん、NHKのドラマとかに出ていて、「富江っぽいなあ」って思っていたんです。だから、「菅野さんを富江にしてくれ」って私の方から頼んで。そしたらOKになった、といういきさつがありました。

――私の勉強不足かもしれませんが、初耳です。では当初は月子が菅野美穂さん、富江が中村麻美さんだったんですね。

伊藤: ええ。(二人とも)最初からキャスティングには入っていたんで、ちょっと逆にしてくれって。

――貴重なお話をありがとうございました。








【イベント概要】
『Jホラーの父 鶴田法男監督特集』
横浜の映画館シネマノヴェチェント、8月21日(水)~24日(土)


「ほん怖」第二夜『霊のうごめく家』©朝日新聞出版、ジャパンホームビデオ



【劇場】シネマノヴェチェント  
https://cinema1900.wixsite.com/home
【期間】8月21日(水)~8月24日(土)





最終日8/24(土)『案山子 KAKASHI』はスペシャルイベント
鶴田法男監督×伊藤潤ニ先生による2大ホラーマスタートークを開催




⚫『案山子KAKASHI』(2001年/日本=香港/DVD/カラー/86分)



⚫『戦慄のリンク』(2020年/中国/BD/カラー/96分)



⚫『ほんとにあった怖い話』(1991年/DVD/カラー/43分)

ほん怖「赤いイヤリングの怪」© 朝日新聞出版、ジャパンホームビデオ



『ほんとにあった怖い話 第二夜』(1992年/DVD/カラー/50分)

「ほん怖」第二夜「夏の体育館」© 朝日新聞出版、ジャパンホームビデオ



⚫『新・ほんとにあった怖い話 幽幻界』(1992年/DVD/カラー/45分)

新ほん怖『踊り場の友だち』©朝日新聞出版、ジャパンホームビデオ



⚫『短編集【販促上映】』(詳細は劇場サイトにて)

⚫『8ミリ大会』
(フィルム上映。但し、フィルム状態が悪い場合、急遽DVD上映に変更の可能性有り)


■『ライオンVS.ジャガー』(1977年/8ミリ/カラー/4分)



■『REDRUM』(1982年/8ミリ/カラー/18分)



■『トネリコ』(1985年/8ミリ/カラー/26分)




「Jホラーの父 鶴田法男監督特集」詳細
https://cinema1900.wixsite.com/home/tsuruta


【料金】

各プログラム当日券1600円 
ただし、8/22 & 23上映の『短篇集』は、販促上映となりますので、同日内の他プログラムを1つでも有料鑑賞された方に限り、無料でご鑑賞いただけます。『短篇集』のみのご鑑賞は出来ませんので、悪しからずご了承下さい。

8/24のみ特別料金 「8ミリ大会」前売2000円 当日2300円 『案山子 KAKASHI』前売6000円 当日6500円 懇親会費4000円(フード&指定ドリンク3杯付)​







コメント

鶴田法男監督



「OV『ほんとにあった怖い話』での監督デビューのキッカケになった自主製作ホラー『トネリコ』他の8ミリフィルム上映や、配給会社の解散で長年スクリーン鑑賞が不可能になっていた伊藤潤二原作映画『案山子 KAKASHI』も上映。しかも、世田谷文学館「伊藤潤二展 誘惑」開催中に伊藤先生をお招きしての贅沢なトークイベントも実施。私の特集上映は1996年にOV『亡霊学級』発売時に都内ミニシアターで開催されて以来28年ぶりで、シネマノヴェチェントさんの尽力に心より感謝するばかりです。是非、ご来場ください。」 


映画監督・小説家 鶴田法男









作品紹介(監督の解説付き)


『戦慄のリンク』©2020伊梨大盛传奇影业有限公司




『案山子~KAKASHI~』

2001年/86分/日本・香港合作/アメリカンビスタサイズ/2chステレオ/配給:マイピック 【スタッフ】 監督:鶴田法男/原作:伊藤潤ニ(朝日ソノラマ刊「伊藤潤ニ・恐怖マンガCollection」より)/製作:楊受成、相原英雄、北村喜久雄、川島晴男/プロデューサー:尾西要一郎/脚本:村上修、玉城悟、鶴田法男、三宅隆太/撮影:菊池亘/特殊メイク:ピエール須田/音楽:尾形真一郎 【キャスト】 野波麻帆/柴咲コウ/グレース・イップ/松岡俊介/りりィ/河原崎建三

【あらすじ】 連絡の途絶えた兄・剛(松岡俊介)の部屋に置かれた、謎の言葉を残した一通の手紙。発見したのは剛の妹、かおる(野波麻帆)。差出人はかおるのかつての親友、泉(柴咲コウ)。兄が泉のもとに居ることを確信したかおるは、手紙が投函された“不来彼方村(こずかたむら)”へと一人車を走らせる。だが剛の姿も泉の姿もそこにはなく、かおるが眼にしたのは、無数に、そして不気味に林立する案山子の姿だった。やがてかおるは村に隠された秘密に遭遇する。





『戦慄のリンク』(原題:網路凶鈴 The Perilous Internet Ring)

2020年/中国/96分/アメリカンビスタ/北京語/提供:三鷹オスカー、フィールドワークス/配給・宣伝:フリーマン・オフィス 【スタッフ】 監督:鶴田法男/脚本:ヤン・ヤン、鶴田法男/原作:マ・ボヨン「她死在QQ上」/撮影:神田創/編集:須永弘志/美術:リー・チア/音響効果:大河原将/照明:丸山和志/音楽:小畑貴裕/製作総指揮:シェン・ユビン ポン・ヤンファン ワン・シン チェン・チュンイン/製作:チェン・インイン ワン・シャオシャン チェン・チアン ルオ・ユアン 【キャスト】 スン・イハン/フー・モンボー/ニー・ムーシー/ハン・チウチ/ワン・ツーイー/ジョウ・ハオトン/シャオ・ハン

【あらすじ】 大学生のシャオノア(スン・イハン)は自殺と断定された従姉タン・ジン(ニー・ムーシー)の死に疑問を抱き、自ら真相を解明することに。犯罪心理学に詳しい従姉の同級生マー(フー・モンボー)に協力してもらい調査を進めていく。やがて、従姉のパソコンに残されていたチャットのやり取りと、「残星楼」というネット小説のリンクを発見。それを読んだシャオノアに、悪夢のような出来事が襲いかかる。

映画『戦慄のリンク』 | Amazonプライムほか絶賛デジタル配信中! (senritsu-link.com)




『ほんとにあった怖い話』

1991年/43分/スタンダードサイズ/ステレオ/原作:「ほんとにあった怖い話」(朝日ソノラマ 刊)/製作:JHV

▶『ひとりぼっちの少女』 出演:浅沼順子、久野博美 ▶『幽体飛行』 出演:森口舞 ▶『赤いイヤリングの怪』 出演:後藤宙美、石川しのぶ

監督:鶴田法男/ナレーター:玄田哲章/脚本:小中千昭、鶴田法男/撮影:龍乃佳也、木村浩彦、中村知好、須賀隆/プロデューサー:伊藤直克、小椋悟

【解説】 80年代、レンタルビデオが隆盛を極めていた頃、既存映画のビデオソフト化の仕事をしていた鶴田が、東映Vシネマのヒットなどに刺激を受けて、同名コミックのオリジナルビデオ(ビデオ専用映画)化を企画。現場経験ゼロだったが、大学4年から撮り始めた8㎜フィルムホラー映画『トネリコ』を認めてくれた出版社とプロデューサーのおかげで完成させることができた。








「ほん怖」第二夜『霊のうごめく家』©1991朝日ソノラマ、ジャパンホームビデオ




『ほんとにあった怖い話 第二夜』

1992年/50分/スタンダード/ステレオ/原作:「ほんとにあった怖い話」(朝日ソノラマ 刊)/製作:JHV

▶『夏の体育館』 出演:春原由紀、寺田恵美 ▶『霊のうごめく家』 出演:小笠原亜里沙、伴直弥(伴大介)▶『真夜中の病棟』 出演:相沢朱音

監督:鶴田法男/ナレーター:玄田哲章/脚本:小中千昭/撮影:守屋保久/プロデューサー:伊藤直克、植村康忠

【解説】 1作目が予想以上のヒットになったので、直ぐに作られた2作目。ただし、1作目が思うように出来なかったと遺恨が残った鶴田は、撮影前に全ての絵コンテを描くなど周到に準備をして撮影に挑んだ。結果として、『夏の体育館』の赤い服の女は、後の黒沢清ホラーの定番の幽霊アイコンになり、『霊のうごめく家』は様々なJホラー作家に多大な影響を与えるエポックメイクな作品となった。


『新 ほんとにあった怖い話 幽幻界』

1992年/45分/スタンダード/ステレオ/原作:「ほんとにあった怖い話」(朝日ソノラマ 刊)/製作:JHV

▶『婆 去れ!!』 出演:山中ひとみ ▶『踊り場の友だち』 出演:小堺忍、白石玲子 ▶『かなしばり』 出演:相沢朱音 ▶『廃屋の黒髪』 出演:山田寿子、江口秀太郎、水上竜士

監督:鶴田法男/ナレーター:相見陽子/脚本:小中千昭/撮影:守屋保久/プロデューサー:伊藤直克、植村康忠

【解説】 前作『第二夜』は今でこそJホラーの最重要作と呼ばれているが、発表された当初は「ホラーとは思えない」という批判も多数あり、数字も1作目には及ばなかった。そこで、鶴田がアメリカン・ホラー的演出で完成させたのがこの3作目。現在、ハリウッドで活躍する北村龍平監督は学生時代に本作を観て、「声を上げるほど震えあがったのは本作だけだ」と語っている。


『短編集【販促上映】』(詳細は劇場サイトにて)

https://cinema1900.wixsite.com/home/tsuruta










『8ミリ大会』

『ライオンVS.ジャガー』

1977年/約4分/8ミリフィルム/モノラル

【スタッフ】 監督・撮影・照明・編集:鶴田法男/アニメーター:川口義仁、中山春樹 【キャスト】 ライオン/くたくたジャガー/小ブタ(全ぬいぐるみ)

【解説】 高校二年だった鶴田法男が生まれて初めて作った物語のある映画。人形アニメ+トレーシングペーパー・アニメ。




『REDRUM』

1982年/約18分/8ミリフィルム/モノラル

【スタッフ】 監督・脚本・撮影・照明・編集・特殊メイク:鶴田法男 【キャスト】 脇坂美津子/内藤啓二ほか

【解説】 『サイコ』と『殺しのドレス』に感化されて、鶴田法男が初めて作ったサスペンス・ホラー映画。




『トネリコ』

1985年/26分/8ミリフィルム/モノラル

【スタッフ】 監督・脚本・撮影・照明・編集・特殊メイク:鶴田法男 【キャスト】 中村和代、大塚敬行、内藤啓二ほか

【解説】 ブラム・ストーカーの小説『吸血鬼ドラキュラ』に大変な感銘を受けた鶴田法男が、大学4年の夏休み中に撮影、完成させるつもりで取り組んだ作品。結果としては、鶴田のこだわりのために撮影が終わったのは翌年春になり、完成したのは社会人になった夏だった。「ぴあフィルムフェスティバル」などの様々な自主映画祭で一次審査は通過するものの、最終的な上映には至らなかった。しかし、コミック「ほんとにあった怖い話」の実写化企画を立てた際に、出版社とプロデューサーが本作を評価してくれたことで鶴田は監督デビューを飾った。



【料金】
各プログラム当日券1600円 
 ただし、8/22 & 23上映の『短篇集』は、販促上映となりますので、同日内の他プログラムを1つでも有料鑑賞された方に限り、無料でご鑑賞いただけます。『短篇集』のみのご鑑賞は出来ませんので、悪しからずご了承下さい。
8/24のみ特別料金 「8ミリ大会」前売2000円 当日2300円 『案山子 KAKASHI』前売6000円 当日6500円 懇親会費4000円(フード&指定ドリンク3杯付)​





『Jホラーの父 鶴田法男監督特集』
シネマノヴェチェント、8月21日(水)~24日(土)







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