現代に蘇る打ち首獄門地獄!
全世界が震撼する、衝撃の「生首ホラー」誕生!
それは集団首狩り事件から始まった。
日本都市伝説史上最大のタブー、禁忌を完全映画化した、サイゾーによるホラー映画プロジェクト第2弾『オカムロさん』が2022年10月14日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサ、新宿シネマカリテ 他に全国ロードショーされる。
この映画の公開を記念して、「cowai」では、本作で武術の達人・綾子を演じた伊澤彩織(スタントパフォーマー、女優)に単独インタビューを敢行!
『オカムロさん』首狩り予告編
映画『オカムロさん』10/14公開記念
伊澤彩織、単独インタビュー
最初の脚本になく、足された役だということがすごく光栄でした。
――『オカムロさん』、とても面白かったです。生首などのスプラッタ&バイオレンスへのこだわりや、都市伝説ホラーからバトルアクションへの予想外の展開など、侮れない禍々しさとエンタテインメントの魅力が詰まっています。私の周囲のホラーファンやマニアの間でも、口コミで注目度が上がっています。
伊澤彩織 ありがとうございます。マニアックな方から見ても評価が高いっていうのはすごく嬉しいです。
――改めて作品をご覧になっていかがですか。
伊澤: 前半は救いようのない世界で目をつぶりたくなったけれど、後半は僧侶役の内田(寛崇)君と私が出てくることによってポップに転調していくから、楽しい映画になったなと思いました。最後も、こんな終わり方あるんだって、笑いましたね。
――笑ったんですか。
伊澤: はい。あまり見ない終わり方でした。ツッコミどころも多く、笑いながら見てました。
――伊澤さんは最初、スタント・ウーマンで活躍し、最近は女優としても注目されていますが、俳優としての出演は何作目になりますか。
伊澤: 映画だと3作目かな。『ある用務員』『ベイビーわるきゅーれ』に出て、『オカムロさん』なので。
――今回オファーをいただいた時はどんな感想を?
伊澤: 松野監督の作品に関われるんだ!という嬉しさがありましたね。
松野監督の日芸の卒業制作短編『全身犯罪者』を見て以来、松野さんの作品に関われるのであれば何部(※俳優として参加する場合は“俳優部”と言う。他に演出部、撮影部などがある)でもよかった。役者として呼んでもらえたのでありがたいなって。
――松野監督とは同じ日芸・映画学科の先輩後輩の仲と聞きましたが。
伊澤: そうです。かぶってはいないんですけど。
――日芸・映画学科というと、監督コースですか。
伊澤: いえ、映像表現理論コースです。映像と理論評論と脚本を学ぶコースで、私は2年から映像を専攻して、アニメやアクション映画を作ったりしてました。比較的人数が少ないコースで、同じ教授のゼミだったので、一緒の登竜門を通った仲だと思うと嬉しかったです。和尚役の内田君も卒業生なので日芸トークで盛り上がってました。
――松野監督と初めてお会いしたのは、カナザワ映画祭ですか?
伊澤: そうです。私が主演をした映画『ベイビーわるきゅーれ』と松野さんの『全身犯罪者』の舞台挨拶がカナザワ映画祭の同じ日に行われて、松野さんが「後輩なんです、実は」と声をかけてくれた。
それで松野さんから「僕の卒業制作の『全身犯罪者』を見てください」ってURLを渡されて、見たら…「なんじゃこりゃ!鬼才がおる!」って一瞬でファンになりました。「とんでもない監督が日芸から生まれるぞ」って興奮して、まだ学生だった松野さんに「進路どうするの?」って聞いたんです。松野さんは就職活動に悩んでいて、私は松野さんの演技をもっと見たいと思ったから、「役者やらないの?」って言いました。
――監督じゃなく、役者を勧めたんですか?(笑)
伊澤: 第一印象、声がすごくいいなと思ったし、『全身犯罪者』であんなにいろんな役(※一人11役)ができる人はなかなかいないと思って。
――なるほど。
伊澤: だから「役者やらないの?」って聞いたら、「いや、役者は……」って。「じゃあ、監督は?」「就職が……」みたいな感じで。映画業界の誰かがこの奇才を捕まえてほしい…って思いました。
――そのカナザワ映画祭で『全身犯罪者』が観客賞を受賞して、作品に可能性を感じた『オカムロさん』のプロデューサーから声がかかったと松野監督から聞きました。それで伊澤さんに松野監督から出演のオファーがあったと?
伊澤: いえ、最初はアクション監督の三元(雅芸)さんから「オーディションあるんだけど、来ない?」って電話がかかってきて。
――最初はオーディションだったんですね?
伊澤: オーディションは苦手だけど、監督が松野さんだと知って、とりあえずなんでもいいから松野さんに会いに行こうと思って。主役を決めるオーディションだったので、一回落ちちゃったんですけど。その後に「脚本に新しい役ができたので、出ませんか」ってオファーをいただいて、「やったー!」って。
――伊澤さんのために松野監督が脚本に役を作ったわけですね。しかも、当て書きという。
伊澤: 最初の脚本になく、足された役だということがすごく光栄でした。
ラストシーンは朝から翌朝6時くらいまで撮影が続きました
――『オカムロさん』の現場はいかがでしたか。こう演じてほしいとか、監督から指示はありましたか。
伊澤: 監督からの指示はあまりなかったです。セリフのニュアンスをこう変えたいんですけど大丈夫ですか、と相談すると全部受け入れてくれましたね。かなり自由にやらせてくれました。現場が年上ばっかりで恐縮してたのかな(笑)。
――『ある用務員』『ベイビーわるきゅーれ』と続いた阪元(裕吾)監督ともまた松野監督の演出は違うと思いますが。
伊澤: 作品の演出もテイストも全然違うんですけど、阪元さんも松野さんも、年齢関係なく自分の描きたいものを持っていて、尊敬しています。学生の頃の自主制作からもエネルギーを感じますし、オリジナルの脚本が書けるところや、役者に自由にやらせてくれる部分も似ています。こういう監督と続けて役者として仕事ができるのはうれしいです。二人ともとてもおとなしそうに見えるけど、彼らの作品を見ると、普段何考えて過ごしてるのかな?って気になりますね。
――ホラーの現場はいかがでしたか。
伊澤: 脚本を読んだときに「久しぶりに血まみれになる現場だ」と思って(笑)。どうやって首が飛ぶんだろう、ホースで血のりを撒くのかな、みたいな想像をしてたんですけど、思ったより血まみれにならなかったです。
――生首シーンやスプラッタの大半が、監督自身が撮影後に3DCGで作って合成したそうですね。
伊澤: そうだったんですね。『全身犯罪者』の松野さんのCG技術に感服していたので、心配はしませんでした。
――実際に完成した映像を見て、どうでしたか。
伊澤: そうですね。血…血がかなり足されたので、結構派手になったなって。CGがどこに使われてるのかわからないぐらい、ナチュラルに見えましたね。流石だな、と思いました。
――逆に現場で苦労した点があれば。
伊澤: 私にはとても楽しい現場だったので、苦労は特になかったかな…。一番大変そうだなと思ったのは三元さんですね。アクション監督しながら、俳優としても特殊メイクをして。
――三元さんはどの役ですか。
伊澤: 見てからのお楽しみに。どこに出演していたか分からない人もいるかもしれない。
――アクションは撮影も手間がかかると思いますが。
伊澤: ラストシーンは朝から翌朝6時くらいまで撮影が続きました。私と三元さんのアクションシーンを撮り出したのは深夜3時くらいだったと思います。出演する時とアクションを監督する時では考えることも違ってきますから、三元さんはすごい。私だったらパンクしちゃってた。キャストも、スタッフも、みんな疲労が溜まってたと思いますが、根気強く頑張ってくれて本当にありがたかったです。
――松野監督によると、主演の吉田伶香さんと伊澤さんが“ラスボス”と戦うクライマックスのバトルシーンにかなり力を入れたそうですね。その脚本のアクション・イメージを三元さんが具現化したという。
伊澤: 私のアクションの手数自体はそんなに多くなかったんですけど、特殊メイクチームと三元さんが作ってくれたキャッチーな仕組みがあったので、印象的なラストシーンになったと思います。
役を頂くようになってから、
アクションに対する考え方も幅が広がった
――伊澤さんはスタント・ウーマンとしても活躍されていますが、『ベイビーわるきゅーれ』に続いて、俳優として役を演じた感想は?
伊澤: 『ベイビーわるきゅーれ』に出演したことで人生が大きく変わって、役をいただくことが増えました。
スタントやアクション部で入ると、基本的にはアクションシーンしか現場に行きません。安全面を見たり、動きを合わすことに集中したりするので、演者の感情を理解しないままのことも多いです。逆に言うと、役者さんには芝居に集中してもらうために、アクション部が存在しているとも言えます。
アクションは体を滾らせながら、頭は何処か冷静にいないといけない。そこに、芝居が入ると心情や表情を動かさないといけないから、やること多くて大変だなと思います。
――今回の綾子は武道の達人という役柄で、打倒・オカムロさんを目指す主人公を鍛えて、最後は一緒に戦うという役柄です。実際にアクション面で、伊澤さんが吉田さんをサポートしたように見えますが。
伊澤: アクション経験のない役者さんと、初対面で立ち回りをするという現場はアクション部で何度かやったことがあったので本業発揮が試されているなと感じました。練習したことがない相手とやる場合、相手に合わせながら、いかに相手を煽れるかが勝負になります。吉田さんと私のアクションシーンのひとつは、「ワンカットで木刀でやる」と言われたので、はじめは少し不安に思いました。予算的にウレタンでできたラバー刀を用意できない、と。そうなると、頑張って、やるしかない。木刀でやる怖さを払拭するために、刀を通す場所やリズムの調整は吉田さんと相談しながら詰めていきました。
伊澤: 吉田さんと殺陣を合わせたのは撮影当日の本番前だったんですけど、一個前のシーンの撮影が終わってからカメラがセッティングされるまでの短い時間の中で「もう一回やろう、もっかいやろう」って何度も練習して。何テイクか撮影しくうちに、徐々に息が合っていきました。三元さんが「OK!」と叫んでくれた時には、嬉しくて吉田さんとハイタッチしました。
――最近は、芝居もできるスタント・ウーマンというより、アクションもできる俳優という感じですね。
伊澤: ありがとうございます。役を頂くようになってから、アクションに対する考え方も幅が広がって新しい挑戦を続けさせてもらっています。アクション部のスタッフワークも、スタントダブルの仕事も、役者の仕事も同じくらい好きです。
――スタント・ウーマンとして今後の予定は?
伊澤: 最近アクション部で参加させてもらったのは、来年1月27日公開の映画『レジェンド&バタフライ』と、来年3月24日公開の『ジョンウィック4』です。映画『山女』にも数日だけサポートで参加させて頂きました。出演箇所は見つけにくいと思いますが、アクション部として関わった作品も見ていただけると嬉しいです。
――では、最後に『オカムロさん』の見どころと、観客へのメッセージをお願いします。
伊澤: 見どころは…松野監督のお芝居ですね。
――そこですか(笑)。
伊澤: 監督が警官の役をやっていて、先輩警官役の六平直政さんとの掛け合いが面白かったです。
――あの警官、松野監督だったんですね。
伊澤: そうなんです。私は松野さんファンなので(笑)。出演シーンは短いけど、サイコパスな役が似合っていて印象深いです。「季節の変わり目は変なやつ多いですからね」ってセリフの言い回しとかずるい。
――他には…?
伊澤: あと、喫茶店のシーンがすごかったです。バーンズ勇気さんの演技に、鳥肌が立ちました。バーンズさんの顔が途中から汗まみれになるんですけど、松野さんがCGで汗を足したのかなと思ったくらい。本物の汗だと聞いてびっくりしたので、あの迫真の演技をぜひ見ていただきたい。
――伊澤さんの見せ場もたくさんありますが(笑)。
伊澤: 私はいいんです(笑)。
――では、最後に観客に向けてメッセージを。
伊澤: 血の気は多いですが、アクションも盛り沢山で、爽快感ある映画です。
気楽に、ぜひ憂さ晴らしに来てください!
――ありがとうございました。
伊澤 彩織 (いざわ さおり)
1994年2月16日生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。スタントパフォーマーとして映画「るろうに剣心最終章」「G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ」などに参加し、役者として「ある用務員」「ベイビーわるきゅーれ」などに出演。ロングラン上映となった「ベイビーわるきゅーれ」では第31回日本映画批評家大賞で新人女優賞を受賞し、続編の製作が決定している。
<おまけ>
――人生の最後に見たい映画を教えて下さい。
伊澤: もし今日死ぬって言われたら、私はこれを見ますね。
『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』
理由は…私が人生で一番好きな映画だから。
お酒飲みながら見て、見終わったらタバコ吸って…車飛ばして何処か行きます。
ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア
制作25周年記念/日本語吹替音声収録版 [Blu-ray]
INTRODUCTION
日本都市伝説史上「最大のタブー」禁忌の映画化。
オカムロ来りて首を狩る。現代に蘇る打ち首獄門地獄。
全世界が震撼する、衝撃の「生首ホラー」誕生。
江戸時代から言い伝えられる都市伝説が現代に蘇る!オカムロという名を聞いたり話したりすると必ず現れ首を狩られ殺される。
対処法はオカムロと 3 回唱えることー。
『真・事故物件/本当に怖い住民たち』で映画製作プロジェクトをスタートしたサイゾーによるホラー映画プロジェクト第 2 弾は都市伝説をモチーフにした首狩りホラー!
本作は日本が生んだエッジーなコンテンツを世界に配信するレーベル「YABAI-ZE!」より世界配信も決定!
監督・脚本は 2021 年カナザワ映画祭で観客賞を受賞した期待の新人・松野友喜人。受賞した短編作品『全身犯罪者』は時空を超え、日本の著名な凶悪犯罪者たちに接触する異色作。日本大学芸術学部の卒業制作として制作され、学内で芸術学部長賞を受賞するも、卒業制作展では内容の過激さから上映禁止扱いとなった。
主演は今回映画初主演となり、2021 年 ABEMA『恋とオオカミには騙されない』に出演し、Saucy Dog「あぁ、もう。」の MV や CX「めざましテレビ」のイマドキガールとして同年代の男女を中心に人気を集める吉田伶香。
重要な役柄として大ヒットの記憶も新しい、『ベイビーわるきゅーれ』の伊澤彩織、『キングダム』『唐人街探偵 東京 MISSION』の六平直政も出演する。
【作品情報】
『オカムロさん』 okamurosan.com
監督・脚本・編集・出演:松野友喜人
出演:吉田伶香/バーンズ勇気/伊澤彩織/六平直政 他
制作プロダクション:シャイカー/製作:REMOW/配給:エクストリーム
2022 年/日本/カラー/DCP/サイゾー映画制作プロジェクト ©️2022 REMOW
2022年10月14日(金) ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサ、新宿シネマカリテ 他 全国ロードショー!
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『真・事故物件/本当に怖い住民たち』 Amazon Prime Video
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