「なんか切なくて涙が出てきたんだよね」壮絶・特殊メイクシーン秘話。映画『mentor』公開記念・吉田恵輔監督単独インタビュー②サイン色紙プレゼントも受付中

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交わらないはずの 3 人の再会が狂気を暴走させる
磯村勇斗 × 末澤誠也(A ぇ!group) × 綾野剛 × 吉田恵輔監督


唯一無二の感性でオリジナル作品を生み出し続け、『ミッシング』(24)、『空白』(21)など、観る者の心に鋭く切り込む異才、吉田恵輔監督の最新作『mentor』(読:メンター)が10月16日(金)より公開中だ。(※吉田恵輔監督の「吉」は「つちよし」が正式表記)
この映画の公開を記念して「cowai」では、吉田監督への単独インタビューを敢行。前回に続いて、二回目はキャストや特殊メイク撮影の裏側を紹介する。さらに監督のサイン色紙を抽選で一名様にプレゼントする企画も引き続き受付中。(応募方法は記事の後半に掲載)



キャストは、『ヤクザと家族 The Family』『PLAN 75』など幅広いジャンルで存在感を放ち、2023年『月』で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞するなど鮮烈な演技を重ねる実力派俳優・磯村勇斗と、2024年にCDデビューを果たした4人組アイドルグループ「Aぇ! group」のメンバーで、歌・バラエティ・舞台と多方面で活躍しながら、今回が個人では映画初主演となる末澤誠也が W主演。また、本作のタイトルにもなっている、物語の鍵を握る重要な“メンター”役には綾野剛。火傷の特殊メイクに3時間をかけて臨み、圧巻の怪演を見せる。

©2026「mentor」製作委員会


©2026「mentor」製作委員会


本作は、無邪気な花火遊びをきっかけに人生が変わり、過去に囚われたまま大人になった2人の青年と、その火災で大切なものを奪われ、彼らの運命を静かに、しかし確実に狂わせていく“メンター”との歪な再会を描く、新感覚のヒューマンスリラー。不穏さと可笑しさ、違和感と共感。そのすべてが入り混じり、観る者の感情をかき乱す“感情カオス”の映画体験。今年の賞レースを大きく賑わせるであろう吉田恵輔監督の最高傑作が誕生した。

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「彼は初めて会うタイプ。正直“めんどくせえな!”と…」
キャストとの撮影秘話
『mentor』公開記念・吉田恵輔監督単独インタビュー②



ーー末澤さんも非常に難しい役だったと思います。アイドルでそこまで芝居経験があるわけじゃない。しかもシーンもバラバラに撮っていて、撮影も一発勝負が多いという。それでも今回、共演の磯村勇斗さん、綾野剛さんに負けない、とても印象に残るお芝居をされています。これは監督の演出力だと思います。監督は、今までの作品でも、グラビアアイドルやお笑い芸人とか、芝居経験が少ない人からもいい芝居引き出していると思いますが、何かコツはあるんですか?

吉田監督: 絶対に外せないコツは、めちゃくちゃ芝居が上手い人を横に置くことですね。

ーーなるほど。

吉田監督: 未経験同士が集まると、ちょっと破綻しちゃうかもしれないけど、上手い人で囲うと空気を作ってくれる。そこに乗っかるだけでも、未経験な人が上手く見えてくるから、なるべく上手い人を周りに置くようにします。今回の二人(磯村勇斗、綾野剛)は、もう死ぬほど芝居が上手い人間の代表だから。その上で末澤さん一人だけに集中して面倒を見ておけば、二人は放っておいても、別に俺が居ようか居まいが絶対面白い芝居をしてくれる。

©2026「mentor」製作委員会



ーー末澤さんには演技指導をされたんですか?

吉田監督: 俺から「こういうこと、やってみて」みたいなことは言ったけど、彼は勘がいいから、そんなに教えることはなかったかな。撮影前にワークショップをさせてもらった時は、本人もまだちょっと「どうしよう」って難しそうにしていたけど、本番になったらギアを上げてくるし、あまり不安はなかったですね。

ーー磯村さんと末澤さんが演じた龍之介と拓海も魅力的なキャラクターでしたが、人物的にはやっぱり綾野さん演じる埜本の存在感が圧倒的でした。毎回3時間をかけたという火傷の特殊メイクを施した見た目のインパクトもそうですけど、被害者としての哀しみや怒り、ユーモアと紙一重のサイコパス的な一面とか、本当に一筋縄ではいかないキャラを、綾野さんがとても魅力的に演じていました。監督ご自身は綾野さんの印象はどうだったんですか。

©2026「mentor」製作委員会



吉田監督: 俺の周りにはあんまりいないタイプでしたし、初めて会うタイプでした。ストイックがすぎて、こだわり抜いた結果、変な人に見えるというか。あと、粘る人(笑)。俺の現場って、撮るのが早いんですよ。だから時間に余裕があるから、俺が「OK」って言っているのに、「監督、もうちょっと面白くなったりしますかね」みたいに、彼は大喜利みたいなことを振ってくるの(笑)。俺も負けたくないから「じゃあ、ちょっとこれやってみよう」「面白そうじゃないですか」みたいな応酬がよくあって。正直「めんどくせえな!」と思うこともあるけど、でも結局そういうやりとりやっていると、だんだんと面白くなっていくこともある。本人が一番疲れるはずなのに、体力があるからこそなんだろうな。

ーー綾野さんのこだわりは他の現場でも耳にしますが、それを全身で受け止める監督の度量の深さも見事と思います。

吉田監督: 役者も監督も、お互いが品定めするじゃない。綾野さんも俺のことをすごく楽しみにしてくれてるのがわかるし、俺も綾野さんが埜本をどういう風にやるのか、双方ともに「見せてもらおうか」みたいな感じじゃないですか。やっぱりお互いが「おっ」て言わせたいなっていう。それは勝負みたいな感じがして面白かった。まあ、変な緊張感はずっとありましたけどね。

ーー脚本は、綾野さんの当て書き?

吉田監督: 当て書きではないんですけど、一番最初に綾野さんが頭に浮かんじゃう感じはありましたね。

ーーあの埜本の、最後の最後まで敵か味方かわからない、複雑怪奇なキャラクターはどのようにして作られていったんですか。

吉田監督: じつは、埜本には俺の性格もけっこう乗っけてるんです。

ーーなるほど。監督の性格も。

吉田監督: 俺自身、我慢しちゃうんですよ。我慢して、「そうなんだ」って思い込んで、言い聞かせちゃうところがある。たぶん埜本は、自分の辛いことをいわゆるメンターになることで蓋(ふた)をして、なんとなく「いい人になることが生きがい」ってごまかしているけど、一度その蓋が取れちゃうと、内面のドロドロしたものとか、たまっていた怒りが一気に噴き出る。そういう人物を表現するには、綾野さんって、芝居の引き出しや、持っている顔がいっぱいあるじゃないですか。狂気とか温かさとか切なさとか、かつコメディ的な顔もある。そんな綾野さんだからこそ、埜本という人物がより面白くなったと思います。

©2026「mentor」製作委員会



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「なんか切なくて涙が出てきたんだよね」
特殊メイク・シーンの舞台裏



ーー現場的には冒頭の火災シーンが力入ってると思うんですけど、撮影的には大変でした?

吉田監督: いや、これがね、びっくりするぐらい楽勝なんですよ。

ーーえっ、そうなんですか。

吉田監督: 今はAIやデジタルで表現できるので、現場では炎も煙も一切出しませんでした。実際は部屋の中に炎のメラメラを表現するライトを置いているだけなんです。もう昔じゃ考えられない。少し前までは、オープンのセットを燃やさなきゃいけなかったものが、今は全然。ここ数年ぐらいの話なんですが、「え?これで火事になっちゃうの?」みたいな感じで撮影が進みました。

ーーシナリオの書き方とか、予算組みも変わっちゃいますよね。

吉田監督: 以前に似たことをやった時は、本当に燃やさなきゃいけなかったから。今回は非常に楽でしたね。

ーー火災のシーンの後、埜本とその妻・涼子(木南晴夏)が焼けただれて登場するシーンは、お二人の芝居も含めてかなり迫力がありましたが、CGなんでしょぅか。

吉田監督: あれは特殊メイク。血糊(のり)とか、現場でいろいろベタベタ付けています。背景の燃えているのはCGだけど、焼けただれているのは全部、生です。
二人とも、ちゃんと役者本人に時間をかけてメイクをしました。
撮影スケジュール自体は中盤だったかな。あの埜本が奥さんを抱きしめて悲鳴を上げるシーンの声もね、喉が焼けちゃっているので、本当に「声にならない声」を出してもらいました。それを撮っている時、近くのモニターで見ていると、なんか切なくて涙が出てきたんだよね。「あ、なんかいいシーン撮れたな」と思って、ちょっと感動しちゃったんですよ。だけど、つなげてみたら、冒頭の「シーン1」だから、まず誰かわかんない。急にあの(二人が焼けただれた)シーンが始まるから、ただおぞましいだけで(苦笑)。この後の埜本を知ってから見ると「切ない」んだけど、冒頭だと、ちゃんと彼の姿も見せていないこともあって、急に火傷の人が悲鳴を上げているので、「こわっ」と思いました。

ーー確かに、あえてあのシーンをクライマックスや中盤に持ってきていたら、別の印象になったかもしれません。でも冒頭に持ってきたことで、龍之介と拓海の罪深さが際立ち、ただの感動作品にならなかったと思います。

吉田監督: そう思ってくれるといいんですが。中盤にコメディっぽいシーンが入るんだけど、みんなが笑ってくれるのか、正直不安でしたね。この出だしの強烈なインパクトで、みんな心が折れてるかもしれないから。そこはもう賭けるしかないなと思いました。

ーー中盤のあのシーンは物語上、重要と思いますが、確かに素直に笑っていいのか、最初は戸惑いもありました。でも、作品を通しで見た後は印象も変わりますし、様々な形で心を揺さぶられる、監督ならではの唯一無二の作品と思います。

吉田監督: みんなの反応が楽しみですね。



(※第3回・最終回へ続く)

©2026「mentor」製作委員会







PROFILE
吉田恵輔(よしだ・けいすけ)

1975年生まれ、埼玉県出身。東京ビジュアルアーツ在学中から自主映画を制作し、同時に塚本晋也監督作品に照明として参加する。2006年、『なま夏』がゆうばり国際ファンタスティック映画祭のオフシアター・コンペティション部門でグランプリを受賞。主な監督作に『さんかく』(2010)、『ヒメアノ〜ル』(2016)、『BLUE/ブルー』(2021)、『空白』(2021)、『ミッシング』(2024)など。
※吉田恵輔監督の「吉」は「つちよし」が正式表記となります。




【取材・文】
福谷修/「cowai」編集長、映画監督、作家、ライター。
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※非売品につき転売目的のご応募は禁止とさせていただきます。
〇諸般の事情や、災害等やむを得ぬ事情で通知や発送が遅れる場合があります。
〇本作の関係者からの応募はお断りしています。








【あらすじ&場面写真集】

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龍之介と拓海、二人の少年の無邪気な花火遊びがアパートを全焼させた。火災で妻子を失い、自身も全身に火傷を負った住人・埜本(のもと)。 それから、15年。罪の意識に蓋をしたまま、“普通”に生きようとしている龍之介(磯村勇斗)。一方、あの日から時間が止まったままの拓海(末澤誠也)。そんな二人の前に、突然、埜本(綾野剛)が再び姿を現す。恨みをぶつけられるはずだった。しかし埜本は、なぜか優しい。優しすぎる。その優しさは、龍之介には拭えない違和感となり、拓海には救いの光のように見えてしまう。本来なら二度と交わらないはずの、いびつな再会。その出会いが、三人の人生を確実に動かし始める——。

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【作品情報】
タイトル:『mentor』  脚本・監督:吉田恵輔 
出演:磯村勇斗 末澤誠也
木南晴夏 / 酒井若菜 川上麻衣子 二村仁弥
黒沢あすか 田村泰二郎
綾野剛

製作幹事:エイベックス・ピクチャーズ  企画制作:スターサンズ  制作プロダクション:SS工房配給:エイベックス・フィルムレーベルズ、スターサンズ ©2026「mentor」製作委員会 
公式HP:www.mentor-movie.jp   公式X & Instagram & TikTok:@eiga_mentor  ハッシュタグ:#映画mentor
※吉田恵輔監督の「吉」は「つちよし」が正式表記となります。


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『mentor』
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