人気連載企画「Jホラーのすべて 鶴田法男」第九回「検証!伝説的傑作『霊のうごめく家』はいかにして生まれたのか?(後編)~OV版『ほん怖』撮影秘話⑤~」 秘蔵資料と共に明かされるJホラー誕生の真実!

pick-up オススメ 連載・Jホラーのすべて 鶴田法男



Jホラーはいかにして生まれ、世界的に注目されるようになったのか?
“Jホラーを知り尽くした男”が明かす、Jホラーの知られざる舞台裏!

第8回は、いよいよ伝説的傑作『霊のうごめく家』です!



<「Jホラーのすべて 鶴田法男」連載バックナンバー>

序章「監督引退」
第一回「原点① …幽霊を見た… 」
第二回「原点② 異常に怖かった」
第三話「オリジナルビデオ版『ほん怖』誕生」
第四回「幻の『霊のうごめく家』初稿」
第五回「OV版『ほん怖』撮影秘話①」
第六回「誕生!“赤い服の女の霊”の真相(前編)OV版『ほん怖』撮影秘話②」
第七回「誕生!“赤い服の女の霊”の真相(後編)OV版『ほん怖』撮影秘話③」
第八回「検証!伝説的傑作『霊のうごめく家』はいかにして生まれたのか?(前編)~OV版『ほん怖』撮影秘話④~」 
第九回「検証!伝説的傑作『霊のうごめく家』はいかにして生まれたのか?(後編)~OV版『ほん怖』撮影秘話⑤~」
第十回「フジテレビ版『ほんとにあった怖い話』誕生秘話~」
番外編 伊藤潤二×鶴田法男スペシャル対談!

番外編「ほん怖2020」ミスター“ほん怖”こと鶴田法男監督インタビュー(前編)。「傑作『顔の道』の撮影の舞台裏とは?」

番外編「ほん怖2020」特別企画!ミスターほん怖”監督インタビュー(後編)

※他にも、関連記事が多数あります。随時リンクを貼っていく予定です。(それまでは検索でお探し下さい)

鶴田監督が小三の時に幽霊を見た自宅の廊下。男は突き当たりを襖をすっと抜けていった。連載第一回「原点①…幽霊を見た…」より







鶴田法男の映画をみよう。


一度本物の幽霊を見てみたいと思っている方に、鶴田映画をお薦めする。あそこに写っている幽霊は紛れもない本物だ。



                                黒沢清 (『亡霊学級』ちらし、1996年)





映画はおそろしい 新装版


この本では、『霊のうごめく家』の黒沢評が掲載されています。他にもホラーファン必読の内容。







イントロダクション

鶴田法男監督


『リング0』「ほんとにあった怖い話(ほん怖)」『おろち』などで知られる映画監督、鶴田法男

最近も、4年がかりで取り組んだ100%中国資本の新作ホラー・スリラー映画『ワンリューシュンリン(原題)』(网络凶鈴/網絡凶鈴)が2020年10月30日より中国全土約5,000館で公開されるなど、精力的な活躍を続けている。

手掛けた映画、ドラマ、ビデオ、小説は優に200本は超え、その多くが高い評価を得ている。

中でも、90年代初頭のオリジナルビデオ映画版『ほんとにあった怖い話』(その後、稲垣吾郎ホストでTVシリーズ化)などが、後の黒沢清監督(『CURE』『回路』『スパイの妻』)、中田秀夫監督(『リング』『事故物件 恐い間取り』)、清水崇監督(『呪怨』『犬鳴村』)らの作品に影響を与えたことで“Jホラーの父”“Jホラーの先駆者”と呼ばれている。

この連載企画「Jホラーのすべて」は、そんな彼の作品を中心に、創作の舞台裏や、演出の秘密に迫りながら、今一度、「Jホラーとは何か?」を検証し、その全貌を明らかにしていく。








今回の記事(第九回)を読まれる前に…



今回紹介する傑作『霊のうごめく家』は、伝説的なオリジナルビデオ版『ほんとにあった怖い話 第二夜』に収録されています(現在も放送されているフジテレビのドラマ版の前身というべき作品)。

鶴田監督のプロ監督デビュー作にして、Jホラーの原点というべきオリジナルビデオ版『ほんとにあった怖い話』シリーズ(全三巻/後にフジテレビでTVシリーズ化)。その記念すべき1作目が発売されたのは1991年7月5日。今年でちょうど30周年を迎えました。

記念すべき第一作・オリジナルビデオ(OV)版『ほんとにあった怖い話』VHSジャケット1991年7月5日発売。現在はVHS、DVD共に廃盤。





Jホラーの原点・OV版『ほんとにあった怖い話』を鑑賞する方法
ビデオマーケット、GYAO!、そしてAmazon Prime Videoが追加に


OV版「ほん怖」第三話「赤いイヤリングの怪」


Jホラー史においても非常に重要なオリジナルビデオ版『ほんとにあった怖い話』(以下、OV版「ほん怖」)ですが、ビデオ(VHS、DVD)が廃盤で、レンタルもほとんど流通していませんでした。

現在、シリーズ三作すべてがネット配信で鑑賞できるのがビデオマーケットです。
他にGYAOでは「ほんとにあった怖い話」と「ほんとにあった怖い話 第二夜」の二話を配信中。

その後、当サイトでの連載が続く中、7月発売の別冊映画秘宝「恐怖! 幽霊のいる映画」での鶴田監督インタビュー、「読売新聞 日曜版」(2021年8月15日)、雑誌「POPEYE」(9月号)などのメジャーなメディアで、鶴田監督とOV版『ほんとにあった怖い話』の記事が掲載されるなど、再評価の機運の高まりもあって、この秋より、Amazon Prime Videoにて配信がスタートしました。
チャンネルは「MEN’S NECO+オンデマンド」となります(「ほんとにあった怖い話」「ほんとにあった怖い話 第二夜」の二話が配信中)。

ほんとにあった怖い話


Amazon Preime Video

※画像クリックでAmazon Prime Videoの紹介ページを確認できます








このほかの主な鑑賞方法


ほんとにあった怖い話 
(一作目/1991年7月5日発売)「ひとりぼっちの少女」「幽体飛行」「赤いイヤリングの怪」収録

ほんとにあった怖い話 第二夜 
(二作目/1992年1月24日発売)「夏の体育館」「霊のうごめく家」「真夜中の病棟」

新ほんとにあった怖い話 幽幻界 
(三作目/1992年7月24日発売)「婆 去れ!!」「踊り場のともだち」「かなしばり」「廃屋の黒髪」

※タイトルのクリックで、ビデオマーケットの各作品の紹介ページを確認できます。




Yahoo!のGYAO!でも二作品がレンタル配信中(現在、期間限定でレンタル110円セール中)。

ほんとにあった怖い話

ほんとにあった怖い話 第二夜




さらに、東京・渋谷のSHIBUYA TSUTAYAでは、なんと最初のVHS版「ほんとにあった怖い話 第二夜」がレンタルできます。
筆者も実際に借りてみました。ジャケットはさすがに30年物ですが、もちろんデッキで再生できました。
発売当時のままの雰囲気で楽しむには最適のアイテムです。

実際に棚に並んでいたVHSジャケット。実際に借りて鑑賞しました。




今回の記事の参考に、未見の方はこの機会をお見逃しなく!












連載企画「Jホラーのすべて 鶴田法男」


第九回「検証!伝説的傑作『霊のうごめく家』はいかにして生まれたのか?(後編) ~OV版『ほん怖』撮影秘話⑤~」


■鶴田法男監督(以下、鶴田)、聞き手・福谷修(以下、福谷) ※は注釈

『霊のうごめく家』©1991朝日ソノラマ、ジャパンホームビデオ



福谷:前回に続いて、オリジナルビデオ版「ほんとにあった怖い話 第二夜」(以下、OV版「ほん怖」)に収録された第五話『霊のうごめく家』の検証です。言わずと知れた、黒沢清氏、高橋洋氏ら多くの人が絶賛する伝説的傑作です。この作品が生まれた背景をお聞きします


鶴田:わかりました。




脚本から削除されたスプラッタ描写


福谷:NHK-BSプレミアム「たけしのこれがホントのニッポン芸能史/ホラー」でも紹介された「夕食の時空の歪み(部屋に戻ったはずの娘が目の前にいる)の名シーンですが、原作にはありません。脚本のアイデアは鶴田監督ですか?脚本の小中(千昭)さんですか?
このシーンの撮影は私は勝手に編集の加工と思っていましたが、過去に発売されたDVDのコメンタリーでは「似た子を使った」ボディダブルによる、アナログのワンカット撮影と聞きました。
個人的には「未知との遭遇 特別編」の「砂漠の難破船」シーンが円谷英二方式の「砂漠の人々が見下ろす、砂漠の実景から、ミニチュアへのワンカット移動」に匹敵する素晴らしさです。
ホラーであえて近いと言えば、個人的には、マリオ・バーヴァの『ザ・ショック』の、少年が母親に走って近づいてきて、カメラを見切った直後に大人の男になって襲い掛かる見せ場の逆パターンのようにも見えました。
ダブルキャストのトリック自体は過去にあるかもしれませんが、ホラーでは珍しいと思いますが、いかがでしょうか。


鶴田:確かに原作にはこういうシーンは無いんですよね。でも、当初の小中さんの脚本では、母親の美津子が夜中にトイレに起きだして洗面台で手を洗っていると、目の前の鏡の中の自分の顔が崩れている様に見えてかきむしりだして血だらけになる、なんてシーンもあったんです。

福谷:脚本には、そんなスプラッタ・シーンもあったんですか?時代ですね。


鶴田:ええ。トビー・フーパー監督『ポルターガイスト』に似たシーンがあるので小中さんにそれを指摘したら「そういうシーンがないとホラーとして物足りないと思った」ということで『ポルターガイスト』の影響の否定はされませんでしたね。




スティーブン・スピルバーグが原案・製作・脚本・製作総指揮を手掛け、『悪魔のいけにえ』のトビー・フーバーが監督した超常ホラーの名作。顔面かきむしりシーンをはじめ、多くのシーンを実質、スピルバーグが撮影したといわれる
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鶴田:私が最初に書いた「証言形式」の脚本を小中さんが改訂したわけですが、その段階で足されてきた、「黒い服の男」の要素には感心しました。ですが一方、スプラッタ的描写も幾つか足されていて、そこは「違う」と思ってオミットしたんですよ。





鶴田監督が執筆した『霊のうごめく家』第一稿(証言形式)。鶴田法男所蔵。 


OV版『ほんとにあった怖い話 第二夜』決定稿(鶴田法男所蔵)




福谷:つまり、小中さんの『霊のうごめく家』の脚本は、当時流行の特殊メイクやVFXを取り入れた描写を盛り込んだ内容だったわけですか?


鶴田:はい、特殊技術を使わないとならない派手なアイディアが盛り込まれていましたね。あの『邪願霊』もクライマックスは特殊メイクがふんだんに使われているわけですから、小中さんはVFXがお好きな作家さんなんですよね。」



石井てるよし監督、小中千昭脚本『邪願霊』。『ほん怖』が“Jホラーの原点”ならば、『邪願霊』が“Jホラーの起源”と鶴田監督も衝撃を受けた、POVホラーの原点的傑作。Amazon Prime Video他で鑑賞可。
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鶴田:でも、私はそういう技術に頼らないアナログな方法で「心霊写真」的な恐怖を描きたかったんです。自分が見た幽霊は特殊メイクも合成も施されていない、普通の人でしたからね。その自分のリアルな恐怖体験を映画で再現したかったわけです。
ですから、小中さんの脚本をそのまま映像化したわけではなくて、最終的に私の思う形で脚本を書き直した。完成した作品を観た小中さんも「スプラッタな表現を削除したのは正解でしたね」と評価してました。『霊のうごめく家』は、その意味では監督と脚本家とで良い形でコラボできた作品だったと思います。












“夕食の時空の歪み”のシーンは、ロケハンをしたときに思いついた


福谷:なるほど。それで、話を戻しますが、「夕食の時空の歪み」はどのように思いついたのですか?


鶴田:福谷編集長も監督をされているので分かると思いますが、ロケハンをしてロケ場所の状況が分かると、そこで思いつく演出アイディアというのもありますよね。「夕食の時空の歪み」と命名してくださっているあのシーンは、ロケハンをしたときに思いついたのです。
小中さんの脚本には自分の部屋に入ったはずの娘が、実は母親の近くに居た、という怪異が記されていたわけですが、それをカットを割って見せたら説得力が無いと思ったんです。そこで、あの家の居間を舞台に、母親をセンターに据えて、その背後を娘が通過するときにスタンドインの女の子に入れ替わってもらえばワンカットで撮れると思いついたわけです。ですから、そのアイディアを成立させやすい形で脚本を書き直しました。その改訂稿に沿ってテーブルやテレビなどを美術で用意してもらいました。もちろん、娘の陽子役の小笠原亜里沙さんに似たスタンドインの女の子をキャスティングして、衣装を二着用意しました。

今、台本に目を通すと部屋のコーナーに置いてあるテレビモニターが「18インチ」とわざわざメモしてある。準備中に、何インチを置くべきか悩んだのを思い出しましたね。1984年の家族団らんの居間だと18インチくらいが妥当な気がするけど、絵に映ったときにテレビの存在が鬱陶しいかもしれない、16インチ以下にした方が良いのではないか? とかですね。お金が無いから幾つかテレビモニターを用意して現場で見比べて見るということが出来ないですから、頭の中で想像して決めるしかないんですよね(笑)。

福谷:あのシーンを最良の状態で成立させるためにテレビモニターのサイズにもこだわっていたということですね?


鶴田:まあ、格好良く言えばそういうことかもしれませんね……。

福谷:しかし、ボディダブルで撮るというアイディアは、低予算ホラーの現場ではなかなか特殊な撮り方ですよね。プロデューサーや関係者は不安がらなかったですか?


鶴田:実は、同様の演出を大学生の時に作った自主映画『トネリコ』でやってるんですよ。画面の奥の方にいた人物が、一瞬にして目の前に来るというショック演出をスタンドインのボディダブルでやっていたので、それを見せてプロデューサー連中を説得した記憶があります。

福谷:独創的な演出って、言葉で説明しても理解されないことが多いですよね。絵コンテでも難しい場合があります。自主映画の実例のシーンを見せて説得したというのは、ある意味珍しいと思いますし、素晴らしい。
今は『トネリコ』を観ることはできないんですか。


鶴田:既成の海外の音楽を使っているので、なかなか上映は難しいですね。




自主映画「トリネコ」ちらし。鶴田法男所蔵。





福谷:実は『トネリコ』は運よく鑑賞する機会に恵まれたのですが、鶴田作品の原点にして、すでにそのスタイルが完成されていることに驚かされます。印象的なカットや演出が多く、ダブルキャストはもちろん、ジャンプカットなどの編集や、カメラワーク、ライティングもその後の鶴田作品に通じる要素が目白押しです。私が過去に見た無数の自主映画のどれにも似ていない。オリジナリティあふれる意欲作です。確かに流血描写をアニメーションで処理したりとか、やりすぎ(こりすぎ)な部分はありますが、見るべき価値のある作品です。よく似た著作権フリーの音楽に差し替えてでも、なんとか上映して、一般の観客にも見てもらいたいですね。



『トネリコ』が紹介された雑誌「VZONE」創刊4号。鶴田監督所蔵。詳しくは連載第三回をお読みください。













『トネリコ』の演出の応用が『霊のうごめく家』になり、さらに『リング0』に発展した。


福谷:実は『リング0』でも同様のショック演出をやってますよね。
クライマックスで田中好子さんと麻生久美子さんの2人が森の中の小屋に逃げ込んだときに、窓外に居たはずの貞子が一瞬にして小屋の中に入ってくるという……。




Amazon Prime Video

リング0-バースデイー




鶴田:はい、あのシーンは全く同じ手法です。ボディダブルのスタンドインに窓外に居てもらって、小屋の中には仲間由紀恵の本物の貞子に居てもらいましたね。公開時に満杯の観客に混ざって観ていたら、あのショットで悲鳴が上がっていたので嬉しかったです(笑)。


福谷:ある意味、鶴田監督の独特の恐怖演出の一つだと思います。しつこいようですが、どこでその手法を思いついたのですか?


鶴田:それは、溝口健二監督『雨月物語』の演出がヒントになっていると思います。

戦国時代、田舎で貧乏暮らしをしている森雅之さん演じる陶工職人が一攫千金を夢見て町に出るけど夢破れて家に帰る決意をするわけです。家には田中絹代さん扮する美しい妻と、5、6歳の息子が待っている。男はこれから家族を大切にして暮らそうと思う。で、ある夜、男が久しぶりに帰ってくると家は荒れ果ててもぬけの殻なんですね。だから、妻と息子を探してぐるっと家の周りを回って再び戻ってくる。すると綺麗に片付いた家の中に妻と息子が当たり前のように居るわけです。で、男は「ああ、良かった」と2人に抱きついて、「これからはお前達を大事にするよ」と泣く。まあ、この田中絹代さんの妻はこの世の者ではないのですけどね。で、その森雅之さんが家に帰った一連の芝居をワンカットで撮ってるんです。1950年代の作品ですから合成なんて出来ない。だから、森雅之さんの芝居を追ってカメラの視点が家から外れている間に美術を組み替えて田中絹代さんが密かにセットに入るという神業的な撮り方をしているわけです。大学生の時に名画座でこれを観て、とても驚いたんです。ですから、それを応用してやってみようと思ったのが発端でしたね。




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福谷:では、『未知との遭遇-特別編-』や『ザ・ショック』の影響というわけではないわけですか?


鶴田:『ザ・ショック』のあのショットは素晴らしいですよね。




『ザ・ショック』マリオ・バーヴァの遺作。恐怖シーンで多くのフォロワーを生んだ。最近も『死霊館』ユニバースがインスパイアされていた。主演は『サスペリアPART2』のダリア・ニコロディ。DVD廃盤。中古流通のみ。




鶴田:また、『未知との遭遇』ならばデビルスタワーのモデルの前で寝てしまったリチャード・ドレイファスのショットが、ワンカットで夜から昼に変わる演出に大変に感心しました。あれは照明を変えてそれに併せて芝居をしただけですからね。ですから、それらの優れた映画監督達の演出を潜在的に参考にしていたとは思います。




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鶴田:でも、『トネリコ』を撮るときに一番意識したのは溝口健二監督の『雨月物語』でした。そして、その『トネリコ』の演出の応用が『霊のうごめく家』になり、さらに『リング0』に発展しました。実は、中国映画『ワンリューシュンリン(原題)』では、さらにひねって発展させてます(笑)。













あの家でロケできたのは幸運を通り越して奇跡的でした。


福谷:霊能者の段取りや作法は、脚本からのアイデアでしょうか。それとも演出の段階でしょうか。あるいは女優さんのアドリブでしょうか。


「霊のうごめく家」 ©1991朝日ソノラマ、ジャパンホームビデオ




鶴田:小中さんの脚本には段取りや作法までは書いてありませんでした。あの「印を切り作法」は助監督が調べてくれたものです。
一方、畳の上のアクセサリー類の並べ方は現場で私が思いついたものです。事前に霊能者さんについて調べていたら、「金製品の貴金属は邪気を寄せ付けない効果がある」とおっしゃっている方が居たのでそれを採用しました。ただ、儀式を行うときは外すとも書かれていたので外すことにしたわけですが、無造作に置くのは変だと思って現場であんな形にしてみました。そうしたら、鑑賞してくれた人達から、「あの置き方に意味があるんですよね?」と頻繁に尋ねられて、驚きましたね(笑)。

福谷: 娘のキャラも原作とは異なります。これも脚色のアイデアでしょうか。
娘が部屋で不気味な絵を描くというのは、スピルバーグの「恐怖の館(別名:ヘキサゴン)」などでもありましたが、創作のアイデアはありますか?
また、画もかなり不気味ですが、娘役の小笠原さんが描いているのでしょうか。


鶴田:あの芝居は小中さんが脚本で足してきた部分ですね。絵は助監督が9割方を描いて、それを本番で小笠原亜里沙さんに描き足してもらいました。

福谷:この作品に説得力を生み出しているのが、「家」と思います。
原作の家はもっと普通の家で、平屋という点を除いて、雰囲気がかなり違います。



©みつきけい/朝日新聞出版





福谷:映像では、もっと古くて不気味な家です。しかし、完全な古民家(旧家)でもない。
いわゆる、後の「Jホラーでよく見かける、ちょっと古い家」、そのイメージの原点ではないでしょうか。
原作とも違う、「Jホラーの家」のイメージはどのようにして生まれたのでしょうか。ある意味、(失礼かもしれませんが)ご自宅の幽霊を目撃した家の雰囲気にもどこか似ていると思います。



『霊のうごめく家』©1991朝日ソノラマ、ジャパンホームビデオ





福谷:少年時代の実体験がこの「霊のうごめく家」には濃厚に反映されているということでしょうか。


鶴田:『霊のうごめく家』に関しては、あの家でロケできたのは幸運を通り越して奇跡的でした。
あの家のロケが、この作品が30年経っても語られる大きな要因の一つになってますよね。
低予算だからセットを組むことなんか出来ません。とにかく、「築30年以上の古い家で手入れがされていないところ」、という条件で様々な家をロケハンして歩きましたね。でも、全然見つからなくて、撮影条件だけは便利な二階建ての家で撮ろうと腹をくくり始めた直後に、あの平屋に出会えたんですよ。クランクインの一週間前でした。見に行った瞬間に「これだ!」と私だけでなく関係者全員に笑みがこぼれました(笑)。

福谷:DVDのコメンタリーでも聞き手の人が話されていましたが、この手の家ホラーは、邦画でも、『スウィートホーム』のような洋館か、もしくは、横溝ミステリーのような時代がかった旧家が定番ですので、ある意味、“普通の日本の家が舞台”というのは画期的で革新的だったと思います(大林宜彦監督の『HOUSE』も洋館ですし、そもそも『たたり』も『回転』も『ヘルハウス』もすべて洋館の御屋敷なのですから)。



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鶴田:前述の通りで、あの家はクランクインの一週間前に奇跡的に出会ったものでした。でも、黒沢清監督が「幽霊屋敷ものは洋館でなければならないと思っていたのに、日本の日常的な家を舞台にして作られた『霊のうごめく家』には舌を巻いた」というようなことをおっしゃってましたよね。











小津安二郎がホラーを撮ったらどうなるか


福谷:家の中の雰囲気も、じめっとした、ほこりっぽい、あえて言うなら、後の『呪怨』『リング』っぽい雰囲気ですね。ライティングやレンズ、あるいはポスプロでのカラコレなどでは、どのようにこだわり、指示を出されたのでしょうか。また、撮影現場では、フォグ(スモークマシン。専用リキッドを入れて加熱することで、人工的に煙や霧のような効果を上げられる。ホラーの現場で重宝される)はたいていますか?


鶴田:フォグはたいてないです。でも、前にお話をしたとおりで、仕上げの時にかなり画質をいじってます。心霊写真っぽい画質というか、つまり、紙焼きの写真の、しかも、経年劣化で少し色が抜けたような感じですよね。そんな風にしようとしてましたね。

福谷:また、カメラワークもローアングルやアオリが多いのも、日本家屋を意識したものなのでしょうか(ある意味で小津っぽいですが)。『霊のうごめく家』は畳敷きの狭小空間が、OVらしい映像設計にうまくマッチして、独特の閉塞感や緊張感を生み出しているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。


鶴田:それは撮影の守谷保久さんの功績ですね。実は、準備中に「小津安二郎がホラーを撮ったらどうなるか、というような方針で撮りたい」と守谷さんに伝えました。








鶴田:本作を撮った1991年当時は、ホラーと言えば70年代に大ヒットした『エクソシスト』から始まり『ゾンビ』や『13日の金曜日』、『エルム街の悪夢』などの特殊メイクを駆使したスプラッタな西洋ホラーが主流でしたからね。









鶴田:しかも、「幽霊屋敷もの」と言えば、「洋館で起きるもの」という固定観念があった。あの黒沢清監督も先に記したようにその固定観念にとらわれていた。でも、私は普通の日本の家で幽霊屋敷ものは出来ると思っていました。それは狙ったわけじゃなくて、やはり子供の時に自宅で幽霊を見た記憶に起因しています。



鶴田監督が小三の時にこの階段を上ろうとして左手の廊下を歩く幽霊を見た。(鶴田監督撮影)詳しくは連載第一回を参照






福谷:「全体的に編集の間を長くゆったり取っている」のもJホラーらしい不気味さが感じられて印象に残ります。
当時の西洋ホラーはとにかく派手でどぎつく、スプラッタが売りで、本作はその正反対の位置づけです。
前作(OV版「ほん怖」一作目)は普通の間の編集と思いますが、この「霊のうごめく家」で編集の間を長く取るというのはある意味で冒険だったと思います。その後、この間の取り方はJホラーの一つの定番となり、ある意味でジェームズ・ワンの『死霊館』シリーズなどにも影響を与えていると思います。ご自身で編集をされたと聞きますが、本作における編集のこだわりがあれば教えてください。


鶴田:あの編集の間の取り方も、先にお伝えした「役者ではなくて空舞台を撮影する」というのと同じ考え方から生まれています。奇妙な「間」は、怪しい世界観を構築しますからね。多くの映画や映像ドラマは、人間が意味を考えながら作るわけですけど、それをわざと外すと怪しい世界観を生み出す効果がある。タルコフスキーやデヴィッド・リンチの作品は奇妙な間があるのが魅力ですけど、それは不気味でもありますよね。もちろん、おかしな間を付けると、「稚拙な映画」になる危険性は大いにはらんでいます。でも、「稚拙な映画」になる一歩手前あたりを狙う演出が独特な怪しさを生むんです。隙の無い良く出来た映画というのは、面白いけど逆に魅力薄になったりしますからね。




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“黒い服の男”を演じたのは、業界紙の編集長だった方なんですよ


福谷:キャストについて振り返ってください。
特に父親役の伴大介さんはリアルに「昭和のおやじ」っぽい雰囲気で作品に独特のリアリティを与えていると思います。そして、この起用が後の『リング』の伊熊平八郎役ににつながるのですから素晴らしい。
全く霊を信じていない、最後は家族を思って動揺する辺りも、霊が見える母娘との対比で、絶妙と思います。
また、小笠原さんの霊を見つめる眼差し(目力)や、無表情、不可解な表情も非常に印象に残ります。どのような演技指導をされたのですか?
また、「黒服の霊」の俳優はオーディションでしょうか。どんな演技指導をされましたか?



『霊のうごめく家』©1991朝日ソノラマ、ジャパンホームビデオ




鶴田:父親が心霊現象や霊能者を信じていないというのは、原作の中に「母が一番そういう体験をしました」と記されていたので、ということは「父親は体験してないのだな」と考えて生まれた設定です。それを私が証言形式の台本を書くときにポイントとして盛り込んでいた。更にそれを小中さんが膨らました結果ですね。
演技指導については前述したとおりで、「芝居をしないでください」と皆さんに言っていました。まったくひどい監督です。

「黒い服の男」を演じてくれた金箱和見さんは、当時、レンタルビデオ業界誌「コスモスネットワーク」(現・消滅)の編集長だった方なんですよ。私がレンタルビデオ業界に入って宣伝の仕事をしているときに仲良くなったんです。でも、色々とお話を伺ったら、実は男優の清水大敬さんとお芝居をしていたというんですよね。お顔の骨格が魅力的だし、声も渋くて、この人はただ者ではないと思っていたから「なるほどな」と思いました。実際、編集長をやりながら小劇場の芝居に出演したりしていましたしね。で、『霊のうごめく家』を作ることになったときに幽霊役をどうしようと伊藤直克プロデューサーと頭をひねってるときに、「金箱さんはどうでしょうね?」と伊藤Pに相談したら、「あ、いいんじゃない」ってなって(笑)。金箱さんはレンタルビデオ業界では有名な方でしたからね。

福谷:効果音SEやBGMも非常に印象的です。今も全く古びていません。
特に序盤の、廊下か聞こえる「足音」一つでも怖く感じます。
音に対するバランスやBGM、SEの演出も完璧に思いますが、最初からすべて計算されたことでしょうか。
こだわった点があれば教えてください。あるいは脚本を読みながら、とか、編集しながら考えられたのですか?


鶴田:音楽については前にもお話をしたように、この『ほんとにあった怖い話 第二夜』から尾形真一郎さんに任せるようになったので大変に満足しています。カーペンターの『ハロウィンⅡ』、『ザ・フォッグ』、ピノ・ドナジオ『デビルス・ゾーン』などのサントラをお渡しした記憶があるという話も前にしましたよね。それ以外に「ペンデレツキ」や、「ドーム」、「サード・イヤー・バンド」、「タンジェリン・ドリーム」などの当時の前衛的、先鋭的ミュージシャンのアルバムを色々と聴いて自分が撮った映像に合いそうな音楽を仮に当てて編集してました。それらの曲も尾形さんに参考として渡した記憶があります。

SEは戸辺豊さんに「なるべく生っぽい音を付けて欲しい」とお願いをしてお任せしましたけど、とても素晴らしい仕事をしてくれましたね。「生っぽくするなら、とにかく現場で様々な音を録ってください」と事前の打ち合わせで言われたので、現場で録れる音はなるべく録りました。廊下から聞こえる足音は現場で助監督が実際に演じた音をそのまま使ってます。


福谷: 撮影中、天気がとても良かった印象ですが(日差しが強い)、当時の低予算作品としては、かなり苦労して色調を調整されたと思います。「銀残し」みたいな、Jホラー独特の微妙に色あせた感じを苦労して引き出している気がしますが、色合いはどんなイメージで作られたのでしょうか。


鶴田:これは前述した通りです。紙焼きの少し色あせた心霊写真みたいな感じにしたかったのです。

福谷:最後に、コメンタリーでは「単純な仕掛けで、ちゃんとしっかり怖く見せることができる。それを自主映画から漠然と感じていた。それが結実した」と話されていました。まさに『霊のうごめく家』はそれを体現していたと思います。
30年前の作品が今も語り継がれ、多くの人に愛されている。唯一無二の傑作を生みだし、Jホラーというジャンルを確立された立場で、本作を通じて、あるいは現在のホラー業界に対して、何か思うことがあれば、お書きください。


鶴田:『霊のうごめく家』をそう言ってくださるのはとても嬉しいですし、実際、高い評価を得ているので17分程度の低予算の短編なのに、いまだにNHKや読売新聞、それに雑誌「POPEYE」などでも大きく扱ってくれる。本当にありがたいことです。でも、私自身は、OV『ほん怖』シリーズに影響を受けたとおっしゃってくれる黒沢清監督、中田秀夫監督、清水崇監督らのような大ヒット作も世界的な映画祭での評価も得られてないですからね。それに、私の場合、運命のいたずらでテレビの仕事で評価されましたけど、一部のテレビ関係者は人気の役者をキャスティングするために名の通った監督が必要なだけですからね。とにかく、自分は現在のホラー業界にものを申せるほど偉くないです。むしろ、まだまだ発展途上の監督なんで、残された人生の時間の中で頑張らないといけないと思うばかりですね。

福谷:ありがとうございました。



次回に続く (※近々に公開する予定です)







【鶴田法男プロフィール】

鶴田法男監督


1960年12月30日、東京生まれ。和光大学経済学部卒。
「Jホラーの父」と呼ばれる。大学卒業後、映画配給会社などに勤務するが脱サラ。
1991年に自ら企画した同名コミックのビデオ映画『ほんとにあった怖い話』でプロ監督デビュー。本作が後に世界を席巻するJホラー『リング』(98)、『回路』(01)、『THE JUON/呪怨』(04)などに多大な影響を与え、‘99年より同名タイトルでテレビ化されて日本の子供たちの80%が視聴する人気番組になっている。
2007年には米国のテレビ・シリーズ『Masters Of Horror 2』の一編『ドリーム・クルーズ』(日本では劇場公開)を撮り全米進出。
2009年、「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」コンペティション部門審査員。
2010年より「三鷹コミュニティシネマ映画祭」スーパーバイザーを務める。
角川つばさ文庫『恐怖コレクター』シリーズ他で小説家としても活躍中。


【主な映画】

『リング0~バースデイ~』(東宝/00)

『案山子/KAKASHI』(マイピック/01)

※ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2001、ファンタランド国王賞受賞

『予言』(東宝/04)

※ニューヨークトライベッカ映画祭正式招待作品

『ドリーム・クルーズ』(KADOKAWA/07)

※『Masters Of Horror 2』の一編として全米テレビ放映。

『おろち』(東映/08)

※釜山国際映画祭正式招待作品

『POV~呪われたフィルム~』(東宝映像事業部/12)

※2011南アフリカホラーフェスタ公式上映作品

   2011ブエノスアイレス・ブラッドレッド映画祭公式上映作品

『トーク・トゥ・ザ・デッド』(ダブル・フィールド/13)

『Z~ゼット~果てなき希望』(SPO/14)


【主なTV】

『ほんとにあった怖い話』シリーズ(フジテレビ/99~)

『スカイ・ハイ』シリーズ(テレビ朝日/03、04)

『ウルトラQ dark fantasy』(テレビ東京/04)

『ケータイ捜査官7』(テレビ東京/08)

『怪奇大作戦 ミステリーファイル』(NHK-BSプレミアム/13)


【主な書籍】

「知ってはいけない都市伝説」(KADOKAWA/監修/13)

「恐怖コレクター」シリーズ(KADOKAWA/監修&共著/15~)


鶴田法男website
http://www.howrah.co.jp/tsuruta/

twitter
https://twitter.com/NorioTsuruta








【最新情報】


中国本土で撮った新作映画『ワンリューシュンリン(原題)』
2020年10月30日中国5000館で公開!日本公開が待たれます!

https://youtu.be/jYB0R9AmdHw








(鶴田法男監督関連作品)

リング0 ~バースデイ~ [Blu-ray]



予言 [DVD]



おろち [DVD]


『恐怖コレクター』シリーズ累計60万部突破!

恐怖コレクター 巻ノ十六 青いフードの少年 (角川つばさ文庫)



「恐怖コレクター」のコミカライズが、2021年9月15日(水)発売の「月刊コミックジーン10月号」((株)KADOKAWA)より新連載スタートしました。

コミックジーン 2021年10月号

2021年9月15日(水)発売「月刊コミックジーン10月号」((株)KADOKAWA) 画像クリックでAmazonの紹介ページを確認できます


怪狩り 巻ノ五 せまりくる悪夢 (角川つばさ文庫)



『みんなから聞いた ほっこり怖い話(1)/幽霊の道案内』絶賛発売中!
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鶴田法男Presents、サウンド・ホラー『THE PARANORMAL TELLER』無料配信中!

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https://spinear.com/shows/the-paranormal-teller/









【聞き手・福谷修プロフィール】

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: profile-アイキャッチ-300x158.png

「DVD&ビデオでーた」(角川書店)などの映画雑誌のライターや、構成作家を経て、2000年に自主製作したオカルティック・ラブストーリー『レイズライン』にて、みちのく国際ミステリー映画祭オフシアター部門グランプリ受賞。2003年、プロ映画監督デビューした日本香港合作ホラー映画『最後の晩餐-The Last Supper』(加藤雅也主演)でスコットランド国際ホラー映画祭準グランプリ受賞。その後、『こわい童謡 表の章/裏の章』(多部未華子、安めぐみ主演)、『渋谷怪談 THEリアル都市伝説』(石坂ちなみ主演)、『心霊病棟 ささやく死体』(芳賀優里亜主演)、『劇場版 恐怖のお持ち帰り』(馬場良馬主演)など、数々のホラー映画を監督する。また、NintendoDSのホラー・アドベンチャーゲーム『トワイライトシンドローム 禁じられた都市伝説』の監督・シナリオを担当するなど、映画以外のホラー作品も手がける。作家としても、『渋谷怪談』(竹書房)でデビュー後、『子守り首』(幻冬舎)、『心霊写真部』(竹書房)、『霧塚タワー』『鳴く女』『怪異フィルム』(TOブックス)など著作多数。

中でも、『心霊写真部』は2010年に中村静香主演でDVDドラマ化され、一度は打ち切られたものの、ニコ生ホラー百物語などで再評価され、人気が沸騰。クラウドファンディングを経て、2015年に『心霊写真部 劇場版』(奥仲麻琴)、2016年『心霊写真部リブート』(松永有紗主演)が製作される。

2018年、アニメーション作家、坂本サクが監督を務める劇場用ホラー・アニメ映画『アラーニェの虫籠』(花澤香菜主演)を製作・監修・プロデュース。本作は、アニメ映画祭の世界最高峰、アヌシー国際アニメーション映画祭にて正式上映された他、四大アニメ映画祭の一つ、ザグレブ国際アニメーション映画祭の長編コンペティション部門にノミネートされるなど、ドイツ、カナダ、台湾など、世界中の国際映画祭で招待上映され、好評を博した。新作はホラー・アニメ映画『アムリタの饗宴』(製作・プロデュース・監修)で2021年公開予定(令和二年度文化庁文化芸術振興費助成作品)。他に実写のホラー映画を準備中。

twitter
https://twitter.com/o_fukutani


(福谷修関連作品)

アラーニェの虫籠 [Blu-ray]


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