夢の国はつまらない。
強くて、不気味な、怖いヤツ~♪
パドリックドメイン化した『蒸気船ウィリー』をホラー映画化し、あのミッキーが凶悪な殺人鬼と化す『マッド・マウス ~ミッキーとミニー~』が、いよいよ2025年3月7日(金)より新宿ピカデリーほかにて全国公開中だ。
この度、「cowai」では、来日したジェイミー・ベイリー監督と、プロデューサー兼脚本のサイモン・フィリップスに単独インタビューを敢行。言いたい放題の爆笑?衝撃?の撮影秘話を話してもらった。
さらに、監督直筆の激レア“(凶悪すぎる)ミッキー”イラスト付きの二人の「サイン色紙」を抽選で一名様にプレゼントする。(応募方法は記事の後半に掲載)


「ほんとバカじゃないと絶対にできない。子供の頃の夢をぶち壊す映画さ!」(監督)
「頭ぶった切られたコ、続編には出ていないんだよ。なぜなら…」(プロデューサー)
ジェイミー・ベイリー(監督)&サイモン・フィリップス(脚本&P)単独インタビュー!

――冒頭の某SF映画風の“お詫び”テロップから笑わせてもらいました。毒が効いているというか、作品自体もとても面白かったです。
ジェイミー・ベイリー監督(以下、監督) それは良かった。安心しました。
――あのSF映画も…ディズニーですよね。ミッキーといい、初っ端から二重にディスるというか、喧嘩を売っているのが素敵ですね。
監督 もちろん、あえてやったんだけどね。どうせやるなら、壮大というか、ビッグにやってやろうって。
――ディズニーはあなたを監督として迎えるべきじゃないでしょうか。
監督 そうなんだよ。この作品の記者会見で、「もし僕を訴えないんだったら、今後、マーベルの3作を無料で監督します」って、オファーを僕から出したんだ。まだ今のところ、電話はかかっていないけどね。まもなく来るんじゃないかな。
――ディズニーには公開前に連絡したんですか。
サイモン・フィリップス(脚本・プロデューサー/以下、プロデューサー) (著作権切れ=パブリックドメイン化したから)別に許可なんていらないんだけど、でも一応、「こんなの作りましたよ」って連絡はしました。
監督 真面目な話、完成したら、ちゃんと弁護士を通じて作品を送ったんだ。
――反応は?
プロデューサー スルーされたなあ。
監督 まあ、(ディズニーが)この作品の存在を知っている、それだけで十分なんですよ。最低限必要なことはやったかな、(ディズニー)対策は。

「ほんとバカじゃないと絶対にできない」(監督)
「『プー あくまのクマさん』チームは臆病者だからね」(プロデューサー)

――パブリックドメイン化は百も承知で、それでも、やっぱりミッキー・マウスのホラー映画を撮るということは、かなり勇気が必要だったと思います。
監督 その通り。勇気とお馬鹿、ほんと馬鹿じゃないと絶対にできません。
プロデューサー あとウォッカのボトル。これがなきゃ、やっていけない。
――噂によれば、『プー あくまのくまさん』に刺激を受けて、この映画を作ったと聞きます。同じパブリックドメイン化した「プーさん」のホラー映画化も大変だと思いますが、それよりも「ミッキー・マウス」のホラー映画化の方が地獄のようにハードルが高いと思います。改めて、よくやりましたね。
プロデューサー ぶっちゃけ、『あくまのクマさん』チームより、僕たちの方が肝が座っている。彼らは臆病者だからね。
監督 そう。『あくまのくまさん』の会社も本当はミッキーをやりたかったんだよ。でも、おじけづいちゃって諦めたんだよね。

――そうなんですか。『プー あくまのくまさん』チームも、ミッキーのホラー映画化を考えていた?
監督 うん。僕ら、最初、「この映画を配給してもらえないか」って、あの(プーさんの)会社に行ったんだよ。そうしたら、なんだか、すっごく怒っていて。
――怒っていた?
監督 彼らがやらなかったことを、僕たちが先にやってしまったからね。しかも「こんな映画、公開されたら絶対に訴えられるよ!そうなっても僕たちは助けないから!」って言われて。でも、僕らが帰った後、彼らは速攻で自分たちの《ミッキー・プロジェクト》に取り掛かったらしいんだ(笑)。
「ディズニーファンに一言?
子供の頃の夢をぶち壊す映画さ!」(監督)

――まあ、『プー あくまのくまさん』も十分面白かったんですが、正直、ミッキー・マウスが人間を次々と惨殺するというのは、実際の映像を見ると、想像以上のインパクトがありましたね。
プロデューサー そりゃ、ミッキーはキャラクターの世界のピラミッドの頂点に君臨しているからね。
監督 おかげで僕たちは“マウスプロイテーション”っていう新しい映画のジャンルを確立したんだよ。
――マウスプロイテーション!
監督 エクスプロイテーション(搾取映画)から転じた、ブラックスプロイテーション(黒人を主人公にして、1970年代に流行したB級映画のジャンル)みたいに、マウスプロイテーションはパブリックドメイン化したキャラクターを使った作品の総称として呼ぶようになった。別にマウスと言っても、ネズミだけじゃなくて、それこそ「プーさん」なんかも含まれる。僕らの映画から、そう呼ばれるようになったんだ。
――凄いですね。新たなホラーのジャンルが生まれることをホラーファンは歓迎していると思います。
監督 そうあってほしいね。
ーーディズニーファンにも一言。
監督 ミッキーは出てくるけど、ディズニーじゃないからね!子供の頃の夢をぶち壊す映画さ!
プロデューサー 真面目に取っちゃいけないよ。僕たちもイージーに考えている。
――まあ、ディズニーファンはともかく、ホラーファンにとっては、80年代のスラッシャーホラーへのオマージュとか、愛のある仕掛けが張り巡らされていて、細部まで発見があるというか、凝っていて楽しかったですね。

監督 本当にフレディやジェイソンが出てきそうなゲームセンターとか、80年代の雰囲気そのままを再現している。音楽もね。そういう部分はうまくできたんじゃないかな。
――一方で、殺人鬼がいきなり高速移動するとか、光に弱いとか、単なるレトロ趣味とは一線を画すユニークなアイデアもありますね。
監督 あの高速移動は、舞台となるゲームセンターが予想以上に大きかったから思いついたんだ。早くいろんな所にミッキーが現れて人を殺してほしいと思ったからね。時間の節約だよ。最高のアイデアだろ。あと、光に弱いのは、やっぱり完全無欠なキャラにも何か弱点があった方が良いと思ったんだ。
プロデューサー うん、スーパーマンにとってクリプトナイトが弱点のようにね。

「血がドバーッ!とか、内臓がドバーッ!とか、…もう後片付けが大変なんだよ!」(監督)
「頭ぶった切られたコ、続編には出ていないんだよ。なぜなら…」(プロデューサー)

――ラストも予測できないというか、けっこう衝撃的でした。ネタバレになるから言わないですが、その意図を教えて下さい。
監督 ちょっと『ハロウィン』の一作目を意識した所はあります。そう言ったら、わかるかな。あえて説明しないから怖いんだよね。よく最後に「トラウマが~」とか、うだうだ説明する作品があるけど、ああいうの大嫌いなんだ。なんでミッキーが人を殺すんだ?とか、突っ込まれても、説明する必要なんかない。殺人に意味なんかないんだよね。
――撮影で大変だったシーンがあったら教えてください。
監督 やっぱり血がドバーッとか、内臓がドバーッとか、そういったシーンを撮ることが一番大変だった。もう、すごく時間とお金がかかる。でも、それを楽しみにしているお客さんがいるから、一番エネルギーを注いだつもりだ。特に印象に残っているのは、頭をチェーンソーでぶった切るシーン。あとは目玉が飛び出すシーンかな。血にまみれるのは、観客として見るなら面白いんだけど……。いくらニセとはいえ大量の血をぶちまけるのって、見ている人には想像もつかないけど、けっこう激しく飛び散るんだ。いまだに僕のカメラにも付いている。後片付け、大変なんだよ。

――それだけ血のりの量も凄まじかったという。
監督 そう、だから気合が入りすぎちゃって、本当にチェーンソーで女の子の頭をぶった切ったんだよ。おかげで良いシーンが撮れた。遺族にはまだ慰謝料を支払っていないけど。
プロデューサー だから彼女は続編には出演していない。残念ながら。
――それは残念ですね(笑)。
ちなみに続編の話が出てきましたが、続編は最初から構想されてたんでしょうか?それともヒットしたから作るのでしょうか。
監督 いやあ、正直「訴えられる」か「配給できるのか」全く分からなかったので、最初は続編なんて考えてもいなかったんだけど、こうやってなんとか無事に配給されることになって、やっと続編に取り組むようになった。脚本も去年の11月~12月に書き終えています。
――どんな話になるんですか。
監督 キャラクターが増えます。セットも大きくなって、必ず面白くなることを約束します。
――ミッキー、ミニー以外にもキャラクターが出てくるんですね?
監督 まあ、あんまり言えないんですけどね。パブリックドメインでいじれるキャラクターが他にもいるので、ディズニー以外にもいろいろと登場しますよ。
プロデューサー 「あくまのくまさん」チームも、《ホラー・アベンジャーズ》みたいなの作ってますよね。だけど、僕らの作品はそれよりずっと規模が大きくなるはず。もちろん、《ミッキーの世界》であることは変わらないです。

「フェイバリットなホラー映画は…『クリッター』。……ウソです」(監督)
「日本だけの特別なロングバージョンを劇場で楽しんで!」(プロデューサー)

――お二人のオススメのホラー映画や影響を受けたホラー映画があったら教えてください
プロデューサー まず『エルム街の悪夢』ですね。子供の頃に見て、本当に怖かった。寝ている間も安心できない、夢を見ると死んでしまうというのはホラーとしても画期的でした。
監督 私のフェイバリットなホラー映画は…『クリッター』。
プロデューサー えっ、そうなの?
監督 うそです。真面目に答えるなら、『エイリアン』。
話自体はシンプルで、よくあるアイデアかもしれませんが、宇宙を舞台に、あそこまでリアルに緊張感を持たせた演出を最初にやったことが素晴らしい。まさにリドリー・スコットの頂点。世界観の構築といい、巧みで恐ろしく画期的な作品ですよね。
――では、最後にホラーファンに向けて一言。
監督 映画を楽しんでね。そして続編も見に来て~。
プロデューサー 本当にクレイジーでバカげたことを楽しんで作ったので、皆さんもぜひ見て下さい。
監督 ちなみに、日本で上映されるのは、日本のみの特別なバージョンです。世界中で公開されているものとは違って、日本だけ20分もの追加シーンが入っています。
――そうなんですか。具体的にどのシーンが追加されたんですか。
監督 “家”のシーンがありますよね。あれは日本版しか入っていない。
――ええっ、じゃあ、〇〇が飛び出すシーンとかですか。けっこうホラーの見せ場としても重要じゃないですか。
監督 そう。単なる水増しっぽい中途半端なディレクターズカット版じゃないんだ。
オリジナル版を撮り終えて、その後に追加で撮影したんです。
プロデューサー ロングバージョンだけに絶対に劇場で楽しんでほしいな。
――日本のお客さんは幸せかも。ありがとうございました。

【読者プレゼント】
『マッド・マウス ~ミッキーとミニー~』公開記念!
監督直筆の激レア“ミッキー”イラスト付きサイン色紙を抽選で一名様にプレゼント!


<応募方法>
応募締め切りは2025年4月3日(木)
応募方法は、WEB映画マガジン「cowai」twitter公式アカウント(@cowai_movie)をフォローし、該当するプレゼント記事ポスト(https://x.com/cowai_movie/status/1899824910236811502 )をリポスト(RT)してください。
<抽選結果>
締め切り後に抽選を行い、当選された方に「cowai」公式TwitterアカウントよりDMで通知させていただきます。当選品は郵送する予定です。(諸般の事情や、災害、キャンセル発生等やむを得ぬ事情で遅れる場合があります)
皆様のご応募お待ちしています!
【応募の注意点】
〇当選後に住所の送付が可能な方のみご応募ください(日本国内のみ有効)。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
〇当選品は映画配給会社よりご提供いただいたプロモーション目的の非売品扱いとなります。このため、傷や汚れ等があっても交換はできませんので、ご了承ください。
※非売品につき転売目的のご応募は禁止とさせていただきます。
〇当選のキャンセルが発生した場合は再度抽選を行う場合があります。
〇抽選結果や抽選経過に関して個別のお問い合わせには応じられませんので、あらかじめご了承ください。
絶賛公開中!『マッド・マウス ~ミッキーとミニー~』は、
日本公開に向け再構築された特別なディレクターズカット版で上映!

2023年末にアメリカにおける著作権保護期間が終了した短編アニメ『蒸気船ウィリー』。その主人公であるミッキーが今、ホラー映画界で大人気となっている。日本公開のスタートダッシュを切ったのは、血塗られたミッキーが若者相手に大暴れする衝撃的なビジュアルの『マッド・マウス ~ミッキーとミニー~』(3/7公開)。
著作権が切れるタイミングに合わせていち早く映画製作を進めていたスタッフが予告編動画を公開すると“ミッキー史上初のホラー映画”として話題沸騰。各国の大手メディアに大々的に取り上げられ、「世界的キャラクターが転換期を迎えた」と大きな注目を集めた。日本で情報が解禁されると「観るのが怖いけどとりあえず楽しみ!」「流れ的に日本公開も外さないと思っていた」など多くのコメントが集まった。
また、今回上映となるのは日本公開に向け再構築された“ディレクターズカット版”とのことで期待値は高まるばかりだ。
ちなみに筆者は、監督インタビューを敢行した際、どの部分が日本独自に加えられたのか、確認したが、ネタバレになるので詳しくは言わないが、ある“家”のシーンだ(見た人ならすぐわかる)。このシーンが「ある」と「ない」では、作品の印象ががらりと変わるぐらい、実は重要なシーン。特殊メイクを駆使したホラーシーンとしても見ごたえがあり、これを含めたディレクターズカット版で鑑賞できる日本の観客は幸せと言うほかはない。ぜひとも劇場で楽しんでほしい。

INTRODUCTION

短編アニメ『蒸気船ウィリー』(1928)でデビューしたミッキーマウス。
米国における著作権保護期間が2023年末で終了し、満を期して〝ミッキー史上初のホラー映画〟として登場。“ヤツ”が猟奇的殺人を繰り広げるスラッシャー描写、逃げ場のない密室シチュエーションからのサバイバル、そして事件の全貌が明かされていくサスペンスフルな構成。さらに誰もが仰天する大ドンデン返しや数々のオマージュ描写など、娯楽映画としての醍醐味がギュッと凝縮した21世紀最大の問題作だ!

誕生以来、年がら年中、愛想を振りまいて、みんなを笑顔にしてきた。
イヤなことや辛いこともある。
だけど悲しい顔は見せられない。
無理にでも笑顔でニコニコ。
そんなミッキーも、とうとう偽りの自分に限界を感じてしまった。
夢の国はつまらない―。
なぜか理由はわからないが、無性に人を殺したくなったんだ…。




STORY:
悪夢のようなアトラクションで、ボクと一緒に遊ぼうよ

21歳の誕生日を迎えるアレックスは、バイト先のゲームセンターで店長から残業を頼まれ、夜遅くまで働くことに。
一人きりの店内で不気味な人影を目撃した彼女は恐怖心を募らせるが、旧友たちによる誕生日祝いのサプライズパーティーであったことを知り安堵する。
だが、楽しい時間も束の間、彼女たちの前に謎の”ヤツ”が出現。
アトラクションを楽しむかのようにデスゲームを開始し、次々と血祭りにあげていく……!!



監督・制作・編集・撮影:ジェイミー・ベイリー 脚本・製作:サイモン・フィリップス 作曲:ダーレン・モルゼ
出演:ソフィー・マッキントッシュ、マッケンジー・ミルズ、サイモン・フィリップス、カラム・シウィック
2024 年/カナダ/英語/カラー/5.1ch デジタル/スコープサイズ/94 分/原題:MOUSE TRAP
www.hark3.com/mm
配給:ハーク 配給協力:FLICKK ©MMT LTD 2024. All Rights Reserved.
2025 年 3 月 7 日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開
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