“最恐傑作”と呼ばれたホラー漫画がついに実写映画化！
ホラー漫画の異才：押切蓮介 × ホラー映画の鬼才：白石晃士
原作・押切蓮介のホラー漫画『サユリ 完全版』が、『貞子vs伽椰子』『不能犯』『コワすぎ！』などで知られる白石晃士監督によって同名タイトル『サユリ』として映画化、8月23日(金)より公開中だ（配給：ショウゲート）
本作の大ヒットを記念して、「cowai」では、原作・押切蓮介×監督・白石晃士の対談インタビューを2回にわたって掲載する(今回は後編。前編はこちらから。)。さらに二人のイラスト・サイン色紙をセットで抽選で一名様にプレゼントする。
(締め切りは9/16(月・祝)。応募方法は記事の後半にて掲載)
映画『サユリ』大ヒット記念！
原作・押切蓮介×監督・白石晃士 対談インタビュー(後編)！
白石「なかなか内容に合う物件がなくて、
最後の最後の最後にやっとたどり着いた家なんです」
押切「売り物件だったから、じゃあ、買おうかな(笑)って」
前編はこちらから。
ーー今回の映画化にあたって、押切さんから、白石監督ら制作陣にリクエストされたことはありましたか。
押切 基本的に自由に(映画化)して欲しいっていう気持ちもあったんだけど……実は撮影前にシナリオに赤入れたりとか、自分の理想を絵コンテで描いて出したりとか、今思えばすごい愚行を働いてしまったんですよね。
白石 えっ、そうでしたっけ？(笑)
押切 自分が漫画家の立場で同じことをやられたら、絶対嫌だろうと思うんです。
だけど「サユリ」には思いが強すぎて…。最初にも言いましたが、「自分が一番見たいJホラー」という思いを込めて描いた漫画が本当に映画化されることになったので、どうしても心が躍るじゃないですか(笑)。口を挟みたくなるんですよね。いろいろ何か意見を言った記憶が……。
白石 あんまり覚えていないなあ。撮影の準備でドタバタしていたから。
(同席する田坂プロデューサー) 打ち合わせの場で(お二人は)かなり意見交換されていましたよ。押切さんからの意見にも「これいいですね」というアイディアがかなりあった。
例えば、俊(主人公・則雄を慕う次男)が死ぬのは、最初は家ではなく離れた場所だった。
白石 そうでしたね。一番初期の頃は…
押切 河原で死んでる、みたいな。
田坂P それを「家の中で目に見える形にした方が」と押切さんに言われて。
押切 そうです。風呂場でいいんじゃないかって。その方が撮影もスムーズにいくんじゃないかって、そういうところに変に気を回しちゃうんですよ。
最終的に、あの物件を見てから、吹き抜けの二階から落とすことになりましたよね。
白石 そうです。
押切 あれはあれですごく良かったです。
ーー俊が転落死するという展開は、ロケ場所の家が決まってからなんですか。
白石 とにかく制作部に(家の物件を)探し回ってもらったんですけど、なかなか内容に合致する物件が見つからず、最後の最後の最後にやっとたどり着いた家なんです。
あの家の構造だと、今までの脚本をちょっと変えないといけなかったんですけど、吹き抜けはむしろ映画に利用できるなって。脚本の内容を縮小して無理に家に合わせるんじゃなくて、家の個性に合わせて、それが新しい表現につなげられたらいいっすよね、みたいなことを考えました。そうした新しいアイディアに繋がるような家だったので、(最終的に)決めました。
ーー作者としては、ロケ地の家はどう思われましたか？
押切 売り物件だったらしいんですけど、900万円？じゃあ、買おうかな(笑)って。中に入った時、ぐっときて、心動かされましたけど、やっぱり住むのは怖いかなあ。別に事故物件じゃないんですけどね(笑)。
押切「！ 怖いっすよ。全く同じことしている(笑)」
白石「本当ですか！(笑)」
ーーここまでのインタビューでも、お二人のホラーに対する見識にもどこか通じ合う、シンパシーがお互い感じられた気がします。改めて、それぞれの思い入れのあるホラー作品や影響を受けた作品があれば教えていただけますか。
押切 僕はなんだろう……『バタリアン』かな。
白石 『バタリアン』は映画館でご覧に？
押切 いや、テレビなんですけど、多分あれは『バタリアン』の“1”ではなく“2”だったかな。テレビで観る前に、渋谷の映画館に貼られていたポスターを見かけて……幼稚園の時に。
白石 幼稚園時代！
押切 たまたま歩いている時に見かけたんですよ。“タールマン”とか“オバンバ”とか(ゾンビの)でっかいポスターがドン！ドン！ドン！って飾られていて。
白石 少なくとも、そのポスターは“1”じゃないですか。
押切 そうかもしれない。それを見た時、何かすごく怖かったんですよ。
白石 おおっ。オバンバにタールマン……ネーミングは日本の映画会社が勝手につけた(笑)。
押切 最高ですよね。ネーミングやデザイン、翻訳のセンスも良かったし、すごく影響を受けました。
白石 『バタリアン』は私も好きでしたよ。中学に入った時、ノートに鉛筆で漫画を書いていたんです。漫画といっても自分は映画の感覚で、1ページの真ん中に線を引いて2コマになる形式で。それに『バタリアン』や『悪魔の毒々モンスター』を絡めて描きました。学校が舞台で、教頭先生がすごく暴力的な男なんだけど、その男が有毒廃棄物の中に落ちてゾンビ化して人々を殺していくって話なんです。タイトルには『バタリアン』をオマージュして、カプセルの中で「うわぁぁぁ！」ってなる顔に、音楽に合わせて手書き風のタイトルが現れるという、完全にマネしていますね。それほど影響を受けていました。
押切 すでに絵コンテみたいな感じでやっていたんですね。
白石 ええ。
押切 幼少の時に影響を受けたりすると、すぐ落書きとかしますよね。何か描いたことあります？映画とかで。
白石 映画で言うと、自分は一番最初にハマった映画が『ジョーズ』なんです。小学校4年生ぐらいだったと思うんですけど、うちにビデオデッキが入ったので、テレビでやった『ジョーズ』を録画して休みのたびに見たりしていたんです。そのうち、『ジョーズ』(のクライマックス)で人がサメに喰われる場面を一時停止して、テレビ画面の上に白い紙を置いて鉛筆でトレースして、喰われる場面を書いていたっていう。
押切 ！ 怖いっすよ。全く同じことしている(笑)。
白石 本当ですか！(笑)
押切 俺、未だにその落書き帖を持ってます。普通に見せられますよ。どんだけ『ジョーズ』で人が喰われるシーンが好きなのか。とにかく船がこう(身振り)斜めに傾いて…
白石 そうそこ(笑)
押切 そこから人が「うわー！」って滑り台みたいに滑り落ちて、サメが口を開けて待っているシーン。もう落書き帖が埋め尽くされるぐらい描いて(笑)。
白石 おおおっ！
押切 そこでもうどんどんヒネた子供になってたんでしょうね(笑)。落書き帖を見た親は結構心配してましたね。
白石 うちは何とも思ってなかった(笑)。
押切 あはは、そうなんですか。
白石 私もまさに船長がこう喰われるところをトレースしていたっていう。
押切 子供ながらに、船長が喰われるシーンは相当トラウマっていうか。
白石 そう。あんだけマッチョな強い男が喰われ、抵抗しながら、しかも喰われながら血を吐いて、最終的には気を失って海に引きずり込まれる。
押切 そうそうそう。あのシーンが一番衝撃的だったんですね。やっぱり紙でトラウマ・シーンを絵に残そうとするんですよね。幼稚園児って。
白石 いいですね。
押切 「あの時のあれは何だったんだろう」って理解が及ばない。あるいは理解をしようとしているのかさえわからないけれども、絵に記そうとするんですよ。
白石 はい。
押切 やっぱり同じことをしていてびっくりしました。
白石 まあ、私は絵ではなく、テレビ画面のトレースですが。
押切 トレースするのもすごいですね。僕は想像で描いていたから。
白石 押切さんは絵を描いている。僕はトレース。その辺の違いがやっぱり出てきますね。
押切 そうですね。映像を撮る人と、漫画で想像力で示す人、みたいな。
ーー監督と原作者、お二人の相性というか、絶妙なコンビネーションゆえに、映画『サユリ』が類まれな傑作になったのだと、改めて実感できます。
では、最後にホラー・ファンに向けてメッセージを。
押切 ホラー・ファンの期待に応えている作品だと思います。ぜひ心配しないで観てください。絶対満足して劇場を出られると思うんです。怖い所も、バカな所も、ぶっ飛んでいる所もしっかり表現されている。そういう意味ではもう漫画以上にすごい、素晴らしい作品になっています。
白石 最初にも言いましたが、Jホラーの方向性を変える作品ができたと思っております。
邦画のホラーとして「実はこういうのが見たかったんだ」という人が結構いるんじゃないかなと思いますので、「ついに具現化しましたよ！！」と声を大にして言いたい。ぜひぜひ劇場に足を運んで大音量で楽しんでいただけたらと思います。
ーーありがとうございました。
【読者プレゼント】
映画『サユリ』大ヒット記念！
原作・押切蓮介×監督・白石晃士による
イラスト・サイン色紙をセットで抽選で1名様にプレゼント！
<応募方法>
応募締め切りは2024年9月16日(月・祝)
応募方法は、WEB映画マガジン「cowai」twitter公式アカウント(@cowai_movie)をフォローし、該当するプレゼント記事ポスト( https://x.com/cowai_movie/status/1829540341600670007 )をリポスト(RT)してください。
<抽選結果>
締め切り後に抽選を行い、当選された方に「cowai」公式TwitterアカウントよりDMで通知させていただきます。当選品は郵送する予定です。(諸般の事情や、災害、キャンセル発生等やむを得ぬ事情で遅れる場合があります)
皆様のご応募お待ちしています！
【応募の注意点】
〇当選後に住所の送付が可能な方のみご応募ください(日本国内のみ有効)。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
〇当選品は映画配給会社よりご提供いただいたプロモーション目的の非売品扱いとなります。このため、傷や汚れ等があっても交換はできませんので、ご了承ください。
※非売品につき転売目的のご応募は禁止とさせていただきます。
〇当選のキャンセルが発生した場合は再度抽選を行う場合があります。
〇抽選結果や抽選経過に関して個別のお問い合わせには応じられませんので、あらかじめご了承ください。
超豪華！映画『サユリ』公開記念
押切蓮介先生描き下ろしメモリアルポストカード配布決定！
いよいよ8月23日(金)より全国公開された映画『サユリ』。公開から2週に渡って入場者プレゼントの配布が決定した！原作者の押切蓮介にとって、「ミスミソウ」に続いての実写映画化となった「サユリ」。自身の作品の中でも「一番好き」と語るほど思い入れのある作品であり、当初から映画化にも期待を寄せていた。
そんな押切が「ホラー映画で泣くとは思わなかった」と語るほどの完成度を実現した本作！観客の皆様にもぜひ楽しんでほしいという思いを込めて、映画公開のためだけに描き下ろしたメモリアルポストカードを入場者に2週連続でプレゼント配布することが決定した。
公開1週目から配布する第１弾(写真上)では、映画ならではのアイテムがイラストに登場！レジェンド俳優・根岸季衣が演じている、タバコを片手にファンキーな姿のばあちゃんが印象的な仕上がり。さらに、神木家を襲うサユリの手には“赤いバール”が描かれている。このイラストが意味しているものは何なのか、ぜひ本編鑑賞後にお確かめいただきたい。「暑い夏をゾクッとさせると見せかけて灼熱となれ！」という押切先生からの熱いメッセージも付いている！
そして公開2週目から配布する第２弾では、横を向く少女の霊サユリの中に主人公・則雄やばあちゃんを始め、同級生の住田や神木家の人々が集結している。無数に広がる不気味な手形が神木家と住田が味わう想像を絶する恐怖を表しているかのように、不穏な空気を感じさせる出来栄えとなっている。「命を濃くして悪霊も暑い夏も倒しちまおう‼」と押切先生からの夏を乗り切るメッセージも！
＜入場者プレゼント情報詳細＞
■名称：
映画『サユリ』公開記念！押切蓮介描き下ろしメモリアルポストカード第1弾
映画『サユリ』公開記念！押切蓮介描き下ろしメモリアルポストカード第2弾
■配布スケジュール
第１弾：8月23日(金)～※終了
第２弾：8月30日(金)～
※どちらも数に限りがございますので無くなり次第終了とさせていただきます。
INTRODUCTION
原作・押切蓮介(「ミスミソウ」)×
監督・⽩⽯晃⼠(『貞子 vs 伽椰子』『コワすぎ！』)による注目ホラー
累計20万部を突破し、異能・押切蓮介のホラー表現到達点と呼ばれるホラー漫画「サユリ」は、とある家族が夢のマイホームへと引っ越した途端、次々と不可解な現象に襲われるというストーリー。原作者の押切にとって、自身の作品の中でも「一番好き」と語るほど思い入れのある作品だ。また、これまでに映像化された押切作品は、ゲーム×ラブコメとして大ヒットを記録した「ハイスコアガール」（現在、月刊ビッグガンガンにて続編「ハイスコアガールDASH」が連載中）のアニメ化や、トラウマ級のサスペンスとして話題を呼んだ「ミスミソウ」の実写映画化などがある。
今回の「サユリ」は、押切が“こんな邦画ホラーがあればいいのに、、、”と考えながら自ら描き上げたホラー漫画ということもあり、満を持しての実写映画化となる。
そして監督は、大ヒットホラー『貞子vs伽椰子』や、松坂桃李主演のサスペンススリラー『不能犯』、モキュメンタリ―の人気作『コワすぎ！』『オカルトの森へようこそ』などの鬼才、白石晃士。
これまでに、幽霊、呪い、オカルト、モキュメンタリーなど様々なジャンルのホラー作品を数多く手掛けてきた、まさに“ホラーを知り尽くした映画監督”である。
最新作『サユリ』で、白石監督は“恐怖”をどのように描くのか−。この夏、《期待度MAX》のホラークリエイタータッグによる新たな“最恐傑作”が誕生する。
押切蓮介先生コメント
生まれて初めての海外です。自分の原作の映画がきっかけで韓国に渡れる事が嬉しいです。旅行がてら韓国を楽しみたいです！
ホラー映画の人間と悪霊の対立は長きに続き、人間側が惨敗しております。
この事実に私は怒りを覚えております。何故生きている人間が弱く、この世のものではあらざるものが強いのだと。そんな事はないと私は原作を描きました。それを見事に表しているのがこの映画サユリです。 韓国や海外の映画ファンの皆さんにもぜひ楽しんでいただければ！
押切蓮介
原作『サユリ 完全版』（幻冬舎コミックス刊）
STORY
ある日、夢の一戸建てマイホームに引っ越してきた神木家。
家族7人の幸せな時間も束の間。
一人ずつ死んでいく家族、どこかから聞こえる奇怪な笑い声。
この家には“何か”がいる－
■タイトル：サユリ
■公開表記：2024年8月23日(金)、全国公開
■コピーライト：©2024「サユリ」製作委員会／押切蓮介／幻冬舎コミックス
■配給：ショウゲート
■監督：白石晃士
■原作：押切蓮介「サユリ 完全版」（幻冬舎コミックス刊）
■脚本：安里麻里、白石晃士
■出演：南出凌嘉、根岸季衣、近藤華、梶原 善、占部房子、きたろう、森田 想、猪股怜生ほか
■製作プロダクション：東北新社
2024年／日本／カラー／アメリカンビスタ／5.1ch／108分／R15+
©2024「サユリ」製作委員会／押切蓮介／幻冬舎コミックス
■公式サイト：sayuri-movie.jp
■公式X：@sayurimovie2024 ■公式TikTok：＠sayurimovie2024 #映画サユリ
2024 年 8 月 23 日(金)、全国公開
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