高橋洋×鶴田法男スペシャル・ホラー対談➁“幻のホラー映画”に通じる『ザ・ミソジニー』の面白さとは!?【人気連載】『Jホラーのすべて』《特別編》!サイン入りパンフもプレゼント!

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“Jホラーを知り尽くした男たち”が明かす、Jホラーの知られざる舞台裏!
今回は《特別編》『ザ・ミソジニー』応援企画!
「高橋洋×鶴田法男スペシャル・ホラー対談➁~読者プレゼント付き!~」




(2022年9月22日掲載)

人気連載企画『Jホラーのすべて 鶴田法男』は《特別編》。公開中の『ザ・ミソジニー』応援企画「高橋洋×鶴田法男スペシャル・ホラー対談」➁を掲載します。

さらに抽選で二名様にお二人のサイン入りパンフレットをプレゼントします(応募方法は記事の後半に掲載)。




<バックナンバー>

序章「監督引退」
第一回「原点① …幽霊を見た… 」
第二回「原点② 異常に怖かった」
第三話「オリジナルビデオ版『ほん怖』誕生」
第四回「幻の『霊のうごめく家』初稿」
第五回「OV版『ほん怖』撮影秘話①」
第六回「誕生!“赤い服の女の霊”の真相(前編)OV版『ほん怖』撮影秘話②」
第七回「誕生!“赤い服の女の霊”の真相(後編)OV版『ほん怖』撮影秘話③」
第八回「検証!伝説的傑作『霊のうごめく家』はいかにして生まれたのか?(前編)~OV版『ほん怖』撮影秘話④~」 
第九回「検証!伝説的傑作『霊のうごめく家』はいかにして生まれたのか?(後編)~OV版『ほん怖』撮影秘話⑤~」

第十回「フジテレビ版『ほんとにあった怖い話』誕生秘話~」


鶴田監督が小三の時に幽霊を見た自宅の廊下。男は突き当たりを襖をすっと抜けていった。連載第一回「原点①…幽霊を見た…」より





【前回(第一回)の対談】










今回のスペシャル・ゲスト、高橋洋監督長編最新作『ザ・ミソジニー』絶賛公開中!
不気味な洋館、呪われた事件を演じる二人の女優。
彼女たちに憑依したのは「役」なのか「霊」なのか



『リング』の脚本などを手掛け、Jホラーを語るうえで欠かせない人物であり、監督としても異色作を連発する鬼才、高橋洋の最新監督作『ザ・ミソジニー』が9月9日(金)よりシネマカリテほかにて全国順次公開中だ。

高橋監督は90年に脚本家としてデビュー後、中田秀夫監督『女優霊』(95)『リング』(98)『リング2』(99)や、鶴田法男監督『リング0 バースデイ』(00)などの脚本を手掛け、 世界中にJホラーブームを巻き起こした。

04年に『ソドムの市』で初長編を監督。その後もコンスタントに監督作を発表し続け、18年は監督作『霊的ボリシェヴィキ』を公開。『ザ・ミソジニー』は4年ぶりの長編最新作となり、中原翔子、河野知美、横井翔二郎らが出演する。







『ザ・ミソジニー』本予告編








「Jホラーのすべて」《特別編》
映画『ザ・ミソジニー応援企画
高橋洋×鶴田法男スペシャル・ホラー対談



高橋洋 鶴田法男





鶴田法男監督が明かす
“幻のホラー映画”に通じる『ザ・ミソジニー』の面白さとは!?


© 2022『ザ・ミソジニー』フィルムパートナーズ




高橋 そうだ。鶴田さんがなんか『ザ・ミソジニー』を見た後に思い出した作品があるって言ってくれた、なんでしたっけ?テレビ放映の?

鶴田 『怪奇!戦慄の怪人/オカルトショック』(1973)

――また、マニアックな(笑)。

高橋 監督が『家』の?

鶴田 そう、ダン・カーティス。

高橋 作品(『ザ・ミソジニー』)を見て思い出されたって言っていたから、僕はすごい気になってるんですけど。

鶴田 テレビムービーなんですけど、僕もすっかり忘れてたのに、これ(『ザ・ミソジニー』を)見終わった時、「あ、『オカルトショック』みたいだ」って、なぜかそう思ったんですね。どうしてかというと、主人公のロイ・シネスはテレビドラマ「インベーダー」の主演なんですけど、彼(演じる、超常現象を追う怪奇作家の主人公ノ―リス)が、書斎でテープに自分の取材してきたものを吹き込んだりとかしていると、何か怪しいことが起きたりするって展開で始まった記憶があるんです。それがミソジニーのしょっぱなの、中原翔子さん演じる(作家の)ナオミが、モニター越しに(女優の)ミズキとやりとりしているところと、ぱっとイメージが重なったんです。


© 2022『ザ・ミソジニー』フィルムパートナーズ




鶴田: 同じダン・カーティスの『家』もそうなんだけど、(同様に監督したテレビムービーの)「事件記者コルチャック」とか、かつて僕が夢中になって見た、あの手の作品と同じ感触があるって思えちゃって。

高橋 そうか、70年代のね、オカルト映画の感触がベースにあるのかな。

鶴田 当時の、60年代70年代のテレビムービーって、映画に比べると予算が少ないから、どうしても登場人物を絞って、場所も限定していく作り方をしていて、最たる例が、映画だけど『十二人の怒れる男』でしょ。一つの空間で1時間半なり2時間半なりを作ってしまうっていう、やり方がすごい演劇的じゃないですか。だから、今、高橋さんが取り組んでらっしゃる作品と非常に似てるところがあったと思ったんです。

高橋 『オカルトショック』って、どっか見られるんですかね。

鶴田 DVDとか出てないみたいですね。
まあ、僕の記憶が正しいかどうか怪しいんですけど、とにかく何か怪人が襲ってくる作品なんですよ。

高橋 そんなわかりやすい映画なんですか。怖そうだけど。


※日本ではほとんど見る機会がありませんので、YouTubeにアップされている『怪奇!戦慄の怪人/オカルトショック』の動画(原題『The Norliss Tapes』)を紹介します。





鶴田 よく覚えてるのは、夜中にカーテンを閉めた部屋に女性がいるんだけど、窓の外に何か気配があるんです。なんだろうと思って、恐る恐る近づいていって、カーテンぱっと開けると、おぞましい顔をした怪人が覗き込んでる!って。それを、子供の時見て、もう飛び跳ねたんです。
(※問題のシーンは動画の53分過ぎから)
あのショックは強烈で、でも、例えば『ジョーズ』の有名なボートの穴の開いた所に顔が出てくるとか、『キャリー』のラストの手が飛び出てくるとか、そういうびっくりするシーンって、劇場の暗い空間で集中して見てるから、びっくりさせることはできるんだろうって僕は思ってたんです。だけど『オカルトショック』を見た時、当時のテレビだから、そんなに大きなモニターじゃないし、周りは家族が食事を終えて、けっこうざわざわしていたにも関わらず、カーテンを開けた瞬間に顔が出てきて、すごくびっくりしたんです。映画館という特殊な空間じゃなくても、これだけのショックを与えることができるんだ、って。要するに観客や視聴者をしっかり引き込んでしまえば、どんな状況だって驚かせられるし、楽しませられるんです。だから『ザ・ミソジニー』って、すごくわかりづらいんだけど、僕はその世界に入り込めたから、面白かった。無理に「理解しよう」とは思わなかったからなんですね。





高橋 確かに、理屈で整合性を追い出すとわけがわからなくなるけど。目の前で展開してることに感覚だけで楽しんでほしいのはありますね。

鶴田 高橋洋の感覚を楽しめる作品になっているなあと。もう本当に失礼な話なんですけど、高橋さんの監督作『恐怖』を見た時、理解しようとしちゃったんですよ。だから、よくわからないっていう。でも、この作品に関しては、見終わってしばらくしても、理解できないって考えることはなかったんですよね。何て言うのかな、ある意味、今回は観客に優しい、わかりやすい作り方をされたのかな。
実は(高橋さんが)『恐怖』をお作りになった直後に、テレビ「ほんとにあった怖い話」で片平なぎささんにご出演いただいて、衣装合わせの時に片平さんに「高橋洋監督は、どうでした?」って聞いたんですよ。

高橋 (笑)

鶴田 そしたら片平さんが「いやあもう本当にピュアな方で、映画お好きなんですよね。素敵な方で楽しかったです」って。

高橋 なぜか女優さんからそう言われるよね。

鶴田 あっ、そうなんですか。

高橋 ピュアなんですって(笑)。

鶴田 やっぱり高橋さんって映画原理主義というか、映画そのものが好きで、片平さんのおっしゃるように、映画少年がそのまま映画親父になっちゃった感じがすごいして、汚れていないような。

高橋 うん、まあ。(照れ笑い)

鶴田 全然汚れなき状態で映画をお作りになっていく感じがあって。だから、それはついていけないときがあるんだけど、ちょっと言い方が変かも知れないんですけど、『ザ・ミソジニー』ってちょっと汚れたかも知れないなって。観客にわかりやすくしてくれた気が、僕はしました。

高橋 嬉しいですね、一般の人の反応とは相当違うかもしれない(笑)。




© 2022『ザ・ミソジニー』フィルムパートナーズ












「深紅のドレスの誘惑が断ち切りがたく…『CURE』に対抗しようって」(高橋洋)





鶴田 今回のキャメラの方は初めてなんですか。

高橋 キャメラマンの中瀬(慧)君は今までも短編の『夢の丘』とか参加してもらっています。塩田さんの『麻希のいる世界』(2022)もやっていますね。たぶん、これから引く手あまたになるんじゃないか。

鶴田 なるほど。

高橋 スタッフは、(映画)美学校で昔教えた人たちで、今はプロでバリバリの人たちに来てもらいました。

鶴田 衣装は?

高橋 (衣装の)藤崎(コウイチ)さんは初めて組んだ人です。藤崎さんの世界と僕の世界を融合させようというのが河野さんのそもそものコンセプチにあって、かなり贅沢な衣装なんですが全部、藤崎さんが調達してくれた。

鶴田 この赤いドレスも。


© 2022『ザ・ミソジニー』フィルムパートナーズ




高橋 そう。前言いましたっけ、(鶴田監督のOV版「ほん怖」の)「夏の体育館」の(回で)“赤いドレスの女(の霊)”が出てきて、黒沢(清)さんが(影響を受けて)以降、“赤いドレス”をやり続けて、黒沢さんがそればっかやってるから、赤いのはやめようと思った。だから、貞子もそうですけど、白でいくと。ずっと白でしかやってなかったんですけど、今回、藤崎さんが深紅のドレスを用意してくれて、その誘惑が断ち切りがたく。これはもうフィーチャーしようって決めて、思いっきりやっちゃいましたね(笑)。『CURE』の、クリーニング屋(のシーン)で赤いドレスが出てくるんだけど、あそこに対抗してみようみたいな(笑)

鶴田 僕も正直、赤いドレスは黒沢さんの持ち芸みたいになったから悔しいので(笑)、ちょっと赤以外をやってみようと思って、実はテレビの「ほんとにあった怖い話」とかで、赤じゃないやつはやってはいるんですけどね。

高橋 『戦慄のリンク』(※鶴田監督の新作。詳細は記事の後半で)は、あれは白で。

鶴田 白です。あれも最初、白じゃなくて、いろいろ他のことも考えたんですけど、結局、赤か白なんですよね。
あと、中国で赤って、幸福のイメージがあって。

高橋 そうなんですか、へえ。

鶴田 旧正月、真っ赤になっちゃうんですよ、街全体が。だから赤はやっぱ違うのかな。

高橋 今度来る台湾ホラーには『紅い服の少女』って作品が。

鶴田 ありますね。

高橋 あれ、なんか昔からある伝説みたいですけどね。台湾はどうなんだろうな。

鶴田 台湾はよくわからないんですけど。とにかく中国は気をつけないと、どこに地雷があるかわかんないから(笑)。ちょっと怪しいことは避けるという。これが『戦慄のリンク』の現場で学んだことですね。


© 2022『ザ・ミソジニー』フィルムパートナーズ












「もっと広い意味で<日本発のホラー>を作っていけばいい」(高橋洋)

© 2022『ザ・ミソジニー』フィルムパートナーズ




高橋 さっき鶴田さんが『ザ・ミソジニー』が「わかりやすい」と言ってくれたんですけど、『霊的ボリシェヴィキ』の方が構造としたらシンプルでしょ。百物語やって最後にお化けが出るっていう。

鶴田 そうですね。

高橋 (『ザ・ミソジニー』のように)誰がどういう人格かとか、そんな曖昧みたいなことはなく、むしろ人格がはっきりしている。だからミニシアターで(『霊的ボリシェヴィキ』を)上映した時、支配人さんから声をかけてもらって、「これは発想がメジャーですよね」って言われたんです。これは、一瀬(隆重)さんとこのJホラーシアターで最初に書いた脚本がベースで、その時は「これは駄目よ」って言われて、それで『恐怖』に変わったわけですけど、ある種のわかりやすさが絡んだのは、むしろ『霊的ボリシェヴィキ』の方かなと思っていたので。今日、鶴田さんの話を伺って結構意外でしたね。

鶴田 僕は『霊的ボリシェヴィキ』は、確かにわかりやすいっちゃわかりやすいんだけど、申し訳ないんですけど、あの手合いの作りって、深夜のドラマでもあるよなって。いや、別にこれ高橋洋がやらなくていいんじゃないのって、僕は思っちゃった。

高橋 なるほど。

鶴田 仮に、語るだけじゃなくて、ちゃんと再現ドラマ的なオムニバスになってくるんだったら、全然ありなんですけど…。でも逆に『ザ・ミソジニー』って、簡単に言うと、映画じゃないですか。すごくしっかりした映画。そういう目線で見た時、『霊的ボリシェヴィキ』は作品としてはわかりやすいけど、映画としてはわかりづらかった。たしかゴダールがそんなこと言ってた。作品にはなってるんだけど、映画にはなってない、みたいな。だから『霊的ボリシェヴィキ』は、作品としてはすごくしっかりしてるけど、映画としてはいかがなものかなと思っていて、『ザ・ミソジニー』は作品としてはちょっとわかりづらいんだけども、映画としての完成度がすごく高い気がしたんです。後者は僕はとても気持ち良かった。次から次へとイメージがダーッと流れ込んできて、映画的イメージが横溢してますよ。それを、お客さんに有無を言わさず浴びせていく。


© 2022『ザ・ミソジニー』フィルムパートナーズ




高橋 ふーん。そうですか。

鶴田 それと、出だしの音楽が良かったですね。

高橋 うん、いつも組んでる長嶌(寛幸)さんの音楽です。

鶴田 そうなんですか。でも圧倒的に音楽が今回よかったな。かっこいいんですよね、映画としてね。

高橋 “かっこいい”のは、いつも基準に置いています。かっこよければいいって、本気でそう思いますね。自分ではあまり気づいてないんだけど、現場でも言ってるらしいです。「今のかっこいい」「かっこよかったからOK」みたいな。

鶴田 かっこよかったですよ。あとなんだろ。ラリー・コーエン的な(笑)、とんでもないとこに飛躍してるじゃないですか。

高橋 ええ。

鶴田 そこまでやっちゃうの?みたいな(笑)。その喜びというかですね。たまらんものがあったんですよね。

高橋 いやあ、うれしいですね。

――高橋さんご自身は『ザ・ミソジニー』の出来栄えとか手応えはどうなんですか。

高橋 もう自分のコントロールをほぼ離れた作品として、手応えは確かに今までで一番ある感じがしますね。これまで自分がなんとかしようとして、かろうじて作品や商品になってきたものがあったんだけど、今回は良い意味で無責任になれるようなところまでいけた気がしました。それがさっき言った鶴田さんが言った「汚れ」なのかもしれないね(笑)。


© 2022『ザ・ミソジニー』フィルムパートナーズ




――せっかくお二人が顔を合わせたんですから、Jホラーや海外のホラーで思うことがあったら、お願いします。

高橋 僕は、Jホラーっていう、昔、ブランド名を付けられたものに全然こだわるつもりはなくて、もっと広い意味で「日本発のホラー」を作っていけばいいんだってことですよね。昔、一定の効果があった幽霊表現とか、それにただ単に依存していたらダメなので、(これからの人は)新しいアプローチの仕方を考えてほしいですね。
台湾とか海外は勢いがあって。タイの『女神の継承』は見ていないんですけど、僕自身も仕事の関係で、台湾のホラーは見てたんですけど。Netflixの『呪詛』とかね。でも、あんまりいいのがないっていうのが正直なところですね。見てます、あの辺って?

鶴田 僕は『呪詛』は見たんですけど、正直ちょっと…。なんで、こんなに受けるのっていう。

高橋 うん、もっと出来がいいの、いっぱいあるよ、怖いのいっぱいあるでしょ、みたいな。まだ決定的なものが出てないなっていう感じはあります。その中で『哭悲』は面白かったんですよ。ちゃんと新しいものをやるぞというアイディアがあって。
でも、これも最近あちこちで言うんだけど、鶴田さんたちがJホラーの第1世代だとしたら、清水崇と白石晃士さんが現れて、第一世代がやったことを更新して面白くして、変質させてきたんだけど、その彼らだってもう20年選手でしょ。その後の何か、タイトルで言えば一つの指標になるようなものを打ち出している人がまだいないなって。そこは不思議に思いません?

鶴田 いや思います。ただ、それは日本の映画産業の衰退というか、限界が大きく要因しているじゃないかな。そう、おととい、『NOPE/ノープ』を見たんですけど、やっぱり90億円かけて、ああいうことができるようになっちゃうってのがハリウッドというか。

高橋 あんなネタに90億っていう意味ですか。

鶴田 そうそうそう。

高橋 そうか。そうなんだ。

鶴田 テーマ性とかひっくるめて、やっぱりすごく新しいというか、今作るべき作品なんですけど、それにしたって基本は円盤が襲ってくるだけの映画ですからかね。

高橋 そうなんだ。

鶴田 本当にハリウッドって、そこはすごくて。ジェームズ・ワンなんかもいて、それこそジョーダン・ピールみたいな人も出てきていて、もう次から次へ新しい才能が現れて実績を残す、評価を得ていくわけじゃないですか。
だけど、日本ってこう未だに僕や高橋さんがあれしてるっていう、どうなのって(笑)。
清水崇はやっぱり立派ですよ。村シリーズであれだけ当ててきて。でも、彼だってもう若手ではないわけじゃないですか。
やっぱり今の20代とか30代から頑張って作って出てきてほしい。あと、僕らもそうだけど、(映画会社は)もっと映画にお金を出してほしいですね。

高橋 『死霊館』も韓国では大ヒットしてるけど、日本での公開はぱっとしなかったそうですね。

鶴田 ヒットしてないの日本だけじゃないですかね。

高橋 だから日本ではホラーというのは、商売としてどんどん小さくなっている。なかなか新人が、それなりのお金をかけて新しい作品でデビューするっていう流れが起きにくいですよね。
今は角川がやっている『貞子』と、東映がやってる清水君の(シリーズ)、あと松竹が中田(秀夫)さんで、どれも(興収が)5億円ぐらいはいってるから続くという。それはそれで定番路線として、やっていってくれればいいんだけど、一方で、新しい才能を発掘してくれないかなって期待してんだけど、そっちがなかなか海外のようにはいかないですね。

鶴田 それこそ映画美学校の高橋さんが。

高橋 いや、子供の頃、Jホラーにガーンと影響を受けて、映画美学校に来るっていうパターンは結構あるんですよ。だから、ホラーを志す人たちはいますが、割とコアな人たちになっちゃってて。「メジャーな商品を一発出して当ててやるぜ」みたいに、最初、インディペンデントのコアな作品を作って、誰か買い手がついて、大きい映画にステップアップするという流れが彼らにとってはステイタスだと思うんですけど、結局、観客がついてこないというところで止まってしまうんですよね。
それが台湾や韓国だと、もう作れば当たるみたいな。その土壌の違いは何だっていう。

鶴田 観客の意識というか。観客が映画を育てる、応援する熱気のようなものはあまりないですよね。今の日本には。

――かつてのビデオレンタル店のOVホラーのような熱気ですか。

高橋 むしろYouTubeなんかの方が、今はそういうものが得意な人たちが現れてますよね。

鶴田 そうですね。




<つづく>

次回は9月24日(土)夜の予定です。(25日になるかもしれません)





【『ザ・ミソジニー』関連インタビュー】









【読者プレゼント】
映画『ザ・ミソジニー
サイン入りパンフレットを抽選で二名様にプレゼント!




<応募方法>

応募締め切りは2022年9月30日()
応募方法は、WEB映画マガジン「cowai」twitter公式アカウント(@cowai_movie)をフォローし、該当するプレゼント記事ツイート( https://twitter.com/cowai_movie/status/1572975897241849856 )。


<抽選結果>

締め切り後に抽選を行い、当選された方に「cowai」公式TwitterアカウントよりDMで通知させていただきます。
当選品の色紙は宅急便で発送する予定です。(諸般の事情や、災害、キャンセル発生等やむを得ぬ事情で遅れる場合があります)



皆様のご応募お待ちしています!


【応募の注意点】

〇当選後に住所の送付が可能な方のみご応募ください(日本国内のみ有効)。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
〇当選品のパンフレットは劇場でも販売されていますが、今回のプレゼントは映画配給会社よりご提供いただいたプロモーション目的の非売品扱いとなります。このため、傷や汚れ等があっても交換はできませんので、ご了承ください。
※非売品につき転売目的のご応募は禁止とさせていただきます。
〇当選のキャンセルが発生した場合は再度抽選を行う場合があります。
〇抽選結果や抽選経過に関して個別のお問い合わせには応じられませんので、あらかじめご了承ください。












【高橋洋プロフィール】

高橋洋監督   © 2022『ザ・ミソジニー』フィルムパートナーズ



1959年生まれ。90年に脚本家としてデビュー後、中田秀夫監督『女優霊』(95)『リング』(98)『リング2』(99)、鶴田法男監督『リング0 バースデイ』(00)などの脚本を手掛け、 世界中にJホラーブームを巻き起こした。

04年に『ソドムの市』で初長編を監督。その後『狂気の海』(07)、『恐怖』(10)、『旧支配者のキャロル』(11)と監督作を発表。 17年には黒沢清監督『予兆 散歩する侵略者』の脚本を手掛け、 18年は監督作『霊的ボリシェヴィキ』を公開。21〜22年は『うそつきジャンヌ・ダルク』、『同志アナスタシア』を監督し、オンラインで現在公開中。






【鶴田法男プロフィール】

鶴田法男監督


1960年12月30日、東京生まれ。和光大学経済学部卒。
「Jホラーの父」と呼ばれる。大学卒業後、映画配給会社などに勤務するが脱サラ。
1991年に自ら企画した同名コミックのビデオ映画『ほんとにあった怖い話』でプロ監督デビュー。本作が後に世界を席巻するJホラー『リング』(98)、『回路』(01)、『THE JUON/呪怨』(04)などに多大な影響を与え、‘99年より同名タイトルでテレビ化されて日本の子供たちの80%が視聴する人気番組になっている。
2007年には米国のテレビ・シリーズ『Masters Of Horror 2』の一編『ドリーム・クルーズ』(日本では劇場公開)を撮り全米進出。
2009年、「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」コンペティション部門審査員。
2010年より「三鷹コミュニティシネマ映画祭」スーパーバイザーを務める。
角川つばさ文庫『恐怖コレクター』シリーズ他で小説家としても活躍中。










フライヤー












『ザ・ミソジニー』サウンドトラック SOUNDCLOUDにて公開中












STORY

© 2022『ザ・ミソジニー』フィルムパートナーズ




女優で劇作家のナオミ(中原翔子)は一夏借りた山荘で、かつて自分の夫を略奪した女優ミズキ(河野知美)を呼び寄せ、芝居の稽古を始める。題材となるのはある謎めいた母親殺しの事件だった。マネージャーの大牟田(横井翔二郎)と共にやって来たミズキは、母親を殺した娘の役を演じるにつれ、事件が起きたのはこの屋敷ではないかと疑い始める….。


© 2022『ザ・ミソジニー』フィルムパートナーズ


※ミソジニー(英: misogyny):一般的には「女性嫌悪」「女性蔑視」と訳される。その根幹にあるのは、男性支配の秩序から女性が逸脱することへの強い抵抗や反発だとされ、広い意味での偏見や性差別とは異なる。男性のみならず、女性にも見られる心的傾向と言われる。 





『ザ・ミソジニー』特報予告編











高橋洋監督作品














【作品概要】



『ザ・ミソジニー』

2022年/日本/77分/カラー/シネマスコープ/ステレオ/DCP/映倫G

出演:中原翔子 河野知美 横井翔二郎 浅田麻衣 内田周作 羽柴有吾 根津麻里亜 大橋将太郎 古山憲太郎

脚本・監督:高橋洋 企画・エグゼクティブプロデューサー:河野知美(古山知美) ラインプロデューサー:大日方教史 助監督:海野敦 撮影:中瀬慧 照明:玉川直人 音響:川口陽一 美術:山本直輝 スタイリングディレクター:藤崎コウイチ 編集:木田龍馬 音楽:長嶌寛幸

製作・配給:『ザ・ミソジニー』フィルムパートナーズ/屋号 河野知美 映画製作団体/Ihr HERz株式会社  配給協力・宣伝:プレイタイム 
© 2022『ザ・ミソジニー』フィルムパートナーズ

■公式サイト:misogyny-movie.com
■Twitter:@TakahashiHorror
■Instagram:takahashihorror




9月9日(金) シネマカリテほか全国順次ロードショー










【鶴田法男監督最新作『戦慄のリンク』】
Jホラーの父が仕掛けた、
ネット小説が洗脳する恐怖の深淵を描くAIサスペンス・スリラー



1990年代初頭、ビデオ映画「ほんとにあった怖い話」(現・フジテレビでドラマ化。記事後半に最新情報あり)を手掛け、世界を席巻するJホラーを生んだ監督たちに多大なる影響を与えた“Jホラーの父”であり、関連シリーズ76万部突破「恐怖コレクター」の小説家でもある、『リング0』『おろち』の鶴田法男監督。
当サイトでも「Jホラーのすべて 鶴田法男」を好評連載中の彼が中国で新たに仕掛けた、AIサスペンス・スリラー『戦慄のリンク』(原題・網路凶鈴)が、12月23日(金)より新宿シネマカリテほか全国ロードショーが決定し、日本版ポスターの解禁となった。

この度、公開決定と共に、ポスタービジュアル&予告編が解禁された。


 





INTRODUCTION


©2020伊梨大盛传奇影业有限公司



中国の小説家マー・ボオンの原作を基に、SNSなどを介して参加者を洗脳し自殺に扇動するなど、ロシアから世界を巻き込んで大問題となった青い鯨(ブルーホエール・チャレンジ)事件からインスピレーションを受け、ネット小説を読んだ人たちの無残な死を迎える事件を解明しようとする若者たちを描き、新たなるサスペンス・スリラーを誕生させました。


©2020伊梨大盛传奇影业有限公司




ネット小説に仕組まれた恐怖が、読んだ人間の心理を利用し、無意識の感覚に恐怖を増大させて死を迎えさせる。映画本編に仕組まれたギミック映像とともに、恐怖の謎が解き明かされる本作のイメージを、日本版ポスターに投影させている。


©2020伊梨大盛传奇影业有限公司

 


主演は、台湾の人気男優で『返校~言葉の消えた日』やジャッキー・チェン製作の中国ドラマ「成化十四年〜都に咲く秘密〜」のフー・モンポーと、有名ブランドのモデルやNetflix「流星花園2018」ほか映像ドラマで活躍する中国若手期待の女優スン・イハン。スタッフには、撮影に「鎌倉殿の13人」『曇天に笑う』の神田創、編集を『クライマーズ・ハイ』の須永弘志、音響効果に『事故物件 恐い間取り』の大河原将、照明を『私はいったい何と闘っているのか』の丸山和志、そして音楽をアニメ「約束のネバーランド」の小畑貴裕と日本の敏腕スタッフたちが集結している。


©2020伊梨大盛传奇影业有限公司













STORY


©2020伊梨大盛传奇影业有限公司



大学生のジョウ・シャオノア(スン・イハン)は、前日に電話で話した従姉のタン・ジンが自殺したことが信じられず、従姉の大学の同級生で犯罪心理学に詳しい記者志望のマー・ミン(フー・モンポー)に相談する。タン・ジンのパソコンを調べることにしたシャオノアは、ショウ・ナという女性とのチャットのやりとりと、貼られたリンクからネット小説「残星楼」の存在を知る。シャオノアはそのネット小説を読むが、突然、自分の名前を呼ぶ謎の声と“髪の長い女”が現れ、得体のしれない恐怖に襲われる。シャオノアはマー・ミンとともにネット小説の謎を探るが、やがて「残星楼」に関わっていたメンバーが次々に自殺していることを知る。そして二人にも死の恐怖が忍び寄る・・・




©2020伊梨大盛传奇影业有限公司










鶴田法男の伝説的傑作OV『ほんとあった怖い話』新装版DVDで10月28日(金)発売決定!
特典は伊藤潤二、高橋洋、石井てるよし、伴大介ら豪華対談やオーディオコメンタリー!







当サイトで好評連載中の「Jホラーのすべて 鶴田法男」でも何度も紹介されている、Jホラーの原点にして最高傑作、『リング』『呪怨』『回路』などに多大な影響を与えた伝説的傑作『ほんとにあった怖い話』(オリジナルビデオ版)シリーズ(1991年・1992年)全3作の新装版DVDが、本作の公開のタイミングに合わせて、2022年10月28日(金)に発売される。


© 朝日新聞出版、ジャパンホームビデオ
















『戦慄のリンク』作品情報





〇スタッフ
監督:鶴田法男 脚本:ヤン・ヤン 原作:マ・ボヨン「她死在QQ上」
撮影:神田創 編集:須永弘志 美術:リー・チア 音響効果:大河原将 照明:丸山和志 音楽:小畑貴裕

○キャスト
スン・イハン フー・モンポー 
シャオ・ハン チャン・ユンイン ウォン・マンディ ハン・チウチ ジョウ・ハオトン
提供:三鷹オスカー/フィールドワークス   
配給・宣伝:フリーマン・オフィス
BD・DCP アメリカンビスタ 音声:北京語   
映倫:G
原題:網路凶鈴 The Perilous Internet Ring  ©2020伊梨大盛传奇影业有限公司
製作:2020年 中国 96分  





12月23日(金)より新宿シネマカリテほか全国ロードショー!










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