アニメ版『クー!キン・ザ・ザ』ゲオルギー・ダネリヤ監督の命日4月4日(日)に追悼先行上映決定!超カルト作『不思議惑星キン・ザ・ザ』だけじゃない!ロシア屈指のヒットメーカーだった監督の意外な経歴とは!?

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熱狂的なファンを生んだ『不思議惑星キン・ザ・ザ』をゲオルギー・ダネリヤ監督自らアニメ化した『クー!キン・ザ・ザ』が5/14(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク吉祥寺ほかにて全国順次公開される。 (あわせて『不思議惑星キン・ザ・ザ』のリバイバル上映も決定している)





4 月 4 日の命日にゲオルギー・ダネリヤ監督追悼
『クー!・キン・ザ・ザ』最速先行上映決定!


惜しくも 2019 年4月4日に 88 歳で亡くなったダネリヤ監督。
命日である2021年4月4日(日)に『クー!キン・ザ・ザ』の、ヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク吉祥寺での追悼先行上映が決定した。

先行上映の詳細はこちら↓
http://pan-dora.co.jp/kookindzadza/#unit_theaters









『不思議惑星キン・ザ・ザ』だけじゃない!
ソ連人口の半分 5800 万人もの動員記録を持つ謎の映画『AFONYA』とは!?
ロシアのヒットメーカーだったゲオルギー・ダネリヤ監督の驚くべき経歴



日本では、『不思議惑星キン・ザ・ザ』の監督で映画ファンの間では知られるゲオルギー・ダネリヤ。しかし本国ロシアではただのカルト映画監督ではなかった!
ソ連人口の半分 5800 万人動員という恐るべき記録を持ち、ロシア映画史上に残るヒット作を生み出したヒットメイカーだったのだ。
日本ではほとんど知られていないその驚くべき経歴を紹介しよう。




50年代末からソ連の最高指導者だった、ニキータ・フルシチョフが始めた文化的な「雪解け」の時期に映画における「ソビエト・ニュー・ウェーブ」でゲオルギー・ダネリヤ監督はその象徴となった。
イーゴル・タランキンと共同監督した長編デビュー作『Seryozha』(1960年)はカルロヴィ・ヴァリ映画祭ののクリスタル・グローブ賞を受賞し、成功をおさめた。

ゲンナジー・シュパリコフが脚本を執筆し、1960年代前半の自由な空気のなか、青春を謳歌するモスクワの若者たちの一日を瑞々しいタッチで描いた『私はモスクワを歩く』(1963年)は、ソ連政府によるプロパガンダのない自由な環境で制作されていたが、その後は検閲により、プロットと脚本の変更を要求される事態となる。(『私はモスクワを歩く』は当時18歳だったニキータ・ミハルコフが出演、撮影はタルコフスキー作品を多数手がけるワジム・ユーソフ)

レオニード・ブレジネフによってニキータ・フルシチョフが最高指導者を解任され、ソ連の「雪解け」の時代は終わった。
コメディ作品『33』(1965年)は、KGBのウラジーミル・セミチャストニー長官によって反ソビエトのレッテルを貼られ、ダネリヤ監督はしばらく不遇の時代を過ごすことになる。

その後、少しずつ映画のキャリアを復活させたダネリヤ監督の最も知られる作品、『不思議惑星キン・ザ・ザ』は1986年初公開時、ソ連全土で1,570万人もの観客を動員した。
1986年のソ連の人口は1億4,352万人。人口の約11%が作品を観たこととなり、現代日本に置き換えれば13,812,700人が観た計算で、客単価を1,400円とした場合にその興行収入は193億円に達し、歴代興行収入ランキング第9位にランクインしてしまう。ほとんど「クー」という言葉しか出てこない映画が……!

だがさらに唖然なのがゲオルギー・ダネリヤ監督の1975年作品『AFONYA』
当時のソ連人口1億3,363万人のところ、6,220万人の観客を動員。人口の46.5%が観たというのだ。
同様に現代日本に置き換えた場合、観客動員58,390,050人、興行収入817億円となり、歴代興行収入ランキングはぶっちぎりの1位、未来永劫破られないであろう記録となる。

だが残念なことにこの『AFONYA』は日本では劇場未公開、一切輸入された形跡はなく、誰も観たことのない作品であり、その内容もまったく不明だ。


ゲオルギー・ダネリヤ
Georgiy Daneliya 1930年~2019年

ジョージアのトビリシ出身。建築を専攻した後に、1959年よりモスフィルムにて映画演出の道に入る。デビュー作の“SERYOZHA”(イーゴリ・タランキンとの共同監督/1960年/日本未公開)が、世界最古の歴史を誇るチェコのカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭でグランプリを受賞。“AFONYA”(1975年/日本未公開)では、当時のソビエト連邦全土で6,220万人動員という快挙を成し遂げた。1986年に公開された『不思議惑星キン・ザ・ザ』は、カルト映画の傑作として世界中にファンを獲得し、完成から30年以上を経ても、世界各地で見られ続けている。2019年4月4日、肺炎のため88歳の生涯を閉じ、『不思議惑星キン・ザ・ザ』のアニメ版映画『クー!キン・ザ・ザ』が遺作となった。









作品解説




『不思議惑星キン・ザ・ザ』のゲオルギー・ダネリヤ監督が
27 年の時を経て渾身のアニメ映画化


1989 年、2001 年、2016 年と三度劇場公開され、「クー!」という意味不明な言葉でカルト SF 映画の傑作として世界中で多くのファンを生んだ、実写版『不思議惑星キン・ザ・ザ』をゲオルギー・ダネリヤ監督自ら、アニメ化したのが本作だ。社会主義体制の真っ只中で制作された実写版を、レトロ感溢れながら SF タッチの未来を感じさせるアニメで再構築した。“キン・ザ・ザ”界を象徴する釣鐘型宇宙船の浮遊感は、ゲオルギー監督が実写版では再現できなかったアニメならではの珍妙なリアルさを描き出している。
実写版は当時のソ連の政治体制を皮肉めいた視点で描いたと評されたが、『クー!キン・ザ・ザ』は、大きな変革の波にあった現代のロシアを戯画化して風刺する。ゲオルギー・ダネリヤ監督は本作の完成後、2019 年 4 月 4 日に 88 歳で逝去し、遺作となった。

●HP: https://pan-dora.co.jp/kookindzadza/













ストーリー

合言葉はクー! モスクワの街角から銀河の最果てにワープ?


著名なチェリストのチジョフと DJ 志望の青年トリクは、雪に覆われたモスクワの大通りで裸足の宇宙人と遭遇する。そして思いがけずキン・ザ・ザ星雲の惑星プリュクにワープしてしまう。そこは見渡す限りの砂漠に覆われ、身に着けるズボンの色によって階級が分かれた場所だった。ほとんど「クー!」(名詞・形容詞・副詞・感嘆詞など)しか言葉が存在しない異星人たちを相手に地球に帰ろうと 2 人は奮闘を始めるのだった。














【監督】ゲオルギー・ダネリヤ(『不思議惑星キン・ザ・ザ』)
【音楽】ギア・カンチェリ
【共同監督】タチアナ・イリーナ
【声の出演】 ニコライ・グベンコ、イワン・ツェフミストレンコ、アンドレイ・レオノフ
ロシア/2013 年/ロシア語/92 分 英題:Ku! Kin-dza-dza
【提供】パンドラ、キングレコード【配給】パンドラ (C)表記は必要ございません



5/14(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク吉祥寺ほか全国順次ロードショー! 4/4(日)最速先行公開!実写版「不思議惑星キン・ザ・ザ」もリバイバル公開決定!




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