堀未央奈「私、“人肉スープ”みたいな夢を見たことがあります」新たなホラーの才能を発掘する「日本ホラー映画大賞」開催記念!清水崇(映画監督)×堀未央奈(女優)スペシャル・ホラー対談!

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日本初、ホラーのジャンルに絞った一般公募のフィルムコンペティション開催!
「日本ホラー映画大賞」プロ・アマ問わず、新時代を恐怖で満たす狂逸な才能 求む!!



KADOKAWAが、令和の新しいホラー映像作家の発掘・支援を目指し、ホラージャンルに特化させて開催する、一般公募のフィルムコンペティション『日本ホラー映画大賞』(応募期間2021年10月1日(金)10:00~2021年11月30日(火)23:59)。






プロ・アマを問わず、年齢、性別、国籍などの制限なく、誰でも応募でき、大賞受賞者は、2022年に新作長編映画での監督が約束される。
ホラージャンルに絞った一般公募のフィルムコンペティションは日本初の取り組みとなる(詳細は記事後半の「開催概要」や「公式サイト」をご参照ください)。






「cowai」での「日本ホラー映画大賞」第一報の記事




この画期的なコンペティションの開催を記念して、選考委員長の清水崇監督(『呪怨』『犬鳴村』『樹海村』)と、選考委員の一人で女優の堀未央奈がスペシャル・ホラー対談を行った。





「日本ホラー映画大賞」開催記念
清水崇(映画監督)× 堀未央奈(女優)スペシャル・ホラー対談



堀未央奈(以下、堀)「清水監督は(監督)デビューのきっかけって、どうだったんですか?やっぱりショートムービーを応募されたりしたんですか?」

清水崇監督(以下、清水)「僕は、コンテストではないけど、助監督をしながら通った講座の映像課題で、短編ホラーを撮ったことですね。25歳の時。それが『呪怨』の元となった作品です」

堀「すでに『呪怨』なんですね!」

清水「『学校の怪談G』っていう関西テレビが作ったオムニバス・ホラー・ドラマの特番があって、課題を見てくれた黒沢清監督の推薦で撮ることになったんです。プロデューサーから『じゃあ、3分の枠、2本やるから好きに使っていいよ』って言われて。当時は助監督の経験しかなかったので、プロデューサーは不安だったんでしょうけど、そこで撮った二つの短編(「片隅」「44444444444」)に“白い男の子”(俊男くん)がもう出てきていて」

堀「へえ」


学校の怪談G[VHS]※廃盤




清水「その短編を見た別のプロデューサーがまたホラーの仕事をくれて。それで長編になったのが『呪怨』だった」

堀「じゃあ、その合計6分の作品がすべての始まりだったんですね。その短編、見たい」

(※短編「片隅」「44444444444」は、DVD「THE JUON -呪怨- ディレクターズ・カットコレクターズ・エディション 」の特典にも収録)



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清水「でも当時は助監督もつけてもらえなかったので、全部自分でやりましたね」

堀「キャスティングも?」

清水「そう。事務所に電話をかけて『監督は僕です…清水と言いまして…』とオファーして」

堀「でも、その『呪怨』がハリウッドまで行くわけですから、すごいですよね」

清水「きっかけさえつかめばチャンスはあるし、見てくれてる人はいるはずなんです。だから僕は今回の『日本ホラー映画大賞』に期待しているんです」








堀「ホラーがないとダメだなって、常に求めている」



ーー堀さんは芸能界屈指のホラー好きと聞きましたが



堀「好きですね」

清水「僕なんかより詳しいくらいですよ」

堀「そんなことないです」

清水「もしかすると、ここにいる誰よりもくわしい」

堀「いやいやいやいや、時間がある時に見るというだけなので。監督はお忙しいから、たぶん映画館とか、なかなか行けないと思うので」

清水「でもそれは女優さんも同じですよね。忙しい合間をぬって、映画館に通っている」

堀「そうですね。やっぱり映画館でなるべく見たいですから。でも、どうしても見れなかった作品は『配信はいつからだろう?』って調べて。だから(パソコンのモニターに表示された当メディア『cowai コワイ』のサイトを見て)こういうサイトをチェックしないと…ですね」

清水「堀さんがホラーを好きになったきっかけは何かあったんですか」

堀「やっぱり、小さい時から家族がホラーが好きで、何となく見ているっていう環境があったんです。ただ、最初は(ホラーを見るのが)すごく嫌で、ずっと顔を隠して“何でこんなの見るの?”とか言ってました(笑)。
正直、今でも怖がりなんです。でも『ホラーは好き』っていう」

清水「それはどうして?」

堀「なんか『怖いだけじゃない』っていうのを、ホラーを見て理解できるようになって苦手意識が無くなりました。それで、私の人生にはやっぱり刺激が必要なんだなって気づいてからは、『ホラーがないとダメだな』って常に求めている感じです」

清水「なるほど。僕も“元”怖がりなんですけどね。ホラーやりすぎてて職業病みたいになってる(笑)。自分の作品、作る時は楽しいじゃないですか、仕掛ける側だから」


ーー堀さんはホラーを作る側には興味がありますか?

堀「えっ!?作る側ですか?……でも、なんか普通に生活していてパッと思い浮かぶ時があって。ああ、この窓にこういう顔がいたら怖いなとか、今こういうことをしてて、ここで何かがばっと現れたら、たぶん無理だな、とか、そういう発想は、人よりもホラーを見てると多くなっちゃうんです。そこをマイナスととらえずに、何かしらのアイデアとして、いつか出せたらいいなとは思います」

清水「(うなずいて)きっと発端ってそういうことだと思います。そういう、誰もが経験するかもしれないっていう共感性があることが一番怖いと思うんですよね。『呪怨』とか、子供の時の想像しちゃって怖がってたことを詰め込んでるので。もう、それだらけで作っていますから」

堀「でも、うそがないから本当に怖いですよね」

清水「ええ、僕、そういうのを“お土産”って呼ぶようにしているんです。ホラー映画、特に日本の得意な心霊系とかは、お土産が多い方が勝ちなんです」

堀「お土産ですか」

清水「ホラー映画を友達と見に行って、『全然大丈夫だったね』って言っていたのに、家に帰って、一人でお風呂に入る時に、ふと思い出してしまう…とか」





堀「ああ」

清水「さらにトイレに入ったり、寝る時とか、二度、三度そういう状況で思い出すのって、やっぱり怖いじゃないですか。下手したら、映画そのものより怖い。そういうお土産があると、映画として二度おいしいというか、面白いですよね。僕もたぶん似た経験の影響があって、怖がりだったんだと思います」

堀「よくわかります」








堀「私、“人肉スープ”みたいな夢を見たことがあります。
載せられるかわからないですけど……」



ーー堀さんはホラー映画のご出演はありますか?

堀「ないですね」

清水「短編もない?」

堀「(残念そうに)ないんです」

清水「ホラー映画を見るだけでなく、出演してみたいですか?…さっきの作る側というのは、そういう意味でもあったんですけど(笑)それとも見るだけにしておきたい?」

堀「この前、(ドラマの)『サレタガワのブルー』で不倫する女性の役を演じて、やっぱり色んな役をやってみたいと思いましたね。どれがほんとの堀未央奈かわからないって言われて死にたいので(笑)。どんな役柄でもやってみたいですね」


Amazon Prime Video

サレタガワのブルー イッキ見ver. 前編

サレタガワのブルー イッキ見ver. 後編




ーーイタリアン・ホラーのヒロインにいそうな雰囲気がありますよね。

堀「え、ほんとですか」

清水「うん、目が大きいし、(イタリアン・ホラーの巨匠ダリオ・)アルジェント系の」

堀「うれしい、最高の褒め言葉です」


ーーホラー映画では具体的にどんな作品がお好きなんですか

堀「私ほんとに何でも好きなんです。ホラーだとジャンルを問わず」

清水「絶対俺より見てるよ!むしろ、俺はホラー以外の方が見てる数は多いから。さっき、堀さんが見たホラー映画100本っていうリストを見せてもらったら、僕も見てない作品がいっぱいあって、『これ見てるの!?』って。それこそ昔一部で流行った『人肉饅頭』とか入ってる(笑)」


八仙飯店之人肉饅頭



堀「そう、人肉シリーズ、多かったですね」

清水「あの『人肉饅頭』って、ある日、一家がいなくなっちゃって、その後、見知らぬ男が店を営業してて……家族はどこへ行った? 饅頭にしちゃったんじゃないか?って、うわさが流れて、ほんとにそういう事件があったのよ。真相はちょっとわからないですけど、当時の中国で犯人はすぐに捕まって……」

堀「私、そういう夢を見たことあります」


ーーええっ。本当ですか?

堀「はい。私、それこそ“人肉スープ”みたいな夢を見たことがあります」

清水「やばい、この人やばい」

堀「やばくないやばくない(笑)」

清水「日本でも、経営の乗っ取りと殺人が繋がるホテル日本閣殺人事件っていうのがある。あの犯人は、戦後初の女性死刑囚になった小林カウってやり手の悪女……吉永小百合さん主演で映画化されてた。(※『天国の駅』)」


天国の駅 [DVD]




ーー補足しますと、“人肉”シリーズって一ジャンルを築くほど、世界的に人気がありますよね。ちなみに今、『人肉村』っていうホラー映画が公開中です。

清水「ああ、やってますね。残念ながら観れてなくて…」

堀「ええー、面白そう」


『人肉村』8/20より公開中




清水「あの映画、TOCANA(※オカルトや心霊、UFO、猟奇事件などを扱うWEBメディア)の編集長、角(由紀子)さんから『これ見てコメント下さい』ってサンプルデータが送られてきて。でも、俺、(自分の新作の)『牛首村』の(クランク)イン直前で、とても他の“村”を見てるゆとりがない(笑)。ごめんなさい、角さんって」

堀「大変だ、村がいっぱい」


ーーよりによって、自分の“村”のクランクイン直前(笑)


清水崇監督最新作『牛首村』 ©2021 「牛首村」製作委員会




堀「でも、『人肉村』かあ。気になります」



ーー『人肉村』の後には、『食人雪男』って作品も公開されてますね。


『食人雪男』9/17より公開中




堀「ええー。それって一回、ネットで話題になったのですか。人を食べる雪男みたいなのがいるってウワサがネットでバァッて流れて……」

清水「イエティ?」

堀「そのウワサが気になって、ほんとにいるのかなとか思っていたので。それが映画になったのかな、たまたまかな」

清水「夢があるよね。ホラーだけど、ロマンがある」

堀「そっかあ、楽しみ。(モニターで紹介された新作ラインナップを見て)あと、この『整形水』も気になりますね」


『整形水』9/23より公開



清水「ああ、(今回の対談を行っている)スタジオにポスターが貼ってありましたね」

堀「そうなんですか」

清水「けっこう目立っていましたね。韓国製のホラー・アニメ」

堀「へえ、なんか、もっと詳しく知りたいですね。でも、こうやってみると、面白そうなホラーも次々と公開されますね」



ーー新しいホラーの題材が続々生まれていますね。清水監督は気になる題材はありますか?

清水「僕は、堀さんがさっき話した、“人肉スープの夢”っていうのが、もっと知りたいんですけど」

堀「ふふっ、これは載せられるかわからないですけど……。
夢の中で私が、私なのか誰なのかがよくわからないまま、ずっと小窓から厨房を見ていて……。ある一家が中にいるんですけど、ふとパッと目を離して、もう一回見ると……そこにはグリーンスープだけがあるんです。お皿にグリーンスープができていて、私がそれを出すっていう……。
ちょっと、ごめんなさい、やばい」

清水「やばいけど面白い。変な夢だね。でもホラーっぽい」

堀「ほんとですか」

清水「なんか、こうスープに目玉が浮かび上がるとか、そういうグロいのじゃないんだ?」

堀「ほんとにシンプルなグリーンスープがぽんと置いてあって」

清水「きもちわる。得体の知れなさが怖いですね」

堀「赤じゃないところがよかったです。グリーンっていう。そんな夢ばっかり見てます……」




ーー監督引いてます。

堀「うわあ、やばい人じゃないです。見過ぎて色んな情報がぐっと(濃く)なってるっていう」

清水「でも、話だけを聞いたら荒唐無稽ですけど、アレンジというか、表現次第で、面白い作品に化けるかもって思いますね」

堀「そうなんですか」

清水「興味を引くというか、可能性みたいな。そう、ホラーってなんでもベタに怖くなくててもいいんですよ。
昔あった『マッシュルーム』って映画なんか、二人のお婆さんがひょんな事で殺しちゃったお爺ちゃんを裏庭に埋めて、そしたらキノコが生えてきて、その人肉培養されたキノコ料理が飛ぶように売れてお店が大繁盛っていうブラックコメディで面白かったし」


『マッシュルーム』 ※VHS廃盤




清水「例えば、最近でもアリ・アスター監督の作品なんかはアートしちゃってるじゃないですか。それこそ監督は、ホラーって言われるの嫌いみたいですけど。
僕は『ミッドサマー』を見てちょっと見直したので。前作(『ヘレディタリー 継承』)はあんまり好きじゃないけど、『ミッドサマー』は、ああ、すごいな、これは特殊な才能だな、って。ああいう人が出てきているんですよね、世界的には。日本でもヒットしましたしね。宣伝の仕方もうまかったし、おしゃれで、カップルが見にきた」


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堀「『ミッドサマー』って、ホント、カップルで見に来ていた人が多かったと思います。私は絶対、女友達かお母さんと行くって決めていたので。(映画館で見た時)カップルが気まずそうに帰っていくのを見て、ほれ(言わんこっちゃない)、みたいな」

清水「あれ、面白いよね。僕も『セブン』を見た時、近くにいたカップルが『なんでこんな気持ちにさせられるの?』って、ぶつぶつ言いながら帰っていく様が何かおかしくって。デートムービーじゃなかったかもね…可哀想にって気持ちと、映画好きとしてはざまあみろ(笑)的なニヒルな感触もあって……」

堀「ほんと、なめちゃいかんと思いますよね」



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ーー特にホラーは宣伝的にはオシャレにアピールして、中身は結構過激な作品はありますよね。個人的には『バンス・ラビリンス』とか。

清水「いやあ、あれつらかったですよ」

堀「ええー、見てみたい」


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清水「こういうテーマか!と思って。直に“戦争ってダメだ”ってテーマでやられるよりもつらい。つらかったですよね。ダークファンタジーのダークの部分がすごく濃い。ちょっと濃過ぎて、同じ監督でも『シェイプ・オブ・ウォーター』のようにはいかないし」

堀「カップルで見たら悲惨かも……」

清水「僕、かみさんと見に行ったんですけど、二人して落ち込んでました(笑)」

堀「笑いごとじゃないですよ」

清水「ホラーとかファンタジーを求めていたレベルじゃないな、『バンス・ラビリンス』は」

堀「ええー、見てみよう」




ーー海外はメジャーでも、作家性の強い、ある意味、自由で振り切った作品が多い気がします。Jホラーももっと個性的な作品があってもいいと思いますが、どこか変なしばりがあるような気もします。

清水「日本って、優れたホラーのコンテンツはいっぱいあると思うんですよ。
例えば、桃太郎にも鬼が出てくるし、そういう要素を、なぜもっと膨らませられないのか。漫画やアニメのキャラクターだって、可愛いとかカッコいいとか、あんなに多様性を持ってるのに、なんで日本のホラーでは、フレディ、ジェイソンみたいな、シリーズがいくらでも作れるダークヒーローが生まれないんだろうって。
極端に言えば、「能」だっていいと思うんですよね。すり足なのに速いとか。『いよー』って雄叫び上げながらにじり寄るとか…これ、昔本当に企画出した事あるんですが誰も本気にしてくれなかった。応用の仕方次第で、なんだってあると思うんです。」









清水「ホラーが無理と言う人も、自分が気づいてないだけで、
あなたが抱えている闇が絶対どこかにある」




ーー今回の「日本ホラー映画大賞」は、ホラーである以外、応募の条件にあまり縛りが少なく、なかなか自由だと思います(プロ・アマを問わず、年齢、性別、国籍などの制限なく、誰でも応募でき、大賞受賞者は、2022年に新作長編映画での監督が約束される。詳しくは応募要項か公式サイトをご覧ください)。
清水監督としては、どんな人に応募してほしいですか?



清水「もちろんホラーが好きで、自分も作ってみたいとか、作ってるんだけど発表の場がないっていう人も応募してほしいんですけど、逆に、ホラーとかあまり見ないけど、映像を作ることには興味があるっていう人も挑戦してほしい。
『スマホラー』(清水監督が監督・プロデュースした、スマホで見るホラー・オムニバス・コンテンツ。総勢14人の監督が全50作のタテ型短編動画で様々な“怖さ”を表現)でも、自主映画しか撮ってなくて、ホラーなんかほぼ見てないし、苦手っていう女性の監督にも、あえて依頼したんです。




清水「最初は彼女から『幽霊とか、そういうのはたぶん撮れない』って言われたけど、僕が『男女の関係でも社会不安でも、なんでもいい。自分が思う、世の中の人怖(ひとこわ)を描いてほしい』って撮ってもらったら、やっぱり他の監督からは出ないような面白い作品が生まれてきた。
だからホラーが無理と言う人にも(作り手としての)きっかけになればいいなあと思います。
ホラーというと「血まみれ」「残酷」「殺人」「幽霊」みたいなエッジの利いた要素ばかり捉えられて、何でも超常現象やオカルトにイメージされがちだけど、“恐怖”や“不安”は世界中どこの誰にでもあるし、社会や生活に根差している拭えない部分。自分が気づいてないだけで、あなたが抱えている闇が絶対どこかにある」



ーー堀さんはいかがですか?


堀「私、けっこうお化け系が好きなんですけど、人間的な怖さにも惹かれます。
最近見た作品だと、『ドアロック』(2018年)っていう韓国映画は、ほんとに女性が特に見て怖いなと思うような作品でした」


ドアロック [DVD]



堀「そんな人の怖さ……身近な人もそうだし、今は自分のまわりにいなくてもいつか出会うかもしれない人の怖さを描いた作品が、ちょっと見てみたいですね」

清水「それも国とか文化によって違うんですよね」

堀「違いますね」

清水「お化けや幽霊のとらえ方も、アジアだと、韓国や日本、中国でも、幽霊、亡霊が出るだけだけで怖いじゃないですか。でも、アメリカやヨーロッパだと(幽霊が)襲ってこないのになんで怖いの?みたいな。宗教観も違うし。逆に、僕らも、『悪魔』って言われてもピンとこないじゃないですか。違うんですよね。色々あっていいと思うんですよ」


ーー堀さんは、今まで撮ってもらった監督でホラーに向いてる人、ホラーを撮らせてみたい監督はいました?


堀「そこまで考えたことはなかったんですけど、でもMVできれいな映像撮って下さる方が、逆に暗い世界というか、闇の部分を撮るってなった時、どういう風に撮られるのかなって、それは見てみたい。ほんとに、その人自身がけっこう出ると思うので」

清水「出ますよね。出ます出ます。山戸結希監督とか、ぜひ見てみたい」

堀「あ、見たいです」
(※山戸結希監督は、堀の初主演映画『ホットギミック ガールミーツボーイ』の監督)


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清水「あの人、闇だらけだから(笑)」

堀「でも、私、めちゃくちゃ話が合うんです、山戸監督と。周りの人から双子なんじゃないかって言われるくらいずっと撮影中も通じ合ってて」

清水「やばいわ、この人」

堀「やばくないですよ。ああ、なんだろう、すごい強い絆で結ばれた感じがあったので」

清水「うん、それはいいこと。映画やってて、なかなかそこまで『監督と』ってないよね」

堀「ありがとうございます。現場で、私が(芝居で)壁にぶつかって落ち込んだ時、監督がすぐ気づいて下さって。私が大泣きしながら二人でお話したりとか、撮影が終わってからも、一緒にご飯に行ったりとかあったので……。ほんとに見たいです、私も、山戸監督の(ホラー)」

清水「(うなずき)山戸監督はなんか他の人にはない、違う傾向の闇を持っていそうだし。ちょっとやばいなって思います。……少女や少女性を凄く大事にされてるようだから、『闇のバイブル/聖少女の詩』とか『乙女の祈り』みたいな題材を、男性監督とは全く違った描きようで作ってくれそう。闇を全部吐き出したのを見てみたいです」


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堀「同じホラーと言っても、監督によって全く違うものが生まれそうですね」

清水「そう。その監督にしか出せない、撮った時の追い込まれ方とか、怖がるリアクションがあるんじゃないかと。男女関係なく、その監督が持ってる資質とか癖とか、求めているイメージやバイオリズムがあって、俳優も必死にそれに応えようとすると、その相乗効果がうまく行った時に出る、何ていうのかな、“怖いエロス”みたいなのが絶対ある。“死”を描いたりしてても、それは“生”だし“性”なんだよね。そういうのが必要だと思うんです」

堀「うん、(監督と俳優で)相性ってあるなって思います。映像として魅力的な作品も、すべてが作りこんでできるわけじゃないと思うし、何かこう、奇跡的なものがたくさん重なって、生まれるんじゃないかって」

清水「そうだと思います」

堀「私、けっこう人見知りなんですけど、人間観察が好きなので、監督の顔とかじっと見て、今何を伝えようとしてくれてるのかなとか、常に(考えて)自分だけで進まないようにしてますね」



ーーでは、最後に『日本ホラー映画大賞』に応募される方や、興味を持っている方にメッセージをお願いします。



清水「今回は、ホラーのくくりの中での募集なんですけど、僕個人としては“怖さや恐れや不安をかり立てる演出や表現が優れていればなんだっていい”。
例えば、堀さんが審査員で参加してくれることで、『俺、ホラーに興味ねえけど、堀未央奈に俺の作品を絶対見てほしいから』っていう、案外そういう(動機で作った)作品が面白かったり、意外な傑作が生まれる可能性があるんですよね。入り方はどうあってもいいと思うんです。
もちろん、さっきも言いましたけど、ホラーが大好きで『俺に撮らせれば、すごいのができる』っていう人もどんどん送ってほしい。まず発起した小林プロデューサーがホラー大好きな方ですし、僕や堀さんをはじめ、ホラーに愛ある人たちが参加しています。僕らをゾクゾクさせたり、びっくりさせたり、ぎゃふんと言わせるような作品を待っています」


堀「ん-、楽しみですね。私も“ザ・怖い!”“お化け!”みたいな作品も見たいなって思いますし、でもなんか、ほんと自分だけかもしれないけど、『これが怖い』みたいなマニアックな作品が来た時、『え、これって気づかなかったけど、確かに怖いよね』って思いたいですね。なんかこう幼少期から思っていた、ちょっとした違和感や不気味な出来事を映像に出していただけると、すごい面白くなるんじゃないかなと思ってます」




ーー本日はありがとうございました。






Profile

清水崇

(しみずたかし/映画監督/「日本ホラー映画大賞」審査委員長)


1972年7月27日群馬県出身。ブースタープロジェクト所属。
大学で演劇を専攻し、演出家・大橋也寸氏、脚本家・石堂淑朗氏に師事。同郷の小栗康平監督作『眠る男』(96)の見習いスタッフで業界入り。小道具、助監督を経て、自主制作した3分間の映像を機に黒沢清、高橋洋監督の推薦を受け、98年、関西テレビの短編枠で商業デビュー。東映Vシネマで原案・脚本・監督した『呪怨』シリーズ(99)が口コミで話題になり、劇場版(01,02)を経て、サム・ライミ監督によるプロデュースの下、USリメイク版“The Grudge”:邦題『THE  JUON/呪怨』(04)でハリウッドデビュー。日本人初の全米興行成績№1を獲得。続く“The Grudge 2”:邦題『呪怨パンデミック』(06)も全米№1に。その他、『稀人』(04)、『輪廻』(05)、『ラビット・ホラー3D』(10)、『魔女の宅急便』(14)、『ブルーハーツが聴こえる/少年の詩』『こどもつかい』(ともに17)など。ホラーやスリラーを中心に、ファンタジーやコメディ、ミステリー、SFなど様々なジャンルに取り組んでいる。3Dドームによる科学映画『9次元からきた男』(16)では、理論物理学の最先端“ひも理論”にエンタメ要素を用いて、国内外で様々な賞を受賞。現在も日本科学未来館にて連日上映中。
2021年は、『樹海村』、『ホムンクルス』と新作の公開が相次いだ。
新作は、『犬鳴村』『樹海村』に続く、“恐怖の村”シリーズ第三弾『牛首村』が2022年公開予定。http://www.toei.co.jp/movie/details/1226659_951.html
また、総合監修を務め、新鋭監督らと組んだスマホ向けホラー・オムニバス・ドラマ「スマホラー」が3月末よりsmash.にて独占配信中。
https://smash-media.jp/channels/120

他に、新作ホラー映画の脚本家を募集する、東映×ブースタープロジェクト共同企画「鬼才?奇才!!発掘オー ディション」も募集中
https://eiga.com/news/20210823/33/(締切2021年9月30日)





堀未央奈

(ほりみおな/女優/「日本ホラー映画大賞」審査員)

1996年10月15日生まれ。岐阜県出身。
13年に第2期生として乃木坂46に加入。
7thシングル『バレッタ』の選抜発表で初選抜。センターを務める。
2017年女性ファッション誌「ar」のレギュラーモデルに。
同年初のソロ写真集『君らしさ』(主婦と生活社)を発売。
2021年3月28日をもって乃木坂46を卒業し、女優業を中心として活動中。
MBS/TBSドラマイズム枠にて放送されたドラマ「サレタガワのブルー」ではW主演を務め、話題となった。

堀未央奈オフィシャルサイト https://hori-miona.com/










【「日本ホラー映画大賞」開催概要】



対象作品

■実写映像作品 3分~90分程度の未発表・完全オリジナル新作
■アニメーション映像作品 10秒~30分程度の未発表・完全オリジナル新作


○応募期間:2021年10月1日(金)10:00~2021年11月30日(火)23:59

○応募資格:プロ・アマチュアを問わず、年齢、性別、国籍などの制限なく、どなたでもご応募いただけます

応募方法等:詳しくは下記公式サイトをご覧ください

公式サイト:http://movies.kadokawa.co.jp/japan-horror-fc/



○受賞部門

令和の新しいホラー映像作家の発掘・育成を目指し、以下の賞を設けます

[大賞]
賞金 20万円
副賞 運営委員会製作による新作長編映画(応募作品のリメイク版または完全オリジナル作品)の監督をご担当いただきます

[アニメ部門賞]
ホラー・アニメーション分野への斬新なアプローチを観点に選考します
賞金 20万円

[審査員特別賞]
将来性を感じさせる作品に贈られます
賞金 15万円

[ニューホープ賞]
“オトナ”になる前の荒削りで、尖った、最新の感性とセンスを持つ原石に対して贈られます
賞金 10万円

[株式会社闇賞]
前例のないアプローチに果敢に挑み、新しいホラー体験を与える作品に贈られます
賞金 10万円

[オカルト部賞]
「配信動画で見たい!!短編作品」に贈られます
選考・配信は、心霊スポット探索・怪談を体当たりで取材するYouTubeチャンネル『オカルト部』
賞金10万円

[MOVIE WALKER PRESS賞]
映画プラットフォームならではの視点で、観る者が怖さを「楽しめる」、映画ファンに広く愛される作品を選出いたします
賞金10万円

[豆魚雷賞]
優れたキャラクターが登場する作品に贈られます
人物・怪物などのほか、造形物・アイテムなど、特徴を持ったイメージを含みます
賞金10万円


運営委員会
【主催】株式会社KADOKAWA/株式会社ディー・エル・イー/株式会社闇
【協力】オカルト部/MOVIE WALKER PRESS/豆魚雷


【公式Twitter】https://twitter.com/jp_horror_fc











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