【試写レビュー】のけぞる驚愕の面白さ!アルジェント、フルチ、ジャッロ…1970年代、80年代のごった煮オマージュを踏み台に、ホラー新時代を告げる超絶作『マリグナント 凶暴な悪夢』11/12(金)公開!

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ジェームズ・ワン、待望のホラー最新作『マリグナント 狂暴な悪夢』 11 月 12 日公開!
ヤツは【一番近く】にいる!“凶暴な悪夢”の“正体=ガブリエル”とは!?



『死霊館』ユニバースの生みの親で、『ソウ』や『インシディアス』シリーズなど数々の傑作ホラーを手掛けるなど、誰もが子供の頃に体験する潜在的かつ日常的な“恐怖”を増幅させながら、ホラーの定石をことごとく覆すことで全世界を震え上がらせてきたホラー界の異才〃ジェームズ・ワン監督。

予想できない驚きと、未知の恐怖が記憶に残り続ける数々の傑作ホラーを生み出してきた。ホラー映画で培った抜群のカメラワークと圧倒的なスピードと迫力で『ワイルド・スピード SKY MISSION』ではシリーズ史上最高興行収入を記録。『アクアマン』では世界中で大ヒットを記録と今や映画界の大ヒットメーカーになった彼が自ら書き下ろした完全オリジナルストーリーで手掛ける、待望のホラー最新作『マリグナント 狂暴な悪夢』が 11 月 12 日(金)に公開される。

今回は本作の【試写レビュー】を紹介する。


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『マリグナント 狂暴な悪夢』2021年11月12日(金)公開、映画前売券(一般券)(ムビチケEメール送付タイプ)










【試写レビュー】
のけぞる驚愕の面白さ!アルジェント、フルチ、ジャッロ…
1970年代、80年代のごった煮オマージュを踏み台に、
限界を突破したジェームズ・ワンがホラー新時代を告げる超絶作



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コロナ禍の影響での公開延期の事情もあったとはいえ、近年まれにみるホラー映画公開ラッシュとなった2021年。
それぞれに個性もあり、アイデアもバラエティに富んでいて、見ごたえがある作品が揃っていた。

しかし、今年も残り二か月を切って、さすがに『ハロウィンKILLS』を超える衝撃はもうないだろうなと思っていたら、あったよ!
『マリグナント 狂暴な悪夢』
お見それしました、ジェームズ・ワン、すごいよ。
ホラー映画ファンはお金がいくらあっても足りないだろうが、この作品も絶対に劇場で見るべき作品だ。

フランチャイズのシリーズ最新作『スパイラル:ソウ オールリセット』(製作総指揮)、前二作から監督をバトンタッチした『死霊館 悪魔のせいなら、無罪』(製作)で、すでに2021年も抜群の存在感を見せつけていたヒットメーカー、ジェームズ・ワン。そんな彼が満を持して、完全オリジナル作品として監督し、公開されるのが本作だ。



イタリアン・ジャッロへのオマージュだけではない
限界を突破し、新たな衝撃に満ちあふれた超絶ホラー


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奇妙な悪夢と幻覚に悩まされるヒロインの周辺で起こる奇怪な猟奇事件。暗躍する殺人鬼ガブリエルと彼女の関係とは!?

まあ、何を書いてもネタバレになるかもしれないから、できるだけ情報をシャットアウトして鑑賞すべきだけど、あえて鑑賞前に知っても損はない情報だけ書いておく。

上のあらすじだけ読んだけでも、目の肥えたホラーファンの皆さんならピンとくるだろう。そう、本作の第一の魅力は「イタリアン・ジャッロ」へのオマージュである。

説明の必要はないだろうが、ジャッロ(ジャーロ)といえば、1960年代から1980年代に流行した、猟奇的な殺人やエログロを見せ場とした、ホラーテイストの強いイタリア製のミステリー、サスペンスを指す(細かい定義はいろいろ)。
とにかく《驚かせたもの勝ち》というスタンスで、マリオ・ヴァーバの『モデル連続殺人!』とか、ダリオ・アルジェントの『サスペリアPART2』などが代表的な傑作として挙げられる。
中には、真犯人のサプライズにこだわりすぎたり、オカルト要素が入ったりして、ミステリーとしては疑問符や破綻している作品も少なくないが、その壊れぶりも含めてジャッロの魅力だったりする。

さて、本作がそんなジャッロへのオマージュなのは、ポスターからも明白。


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このヒロインの目に刺さりそうなナイフの影。本編でも見られる短剣を持つ殺人鬼ガブリエルの「手袋」のデザインは、プロダクションノートによると、監督が『サスペリアPART2』の犯人を意識したものだそうだ。




そう、アルジェント監督自身が殺しのシーンの犯人役(スタンドイン)を演じて(「なぜなら私が一番殺しが巧いからだ」という監督の名言と共に)、手袋はめてナイフをかざしているショットからの引用なのだ。
他にも、本作での短剣を持つトレンチコート姿のカットがアメリカで先行公開されたのも、パッと見て、ホラー・ファンには本作が「ジャッロへのオマージュ」だとわかるように匂わせたのだという。

ただ、本作において、『サスペリアPART2』はあくまでジャッロの象徴的な作品と言う位置づけで、ストーリー自体には直接の関連性は薄い。

むしろ、ジャッロ物らしい“真犯人は誰か?”“殺人鬼ガブリエルの正体は!?”という仕掛けをストーリーの柱としながらも、本作の内容にはルチオ・フルチ作品をはじめ、デビッド・クローネンバーグ作品、サム・ライミ作品など、1970年代、80年代のゲテモノ・ホラー映画のエッセンスがこれでもかと注がれている。
うん、80年代のビデオバブルに粗製乱造された、おびただしい数の、VHSのホラー・ビデオ・タイトル、洋泉社の「別冊映画秘宝 80年代悪趣味ビデオ学入門」などで紹介されている、傑作『ビデオドローム』『死霊のはらわた』を頂点とする、クズビデオ、ゴミ映画への狂気じみたオマージュでもあるのだ。


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目の肥えた読者の皆さんなら、映画を見ればどれがどの作品のオマージュか大体わかるだろうし、それだけでも劇場に行く価値はあるというもの。
本作はジャンルフリーといわれるのは、そのためで、とにかく多彩なホラー映画の魅力がごった煮状態で詰め込まれている。

もちろん、『ハロウィン』『キャンディマン』『クライモリ』『マニアック』など、ハリウッドでも往年のホラー・タイトルを最新技術でリメイクすること自体はもはや珍しくなくなったが、ジェームズ・ワンが凄いのは、単なるリメイクではなく、それらのエッセンスを栄養にして、さらに凄い、全く新しい時代の先端を行く衝撃的かつ斬新なホラーに再生している点だ。


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『ソウ』『死霊館』シリーズでは、フランチャイズ方式で、監督を第三者に委ねて、観客の期待に応える安定したクオリティを維持し、ヒットメーカーとしてのキャリアを広げながら、自らはその先を見据えて、「とにかく振り切った凄い作品作り」にこだわっている。
わかりやすく言えば「自分が最も厳しい観客となって、今、自分が一番見たい最高のホラー映画」を目指した結果なのだろう。

たとえるなら、1950年代のB級ゲテモノ映画の題材で、70年代に『ジョーズ』『未知との遭遇』という、超一級のエンタテインメント大作を撮ってしまった初期のスティーブン・スピルバーグ作品と同様、ジェームズ・ワンは70年代、80年代のいかがわしいゲテモノ・ホラー作品群から、見たこともない超絶エンタテインメント・ホラーを生み出すことに成功しているのだ。


メイキング写真 ジェームズ・ワン監督と主演のアナベル・ウォーリス © 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved





技術的にも、CGIなどのデジタルから、大掛かりなクレーン、ドリーといった古典的なアナログ撮影まで、過去のホラー作品のテクニックを総動員している上に、『ワイルドスピード SKY MISSION』『アクアマン』などの非ホラー作品でも培ったダイナミックなアクション撮影技術、演出もフル活用し、さらにはスパイダーカム(コンサートやスポーツイベントで使用される、水平・垂直方向に移動可能なロボットカメラ)なども駆使して、細部まで徹底的にこだわりぬいた、見たこともないスリリングで異様なホラー映像が満載だ。

特に後半の畳みかける展開は、ハリウッド・ホラー数本分の密度の濃さ。
『ソウ』『インシディアス』『死霊館』といった、自ら積み上げたホラー映画のクオリティの限界を自ら突破してしまったような圧巻の出来。

撮影の手間や予算を考えれば、ここまでの凄まじい物量と濃密なクオリティのホラーを実現できるのは、ハリウッド広しといえどもジェームズ・ワンただ一人だろう。ホラー・ファン的に言えば、まさに空前絶後の偉業と言えるはずだ。

惜しむらくは、すべてがネタバレになってしまうゆえに、公開前の宣伝では、作品の破天荒な面白さがもう一つ伝わりにくい点だ。
こんなページを読まれているコアなホラー・ファンの皆さんには必ず満足してもらえる出来なので、とにかく劇場に足を運んでほしい。
何度も書くが、限界を突破した、全く新しいホラー映画の醍醐味を体感できるはずだ。











【STORY】

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ある日を境に、目の前で恐ろしい殺人を目撃するという「悪夢体験」に苛まれはじめるマディソン。
予測不能な素早い動きと超人的能力で、人々を殺していく漆黒の殺人鬼。
彼女が夢の中で見た殺人の数々は、現実世界でも起きてしまう――。 
殺人が起きる度、マディソンはリアルな幻覚かのように殺人現場を疑似体験し、
少しずつ自身の秘められた過去に導かれていく。
そして、ついにその邪悪な手がマディソンの元へ届くとき、
その“狂暴な悪夢”の正体=G が明らかに…!?



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【作品概要】


■タイトル:『マリグナント 狂暴な悪夢』
■公式 HP:malignant.jp
■出演:アナベル・ウォーリス(『アナベル 死霊人形の誕生』『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』)
■製作/監督/原案:ジェームズ・ワン (『ソウ』シリーズ、『死霊館』シリーズ、『ワイルド・スピード SKYMISSION』監督、『アクアマン』監督)
■原題:MALIGNANT ■レイティング:R18+ ■配給:ワーナー・ブラザース映画
■© 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved





2021年 11 月 12 日(金) 日本公開








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